『なつぞら』兄・咲太郎(岡田将生)はサンドイッチマン?愚連隊や太陽族の意味を解説!

2019年4月より放送中のNHK朝ドラ『なつぞら』。広瀬すずさん演じるヒロインのなつが、アニメーターを目指し北海道から上京しました。別々に育ってきた兄とも再会を果たしますが、なつを思うあまり勘違いや暴走ばかりで、やることなすこと全て裏目に出ている状態です。視聴者の中には兄にイライラを覚える方も!?

そんな兄・奥原咲太郎(岡田将生)が、第52話では、サンドイッチマンをして捕まったそうですが、一体どういう事なのでしょうか?

また、なつが入社試験で落ちた際に、東洋動画の社長が咲太郎のことを愚連隊や太陽族と言っていましたが、その意味とは?

こちらの記事では、そんな疑問についてまとめてみました。

大杉社長が言った謎の言葉とは?

大杉満(角野卓造)「戦前からプロレタリア演劇の流れを汲む劇団じゃないか。しかもあんな愚連隊だか太陽族だか分からないような、不良の兄が居る子を入れるわけにいかないよ」

第51話
なつが東洋動画の入社試験に落ちた理由を仲(井浦新)が調べてきてくれました。なつの絵は悪くなかったと話し、社長の判断で落とされたという事が分かります。咲太郎(岡田将生)が不良だと誤解され、なつのアニメーター試験を不合格にさせたのです。

愚連隊って何?

繁華街などで暴力的な行為を常習とする青少年の不良団

わき道にそれるという意味の「ぐれる」が語源です。「ぐれる隊」が「ぐれん隊」となり「愚連」という当て字が使われたと言われています。1950年(昭和25)頃から、博徒(ばくと)、的屋(てきや)と並んで、暴力団の一種として呼ばれるようになったそうです。

定職につかず、街を集団でうろついて、お金を巻き上げたり喧嘩をしたりする集団を指しました。

太陽族って何?

既成の秩序にとらわれず、奔放な考え方と行動をする戦後派若者

マイペディアに、「夏の海辺などを舞台に奔放無軌道に行動する青年男女」と書いてありました。石原慎太郎の小説・映画/太陽の季節(1955年)に由来しているそうです。

慎太郎刈りにサングラス、アロハシャツの格好をしている不良集団のことを指すそうです。石原軍団の人たちがサングラスをかけているのは、このせいでしょうか?

↑慎太郎刈りはこんな髪型です。

同じ時期に流行った、この前髪長めの髪型は咲太郎(岡田将生)に似てますね!なんでリーゼントなんだろう…と思っていましたが、違いました。

「太陽の季節」で描かれた、裕福でルールに縛られない自由な生き方、男女の関わりも奔放な人たちに憧れて、太陽族は生まれたそうです。

憧れから庶民が真似した物なので、本家の石原家の人々のようにはいかなかったみたいです。格好や髪型を真似したり、ヨットやボートを借りたりして、近付こうと努力する人をこう呼んでいました。
本物の太陽族は、お金持ちで社交的、綺麗な装いでスマートなことが大事にされ、意味合いが違うようです。

結局、大杉満(角野卓造)は何が言いたかったの?

大杉社長は、咲太郎のことを指して「愚連隊だか太陽族だか分からないような、不良の兄が居る子を入れるわけにいかないよ」と言っていました。

とにかく、ジャンルは違えど、咲太郎は不良だと言いたかったんですね。

ただ愚連隊と太陽族を見てきましたが、全然違いました。街にたむろする愚連隊と、海で遊びまくる太陽族、似てませんでした。

大杉社長は、きっと咲太郎を見た目でパッと不良だと決めつけた感じでしょうね。劇団名も聞いて、厄介者はとりあえず排除という気持ちが見えてきました。誰か、早くこの誤解を解いて欲しいですね!

咲太郎が始めた新しい仕事、サンドイッチマンとは?

咲太郎(岡田将生)はサンドイッチマンをして、警察に捕まる

第52話
数日後、更になつを心配させる出来事が起こりました。歌舞伎町で無許可でサンドイッチマンをやっていた咲太郎が警察の取り締まりを受けたというのです。

サツ回りという警察署を回る仕事をしていた信哉(工藤阿須加)が聞きつけてきたのですが、なつは“サンドイッチマン”という仕事を知らず、サンドイッチを売る仕事かと誤解するほどです。

なつはその仕事がなんなのかわからないまま、心配でたまらなくなり歌舞伎町へ向かいました。

サンドイッチマンって何?

サンドイッチマンと検索して出てくるのは、芸人のサンドウィッチマンのコンビばかりですね。

↑こちらがサンドイッチマンです。

サンドイッチマンとは、2枚の広告が書かれた板を体の前と後ろに掛けて、街頭で宣伝をする人のことを言います。文字通り、看板で体をサンドイッチのように挟むので、この名前がついています。
繁華街のカラオケ屋や居酒屋の呼び込みで、今でも見かけますね。

1945年に戦争が終わったあと全国的に普及しましたが、ケロヨンやペコちゃんなどのマスコットの登場で姿を消したんだそうです。

ケロヨン、なんとTwitterやってました。

ペコちゃんはお馴染みですね。

今で言うと、ゆるキャラですね。街頭での宣伝はこんな流れを汲んでいたんですね。

サンドイッチマンはどんな仕事?

とにかく陽気にお客さんを店へと引き込むのが仕事です。ただ、声を出さないのが主流だったそうです。チャップリンを真似して、おどけて宣伝をするサンドイッチマンが銀座に現れて、一世を風靡しました。

調べてみると、「良いスーツを着て、視線をまっすぐ前に向けたままゆっくり歩く」サンドイッチマンが特に有名なんだそうですよ。他には操り人形の動きを真似したり、ピエロの服装でおどけるなど、種類はさまざま!咲太郎はタップダンスでしょうか?

驚くことに、この仕事が誕生したのは、紀元前です!!カルタゴという街に着いた貨物船の持ち主が、積み荷の内容を書いた服を使用人に着せて、商人がいる街に送り込んだのがサンドイッチマンの始まりだそうです。

看板で体をサンドする人が現れたのは、1820年ニューヨークのブロードウェイ。このスタイルは海外から来ていたんですね。英語でsandwichmanは通じます、辞書にも載っているんです。

鶴田浩二とは誰のこと?

ノベライズ版で、咲太郎(岡田将生)がなつにサンドイッチマンってどんな仕事かと聞かれ、「鶴田浩二の歌が流行ってから人気があるんだよ」と答えています。

鶴田浩二さんは戦後の日本の大スター!俳優として歌手として大ヒットを連発された人物です。この方が、街のサンドイッチマンという曲を出しているんです。

ロイド眼鏡に 燕尾服

泣いたら燕が 笑うだろ

涙出た時ゃ 空を見る

サンドイッチマン サンドイッチマン

俺らは街の お道化者

呆(とぼ)け笑顔で 今日もゆく

サンドイッチマンのトレードマークとは?

ノベライズの一節にこんな文章があります。

「踊り子キャバレー・スウィートホーム」の看板を前後に下げて、ロイド眼鏡で扮装した咲太郎(岡田将生)が軽妙にタップダンスを踊りながら、呼び込みをしていた。

ロイド眼鏡とは、こんなメガネです。

セルロイドで作られており、このハロルド・ロイドが掛けていた眼鏡だからロイド眼鏡です。咲太郎は似合わなさそうですね。どんな格好で咲太郎が登場するのか、楽しみです。これは映画ですが、雰囲気はこんな感じでしょうね。

妹思いの兄・咲太郎まとめ

咲太郎は妹の為にしたことが裏目に出て辛いですね。なつ(広瀬すず)も苦しい立場に置かれてしまいましたが、東京編で登場した新しい仲間が助けてくれるはずです。

また、別記事では咲太郎の演劇に対する思いについて深堀りしていますので、併せてご覧ください。

時代背景を知ることで『なつぞら』の登場人物のセリフがもっと深くなります。知っている人でないと気付けないワードが、時折出てくるんですよね!今後もチェックして発信していきたいと思いますので、お楽しみに!

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