ワンパンマン19巻のネタバレ・感想!ガロウと怪人王オロチの勝負の結末は?

集英社のコミック誌「となりのヤングジャンプ」にて、2012年6月から連載中の『ワンパンマン』は、原作・ONE先生、作画・村田雄介先生による作品です。

現在、アニメ第2期が放送され、大人気となっている漫画『ワンパンマン』。

その『ワンパンマン』の第19巻のあらすじ・ネタバレや感想を、ご紹介していきます。

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『ワンパンマン』19巻のあらすじ・ネタバレ

人質救出のために怪人協会へ乗り込むチームを結成するべく、ヒーロー協会に集うS級ヒーロー達、さらには単独で怪人協会のアジトへ乗り込んだガロウ。

ヒーロー協会にも、裏でもつれる黒い思惑があり、それぞれの正義のもとにぶつかりあいながら、目的の為に能力を集結させていき、そこへジェノスやフブキ、シルバーファングと言った、サイタマ一派が絡んでいき、複雑な人間模様が展開されました。

対して、ガロウは、登場から一匹狼を通しており、彼を中心にストーリーのシンプルな部分が展開し、その戦いを通して怪人協会の幹部、そして最大戦力の姿も垣間見え、更にはサイタマが、怪人協会と直接関わるのか、と先の展開を予感させる描写もある巻です。

人質奪還作戦に乗り出すS級ヒーローたち

童帝はいつものようにアメを舐めながら、ヒーロー協会本部の廊下を、自分のロボットらの信号が途絶えた事を考えつつ歩きます。

これは、発見され破壊された事を示しており、詰まりは敵の本拠地に捜索が近づいたのだ、と思慮する童帝に、セキンガルが、捜索は進んだか、タツマキに急かされていてな、と声をかけました。

童帝が本部に来たのは、人質奪還作戦で、S級ヒーローへ招集がかかった為でしたが、不参加のメタルナイト、バンケンマン、入院している金属バットやタンクトップマスターと、集まらないメンバーも居る中で、シルバーファングと鬼サイボーグ(ジェノス)とキングにも、声を掛けると、セキンガルは考えを示します。

童帝の危惧

しかし、童帝は、怪人協会のアジトがあるとされる、Z市のゴーストタウンに住所を置き、出自も明確でないジェノスを参加させることに反対しました。

内通者が現れるリスクを上げ、新参で実績もないジェノスは信用できないとしながら、脳裏には、以前メタルナイトに言い渡された助言が反芻されます。

戦力の面から迷いながらも、セキンガルはジェノスを外すことに同意し、あわせてシルバーファングをも、弟子であるガロウへの手心が危惧されることから、メンバーにしない事を同意しました。

一方、キングは自分たちの主力だ、と童帝もセキンガルの意見に同調するのですが、彼は強面なだけの普通のオタクで、相変わらず、戦力ゼロの奇跡の男なのでした。

ヒーロー協会内部の衝突

シルバーファングとジェノスを、チームから外すという提案に、シッチは驚きを隠せず、更には変わりにA~C級ヒーローを補充して、居ないよりマシなサポートとする、とのセキンガルの考えに、使い捨てのように扱うな、と怒りを顕にします。

「地球がヤバい」予言対策担当で、ヒーローの目減りによる弱体化を危惧するシッチに、セキンガルは、怪人協会こそが予言の災厄として、ここを乗り切れば後は考えなくともよい、と意見を呈し、頑なな彼にシッチも黙るしかありませんでした。

鍋を囲むサイタマ一派

サイタマ、ジェノス、クセーノ、シルバーファングとその兄、ボンブ、キング、フブキといった面々が、黙々と無表情で、グツグツしている鍋を囲んで、一様に、真剣に、それだけに注目しています。

サイタマは、野菜や肉の様子を注意深く観察して、煮えたッ、と確信した瞬間に箸を伸ばしますが、集中しすぎて鍋以外なにもない、そんな闇の中へ他の六人の箸も一斉に伸びてきました。

S級ヒーローとそれに匹敵するメンバーのエネルギーが一点に集まり、鍋の中身は宙に爆散してしまい、キングはふっ飛ばされ、サイタマは、あまりの惨状に、ああああああと、心中で声にならない叫びを上げ続け、一瞬で肉の位置を見極めたフブキが、サイコキネシスで自分の方へ引き寄せます。

それを呼んでいたかのように、ジェノスが奪い取って、サイタマ先生の肉に何のようだ、と凄みますが、その男の手下で満足なの? と怯まないフブキでした。

それを他所に、シルバーファングは豆腐ばかりをすばやく椀に取りながら、鍋は楽しく食べるもんじゃろ、と余裕を見せ、豆腐ばかり取るんじゃない、とボンブが突っ込みます。

いつの間にか増えるフブキ組

サイタマは、どうして当たり前みたいに、人の家で鍋を食ってんだ、と集まったメンバーに静かにキレ、無表情で凄みをきかせました。

「白菜消滅したじゃねーか帰れ」

フブキも、そうよ返りなさいよ、と同意しお前もな、というサイタマのツッコミを無視しつつ、シルバーファングはともかく、一般の老人までここにいる資格があるの、とボンブに対して圧をかけます。

「このフブキ組に入りたいのなら、相応の強さを証明しなさい」

フブキ組のリーダーに恥じない威厳を見せながら言い放ちますが、この集まりを勝手にフブキ組と冠されて、ジェノスが、まずお前を無に返してやろうか、とブチ切れます。

フブキは更に、クセーノにも、フブキ組の兵器開発部門として、雇ってあげてもいいわよ、と勧誘を懸け、さらなるジェノスの怒りを買うのでした。

病みサイボーグ、ジェノス

かなりのダージを蓄積して、修理を控えているためか、ジェノスの様子がおかしく手当たり次第に当たり散らします。

弟子の育て方をサイタマに相談するシルバーファングに、食べている途中に長い話をするな、とあたりボンブに確保している白菜を、サイタマに分けろと噛みつき、クセーノにお茶を取るように頼んだフブキに、博士に指図するなと弾けていました。

とうとう、またいい肉を持ってきてくれ、とクセーノに頼んだサイタマにも、博士に図々しく、と当たりかけて、失礼しました! と途中で気づきます。

流石にサイタマも、お前はもう休め、とジェノスの身を案じ、鍋を食ったら解散しろよ、と勝手に集まった連中を諌め、吹っ飛んで寝ているキングを介抱するのでした。

ガロウのカチコミ怪人協会編

風の鳴るZ市のゴーストタウンを、一人歩くガロウは、シャッターの壊れた家屋の床に、無造作に開いた大きな穴から、地下の巨大なトンネルへ入り込みます。

大目玉の怪人ギョロギョロは、拠点につながる通路に侵入者があったことを察知して、その位置と生物であるという情報から、怪人かヒーローの偵察と考えました。

ギョロギョロの脳裏には、ミルフィーユのように階層の分かれたアジトの全貌と、地上からつながる通路が、人間の神経のように張り巡らされている様が、立体映像のように浮かびます。

超精神感知と言う能力で、侵入者の位置は手に取るように分かり、夜行性の雑兵達を偵察に向かわせ、怪人なら連れてきて、それ以外は好きにして良いと命じるのでした。

本部に集まったS級ヒーロー達

キングは、結局朝までじっくりサイタマの家で眠り、サイタマの声で目覚めてから、返るついでにペットボトルを捨ててくれ、との頼みを聞いて、朝のゴーストタウンを歩きます。

怪人が多くて人もいなくなり、サイタマが住むことで怪人もいなくなり、意外にも清々しい朝を満喫しますが、猫のいる家のネズミが屋根裏に集まるように、怪人も街の裏に巣をして、密集しているのでは、と考えて気持ち悪くなります。

自宅に帰ったキングは、ヒーロー協会のスタッフに発見され、鍋の染みを戦いの跡と勘違いされつつ、また無尽蔵に尊敬を集めて、そのまま本部へ着いてきてくれと頼まれました。

本部ではナリンキが、自分の用意した最強のはずの部隊から、定時連絡が途絶えたことに頭を抱え、セキンガルにS級の金属バットもやられて信用ならない、全財産かけるから息子を助けてくれ、とすがります。

そんな状況へS級ヒーローが集結して、金で動くのは金より弱いものだけだ、と断じて、早速彼らは人質救出の作戦を立てるべく会議を始めました。

A~C級ヒーローをサポートに招集することを知ったタツマキは、フブキを呼ぶんじゃないでしょうね、と妹の身を案じ、結局、自分がいれば十分でしょ、と、無理やりセキンガルにフブキの招集をキャンセルさせ、ちゃくちゃくとサイタマ一派は、キングを除いてハブられていきます。

怪人協会アジトでの猛烈な戦いの幕開け

牢屋に囚われたタレオは、恐怖に眠れないながらウトウトし、ワガンマは図々しく爆睡していましたが、キリサキングがタレオだけを連れ出しました。

開放されたのではなく、キリサキングの遊び相手にされると知り、嫌がるタレオは為す術なく連れ出されてしまい、更にキリサキングは、ヒーローが助けようとしているのは、ワガンマだけで、タレオの存在は知られていない、と伝え絶望を煽ります。

その頃、3人組の怪人達が、侵入者を見に行った連中が一匹も帰ってこない、と話しながら通路を進み、派手にやられた遺体を発見し、やっぱり人間の仕業じゃないな、と談笑し、ここにキリサキングがいないのは、我慢できずに捕らえた子供のところに行ったな、と呆れていました。

拷問部屋で目の下を薄く切られたタレオは、助けてと叫び続けますが、キリサキングは遂に殺害に及ぼうとしますが、その背後の壁を破壊して、ガロウが飛び出し、刃を掴んでへし折ってしまいました。

右手を鉤爪のようにして、一撃で頭を吹き飛ばし、そればかりか、縦横無尽に爪で引き裂いたようにエネルギーが走り回り、キリサキングをバラバラにします。

一瞬で勝負を決めたガロウに、おじさん! と希望の声をタレオは発して、いくぞ、クソガキ、と脱出を促し、どうしてここがわかったのか尋ねるタレオに、静かに答えました。

「怪人だから」

怪人協会幹部の実力

逃走を図るガロウとタレオに、二匹の怪人が遭遇しますが、またガロウに瞬殺され、細切れになりますが、なんとガロウはその死骸を食べてしまいした。

お腹壊すよ、と恐怖と混乱で間の抜けた指摘をしながらも、タレオはガロウについて走り、逃亡を図りますが、遂に立ち止まって、ワガンマも助けて、と泣き叫びます。

勘違いするな、お前を助けに来たわけじゃない、と振り返ったガロウは、タレオの背後に圧倒的な存在を見て、言葉をなくします。

8つの目が光る、巨大な犬のような影に、敵意を向けないように、二人でゆっくりと距離を取り、なんとか事なきを得ますが、逃げた先で先程の3匹の怪人たちと遭遇しました。

そこそこ強い三匹との攻防

シャワーの蛇口がそのまま頭になった怪人は、大量の熱湯や化学物質の水溶液を自在に噴出し、巨大な人形ネズミは、実験体になりすぎて、強靭な肉体と再生力を身に着けます。

でっかい爪楊枝のような頭を持った怪人は、世界最硬を自称し、一斉にガロウに襲いかかるも、一度は返り討ちに会いますが、一撃で倒すことはできず、彼らの合体技を引き出すことになりました。

槍のような形状に変化した、角の怪人を、デカマウスが全力で投げ、更にシャワーヘッドが強い水量で加速させる、三鬼一体爆速刺しを敢行します。

ガロウは問題なくこの攻撃を避けますが、強烈な推進力でとどまるところを知らない槍が向かったのは、やり過ごしたはずの化物の方角で、気づいたときには既に遅く、闇から爆音のような咆哮がとどろきました。

世界最硬のハズの角が砕かれ、ガロウたちのもとに転がってきたのを目にし、ネズミ怪人が、ポチ、と怪物の名前を口にし、災害レベル竜、怪人協会幹部、「育ちすぎたポチ」が牙を剥きます。

育ちすぎたポチとの激戦

ポチは、やおら口から巨大なエネルギー弾を発射し、ネズミたちごと攻撃を仕掛けてきて、怪人たちは自らの特性を活かしてしのごうとしますが、全く刃が立たず、ガロウは瞬時にヤバさを察して逃げ出しました。

攻撃の衝撃は、自宅でゴロゴロしていたサイタマにも感じられる地震となって、Z市のゴーストタウンを揺るがしますが、辛くも一撃目を避けたガロウは、タレオを一人逃亡に走らせて、自らは足止めのために、ポチの前に立ちふさがります。

しかし、至近距離からのエネルギー弾をまともに受け止めることになり、アジトの階層を何層もぶち抜いて、大量の瓦礫に埋もれてしまい、満身創痍となった上に、全方位から大量のエネルー弾を畳み掛けられました。

気合でこれを回避したガロウは、潜んだ天井から懇親の一撃を、ポチの鼻っ面に打ち下ろし、スマッシュヒットを勝ち取りますが、全くダメージは与えられず、体を一つ震わせただけで、片足を咥えられてしまします。

何度も地面や壁に打ち付けられ、動けないところに再びエネルギー砲を照射され、更に下層までねじ込まれ、再び瓦礫に埋もれることになりますが、たどり着いた場所は偶然にも、大目玉の怪人、ギョロギョロが控える目の前だったのです。

ギョロギョロとの対話

ギョロギョロは、ガロウに対して君なら生きていると思った、と語りかけ、体の動きを奪いながら、自分の前に立たせ、少し話をしよう、と持ちかけました。

ガロウを、半怪人の状態と言い、その将来性を期待しながら、わたしなら最強の怪人に育ててあげられる、と持ちかけますが、ギョロギョロが教えようというのは、武術や能力ではなく、怪人化の秘法だというのです。

人間としての限界を、何度か超えることで、常軌を逸した肉体と精神への負荷を実現する方法で、本人に適した内容に調整しなければ、死ぬだけになってしまう、とギョロギョロは語りました。

簡易的に人間を怪人化させる怪人細胞は量産できたが、これは母体の才能を超えて強化されることは無い道具で、限界を超える手法を探り、途方もない失敗作の果にたどり着いた、初めての成功こそが、怪人王オロチであると明かします。

ギョロギョロは、オロチ以上の才能を、ガロウに見出して、キリサキングに殺されかかった経験を乗り越え、怪人化が順調に進むガロウに対して、手を組もう、君の夢を叶えてあげる、と誘惑を差し伸べました。

しかし、ガロウはギョロギョロの念動力に凄まじい順応性をみせ、拘束にあらがい、更には抜け穴を見破って完全に打ち破って、勧誘を突っぱねるどころか、怪人協会のブレインであるギョロギョロを滅ぼし、瓦解させてやると身構えます。

ヒーローがこれから来るのに、疲れさせるなよ、とガロウとの戦闘に問題を感じさせない口調ながら、ギョロギョロは自分で戦おうとせず、控えていた怪人王オロチに、やっちゃってください、と声を掛けるのでした。

怪人王オロチの強大な力

やおら、更に下の階層から巨大な手が、床を粉砕して出現し、ガロウを握りしめて引きずり下ろし、ギョロギョロは健闘を祈る、と、大目玉をニヤつかせながら言葉を送ります。

巨大なオロチの手は、ガロウの体を覆い尽くしてしまい、ギシギシと締め上げ、それだけで、勝負を決してもおかしくない戦力差を、感じさせます。

ギョロギョロが一つ指を鳴らすと、無数の歯車が可動し、アジトの構造自体が動いていき、十分にオロチが暴れまわれるほどのスペースが出現しました。

更にガロウを握る力を込め、絶命させようとするオロチに、ギョロギョロは、そいつは使う予定だから殺さないで、と半ば命令のように頼みます。

オロチがガロウを話すと、相当な高さを落下し、石の床に激突しますが、まだ起き上がろうとするガロウに、ギョロギョロが驚嘆声をもらしました。

尋常ならざるダメージの中で、それでもガロウは床に拳を打ち付けて、飛び起き、遥かに頭上のオロチの瞳を睨もうと、仰ぎ見ます。

一瞬、何本も携えられたオロチの頭の角が、動いたかと思うと、瞬時にガロウに向かって伸び、とっさに飛び退いた後には、鋭い先端で岩石に床が破壊されていました。

避けきったかと思えたガロウでしたが、角は更にネジ曲がりながらガロウを追いかけ、遂にその腹部を貫通してしまいます。

そのまま壁まで体を運ばれて、打ち付けられたガロウは、ズルズルと床に倒れ伏して、それでも、胴体には、さっきも穴を開けられたばかりだから、問題ない、と立ち上がりました。

ガロウの抵抗

オロチは、伸ばしていなかった角も一斉に可動させ、強靭で凄まじい速度、自由度を持ってのたうつ大蛇のように、角を何本も打ち付けます。

しかし、ガロウはこの攻撃を、武術を使って全て受け流し、致命傷を避けながら、一瞬のすきを突いて、土煙に紛れて姿を消しました。

ガロウは見物していた下っ端怪人の近くに着地し、あっけに取られる彼らをキリサキながら、さらに逃亡を図ります。

オロチは、角を連続で繰り出して、串刺しにしようとしますが、徐々にガロウの速度は上がっていき、縦横無尽に広いスペースを、弾丸が跳弾するかのように走って回避しました。

それでも、オロチの追撃は止むことがなく、逃げてばかりいては埒が明かない、と、懐に潜って自分の間合を取り、急所を狙って攻撃をしかけます。

元人間と聞いて、顔面の急所に狙いを定め、接近しますが、突然、それまで人間のような外見だったオロチの頭は、大きく変異し、口から飛び出すように、何重にもなった、巨大な顎が出現しました。

オロチの真の姿、そして破壊力

辛くも、口に収まってしまう前に、身をかわしてなんとか着地したガロウは、完全に姿の変わってしまったオロチを、改めて見上げます。

巨大な顎はそのままに、四肢が解けて、数多の蛇のような体を持った龍が、肩から伸びているような状態で、Tレックスのように、極度の前傾姿勢をとり、既に人の趣はまったくなくなっていました。

犬の次はミミズの化物か、とあっけにとられているガロウに対して、オロチは巨大な本体の顎だけでなく、何頭もの龍の喉の奥に、明らかに高エネルギーが収束している、光を宿します。

やべえ! と身をかわした時には、ガロウの体は既に光の中にあり、何本もの光線が、多角度から降り注ぎますが、ギョロギョロはその高音に耐えているガロウの姿を目にしました。

岩石の床が溶け、燃えるという凄まじい光景の中で、暴れ狂うオロチは正に地獄の魔獣で、更にオロチは、肩から伸びている龍の体を一纏めにし、再び腕を作り出し、巨大な拳を炎に耐えるガロウへ振り下ろします。

ガロウはこれを受け止めますが、威力は凄まじく、壁に顔面から叩きつけられ、ギョロギョロは、レベルの違いを指して、諦めろ、と諭しました。

しかし、ガロウは笑わせんな、とすぐに立ち上がり、確かにオロチは強いが、全く恐怖を感じない、と断じ、流水岩砕拳の構えをとって、俺が恐怖を教える、と、覇気は衰えません。

信じられないオロチの吸収力

その姿に、オロチは巨大な顎を人の顔の形にもどし、岩窟な下半身をどっしりと中腰にかがめ、炎のマントを纏いながら、ガロウと同じ構えを獲って見せるのでした。

胴に入った自分と同じ構えのオロチの姿を前にして、ガロウはその光景が信じられないと行った様子でしたが、ギョロギョロは、自分だけが天才と思うな、オロチ様を成長させてしまったな、とさしたる驚きも感じさせません。

「望み通り、恐怖を与えてやる」

地を恐怖させるようなオロチの声が響く中、骨折してネジ曲がった腕を背に隠しながら、やりやすいスタイルになっただけだ、と強がるガロウは、それでも引かずに、オロチの眼前に飛び込んでいきました。

オロチが繰り出した攻撃は、腕を再び解いて、無数の龍を呼び出した上で、その一体ずつがそれぞれに、流水岩砕拳を操り、無数の拳撃、爪の烈風を浴びせる、というものです。

遂に、ガロウは壁に打ち付けられて意識を失い、為す術なく身動きも取れなくなり、ギョロギョロは、ガロウを捕らえて強化、洗脳し、切り札とする思惑を明かしました。

ギョロギョロは、ヒーロー協会にもS級以上のカードが隠されているかも知れない、と不安にも感じていない様に独りごちますが、地上では遂にサイタマが、度重なる揺れから地下に目をつけて、マンホールの蓋を開けます。

『ワンパンマン』19巻の感想・見所

今回のエピソードでは、ガロウの活躍が主に描かれ、遂に怪人王オロチの戦う姿を描写し、更にはオロチが、元人間で、様々な能力を同時に有している、と思われるような場面が現れました。

オロチがどんな戦いをするのか、と併せて、どうやらギョロギョロも元人間で、しかもオロチよりも、上の立場を感じさせる描写もあります。

S級ヒーロー達は本部に集まった様子が描かれたにとどまりましたが、彼らの緊迫した様子と、ヒーロー協会に渦巻く不協和が見て取れて、更にはジェノスらがハブられていく過程が語られました。

サイタマ一派がどのような形で怪人協会の戦いに参加してくるのか、これも気になりますが、やはりガロウの今後が最も案じられます。

今回、捉えられてしまったガロウは、これからギョロギョロによって怪人協会の戦力となってしまう可能性がありますが、これにより、ある意味でガロウは、強化されるきっかけを得ました。

しかし、怪人に憧れながら、ヒーロー的な思考や行動を獲ってしまうガロウの姿に見えていた、彼なりの「怪人像」からは、遠ざかってしまうことになります。

これまで、『ワンパンマン』のエピソードは、不屈のヒーロー、ビジュアルを超えた芯に響く生き様を描き、ヒーローの矜持を表現してきました。

はたして、怪人協会との戦いは、どんなヒーローを浮かび上がらせることになるのか、そして、サイタマが充足感を得る戦いは、起こるのか、その相手はガロウなのか、展開の想起が尽きないエピソードです。

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