『アクタージュ act-age』最新話85話のネタバレと感想!孫悟空と羅刹女の対決、夜凪に対する王賀美の策

2019年10月12日(土)に発売した週刊少年ジャンプ46号の『アクタージュ act-age』の最新話85話「開戦」のあらすじネタバレと感想をまとめて紹介します。

前話のネタバレを見逃した方は以下のページでレビューしていますので是非チェックしてみてください。

『アクタージュ act-age』84話のネタバレと感想はこちら

『アクタージュ act-age』第85話「開戦」のネタバレ

登場したヒーローを見て安堵する観客 王賀美の天性の才能

夜凪が「恐怖」をもって、支配した状況に、王賀美陸という存在を投入する事で、取り直しを図った、舞台「羅刹女」。

「孫悟空」である王賀美が、「羅刹女」へと話しかけるシーンを見て、観客の間には、安心感が広がります。

(ただ出てきただけで…なんだこの安心感)

(技術とかそういうんじゃねぇ…天性のものか)

(羅刹女が凍りつかせた空気を一変させた)

王賀美の芝居、そしてその効果を、そのように評する、「劇団天球」の七生と亀太郎。

一方で舞台は、芭蕉扇を求める孫悟空と、それを拒む羅刹女との、殺陣のシーンへと、突入して行きます。

(さて…)

(ここからだ)

油断なく夜凪に向かい、舞台のコントロールを図る、王賀美。

しかし「羅刹女」が、腰の剣を抜くと、再び客席は、夜凪が放つ演技に圧倒されます。

(油断すれば俺が喰われる…!)

稽古の際とは、真逆の立ち位置を自覚し、気合いを入れ直す王賀美。

『おじきの女だからって容赦しねぇぜ姉御!』

そして王賀美は、舞台に足を強く打ち付け、音を立て、夜凪によって支配されかけた観客の視線を、再び己に引き戻させる事に、成功します。

それを舞台袖から見るのは、出番を待つ、武光・白石・朝野の3人。

「あの王賀美君がテクニックを使って演じている」

「今の夜凪さんはそうでもしないと勝てない相手ということです」

そう、王賀美の芝居を、評する白石。その視線の先では、「孫悟空」が「羅刹女」へと、斬りかかる、殺陣のシーンが、始まりを告げていました。

夜凪との殺陣に臨む王賀美 舞台を左右する2人の対決構図

その中で、夜凪と己、そして舞台「羅刹女」について、考えを巡らせる、王賀美。

(この芝居は綱渡りだ)

(景の存在感が俺に勝れば観客が感じるのは“恐怖”)

(舞台「羅刹女」は得体の知れぬ女の狂気の芝居になる)

(俺の存在感が景に勝れば観客が感じるのは“高揚”)

(舞台「羅刹女」は待ちに待ったメジャー俳優の大活躍(エンターテイメント)になる)

(これは景と俺の客の奪い合い)

(そして必ず俺が勝たなければならない勝負…!)

そう考える王賀美の思考と共に、孫悟空と羅刹女の2人は、激しい殺陣を演じて行きます。

「見て下さい、観客は気がつけるはずもないでしょうが」

「稽古の時と2人の立ち位置が逆になっている」

そう言った白石の言葉によって、よりにもよって主演である夜凪が、客席に背中を向けている事に、気が付く武光。

それを見た武光は、「あの」王賀美が、夜凪に負けまいと、必死になっている事に、今更ながらに気が付きます。

(向こうじゃな景、腐る程見てきたさ)

(俺のような天才も)

(お前のような天才も)

殺陣を演じながら、夜凪へと語りかけるように、1人考える王賀美。

王賀美は、最も恐ろしい才能である、「作品に愛される才能」を、怒りをより激しく燃やす夜凪の中に、見ます。

(それはいくら望んでも)

(俺には叶わなかった才能)

王賀美は、そんな夜凪に対し、自分がどう戦うか。その1つの方法を、その場で実践して見せます。

王賀美の武器 作品を味方にする夜凪 観客を味方にする王賀美

『これはよ、俺の都合だけじゃねぇんだぜ』

『村の連中はよ、皆窮してんだ』

『火焔山のせいで畑も育たねぇと泣いている』

王賀美は、体を客席の方へと向けると、観客1人1人に語りかけるようにして、芝居を披露。

それを見た観客は、誰もが皆、「王賀美陸と目が合った」と、夜凪に対する恐怖を上回る高揚を、植え付けられました。

(お前が作品を味方につけて戦うのなら)

『悪いな姉御、約束しちまったんだよ』

(俺は観客を味方につけて戦う)

『お前ら皆、この俺が助けてやるってな!』

そう言って、王賀美こと「孫悟空」は、再び「羅刹女」へと、対峙して行きます。

『アクタージュ act-age』第85話を読んだ感想

王賀美が、その存在感をもって観客の意識を己へ集中させる一方。

激しい「怒り」を燃やす夜凪は、王賀美さえも喰いかねない勢いで、芝居を展開させて行きます。

対する王賀美は、あらゆる手を使い、観客の「目」を己へと引き戻し続け、「作品」を味方につける夜凪に、対抗。

王賀美が、その実力の片鱗を見せつけた、第85話でした。

いまひとつ「どうすごいのか」が、描写されて来なかった王賀美が、本領を発揮した今回。

夜凪との対比の意味も含め、「観客を味方につける」という、王賀美が発揮した強みは、なるほど、と、とても納得させられるものがありました。

これまで築いてきた、王賀美のキャラクターとも矛盾せず、なおかつ、「多くの人間を味方につける」という、典型的なヒーローの構図。

夜凪と対になるものでもあり、王賀美のキャラクターを強烈に補完するものでもある、これは、俳優の「武器」として、とても説得力のあるものだと、感じました。

このように、王賀美によって舞台が立て直されつつある中、反して、底を見せないのが、「怒り」に囚われ続けている、夜凪。

なんだか心理描写もほとんどなくなり、何かをしでかしそうな気配を、濃厚に漂わせています。

さすがに舞台自体をぶち壊してしまうような、「何か」があるとは、思いたくないですが……花子の出方次第では、そんな危険も、あっておかしくないような気はします。

しかも、ここまで来ても、この舞台、序盤も序盤、最序盤な訳ですから、気の休まらない展開は、まだまだ続きそうです。

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