漫画『虚構推理』1巻から最新刊まで全巻ネタバレ|無料で漫画を読む方法も紹介

虚構推理

漫画『虚構推理』は、「少年マガジンR」にて連載中の、伝奇ミステリー漫画です。

作画を手がけるのは、片瀬茶柴(かたせ・ちゃしば)さん。原作小説の作者は、城平京さんです。

2011年に、講談社ノベルスより刊行された、「虚構推理 鋼人七瀬」を原作として、2015年に連載を開始した本作は2019年10月現在、第11巻まで刊行。2020年には、アニメ放送もされています。

「怪異」という、何でも有りの存在に、「推理」を用いて輪郭を与えていく、という、一風変わった作風で、「マガジンR」でも、屈指の人気作となりました。

そんな『虚構推理』の1巻から最新刊まで全巻ネタバレをはじめ、無料で漫画を読む方法も紹介しています。

漫画『虚構推理』を無料で読む方法も紹介

『虚構推理』を漫画村やzipトレント以外で、お得に読む方法を調査した結果、電子書籍サイトが読める漫画配信サービスを活用することで、お得に読める方法がありました!

『恋はつづくよどこまでも』は、1巻あたり420円から購入することができるので、初回無料登録でもらえるポイントを使えば、最新刊及び5巻分無料で読むことができました。

下の表、配信サービスごとにもらえるポイントと無料で読める巻数の一覧表になります。

漫画配信サイト 付与ポイント ポイントで読める巻数
music.jp 600ポイント 1巻分を無料で読めます!
U-NEXT 600ポイント 1巻分を無料で読めます!40%ポイントバックあり
FODプレミアム 1300ポイント 3巻分無料で読めます!
ebookjapan なし(還元あり) 半額クーポンでお得に読めてポイントも還元されます

※上記の情報は2020年3月時点での情報となります。

一覧表のサービスは、すべてお試し期間内に解約すれば、一切お金は発生しません。

漫画『恋はつづくよどこまでも』を全巻集めるならebookjapanがおすすめ

本記事で紹介した電子書籍の配信サービスは、最新刊など数巻無料で読みたいという方にオススメですが、無料お試し後に月額費用がかかるので、漫画を全巻集めたい方はebookjapanがオススメです。

ebookjapanでは、初回登録時に50%OFFクーポンがもらえ、週末などに15%OFFクーポンが配布されるので、定価で買うよりお得に電子書籍を購入できて、期限を心配する必要はありません。

ebookjapanおすすめポイント

  1. 書籍の数は全部で約60万冊!漫画の数では日本トップクラス
  2. 初回購入者は料金が50%オフ!お得に欲しい漫画をゲット(限度額あり)
  3. 支払いにはクレカや携帯キャリア決済、電子マネーなど合計12種類がご利用可能
  4. 会員登録費、月額費が0円!無料で読める漫画が毎日更新

ebookjapanの登録はこちら

漫画『虚構推理』の作品情報

漫画『虚構推理』の作品概要

主人公・岩永琴子は、数多の「あやかし」たちから、相談を受けては解決に導く、「知恵の神」と呼ばれる少女です。

ある日琴子は、2種類の妖怪の肉を食い、特異体質を得た大学生・桜川九郎に一目惚れ。

紆余曲折を経て、琴子は、「知恵の神」の協力者兼恋人として、九郎を迎え入れる事に、成功します。

そしてその2年半後。琴子と九郎は、真倉坂という街で、「鋼人七瀬」という怪異が、噂になっている事を聞きつけます。

その解決のため2人は、九郎の「特異体質」と、琴子の虚構に満ちた「推理」によって、「鋼人七瀬」を消し去ろうと、画策して行きます。

漫画『虚構推理』はどんな漫画?

漫画『虚構推理』ストーリーや見所ポイント

妖怪と親しく話す少女・琴子 不死の肉体を持つ九郎との出会い

病院通いの17歳の少女・岩永琴子は、2年前より、従姉妹の見舞いに来ているという大学生・桜川九郎に、片思いをしていました。

しかし九郎には、結婚の約束までしている恋人・弓原紗季という存在があり、琴子は2年間、懊悩する生活を、送っていました。

そんなある日、九郎が紗季と別れた、という情報を得た琴子は、すぐさま九郎に告白。その会話の中で琴子は、九郎が紗季と別れてしまった原因を、聞き出します。

そこで九郎が語ったのは、紗季との旅行中、河童に出くわした、という、荒唐無稽な話でした。

更に九郎は、その際、怯える紗季を置いて、「恐怖に声を震わせて脱兎のごとく逃げ出した」事が、別れの原因なのだと語ります。

そこまでを話し終え、九郎はその場から、立ち去ろうとします。しかし琴子は、「逃げ出した」という言葉にかかる主語が、「河童」なのではないか、という事を指摘。

九郎が紗季と別れたのは、九郎が、「河童から逃げられるような得体の知れない人物」だからなのだという事実を、看破します。

そこで琴子は、自分が、「妖怪」や「あやかし」などと呼ばれる者たちの、相談役、「知恵の神」として扱われている事を明かしました。

更にその後、九郎があやかしたちから、恐れられているのは、「人魚」を含む、2種類の妖怪の肉を食べた事が原因なのだと判明。

それを聞いた琴子は、そんな九郎を理解できるのは、己だけだとアピールし、更に九郎に迫って行きました。

「鋼人七瀬」の噂 警官・紗季はその噂にただならぬものを感じる

そして、琴子の告白から、2年半ほどの月日が経った頃。九郎の元婚約者・紗季は、警察官として過ごしながらも、九郎の事を忘れる事ができない日々を送っていました。

そんなある日、紗季は、「事故死したアイドルが亡霊となって人を襲っている」、という、「鋼人七瀬」の噂を、耳にします。

取るに足らない、怪談でしかないはずの、「鋼人七瀬」ですが、その内に、それを目撃した事が原因である事故も発生。

それらの事実を受け、紗季の同僚の刑事・寺田は、「鋼人七瀬」を、人間の起こした「いたずら」だとして、捜査を開始しました。

「鋼人七瀬」と遭遇した紗季 琴子もまた「鋼人七瀬」を追う

そして、寺田と話をしたその帰り道。紗季は夜道で、本物の「鋼人七瀬」と、遭遇してしまいます。

「鋼人七瀬」を、取り押さえようとする紗季ですが、亡霊のようなその体には、格闘の類が通じず、窮地に追い込まれます。

しかしその時、場に居合わせた、超然的な雰囲気を放つ少女が、突如として「鋼人七瀬」を攻撃。

どういう訳か、少女の攻撃は、「鋼人七瀬」を撤退にまで追い込む事に成功します。そうして紗季は、窮地を脱出。先は、少女から話を聞くため、警察手帳を提示しました。

紗季の提示した手帳を、まじまじと見つめる少女。すると少女は、どういう訳か、紗季の事を知っているような、口ぶりを示します。

そうして少女は、自身を、紗季の元恋人・九郎の、現在の恋人・「岩永琴子」であると、自己紹介。

その発言の真意を疑いながらも、紗季は、怪我の治療がてら、琴子を自宅へと連れて帰る事にしました。

『虚構推理』キャラクター紹介

岩永琴子

本作の主人公の1人で、名家・岩永家のご令嬢。

幼い頃、妖怪たちによって誘拐され、右眼と左脚を代償として、「知恵の神」としての立場を与えられます。年齢にそぐわないような、超善的な立ち居振る舞いが目立つ一方、恋人である九郎に関係する事となると、低俗な言動が際立ちます。

桜川九郎

本作の主人公の1人で、大学生。従姉である六花の見舞いの際、琴子と知り合い、その後交際へと発展しました。

幼い頃、「人魚」と「くだん」の肉を食べさせられた事により、「不死身の体」と、「未来決定能力」を得ており、その体質が原因で、婚約が破談になった経験があります。

何かと迷惑をかけてくる琴子には、冷たくあたりますが、その一方で、恋人としては大切にしている様子。

桜川六花

九郎の従姉。九郎と同じ体質を持っており、元はこの体質をどうにかするため、長い入院生活を送っていました。

退院後は、琴子の実家に世話になっていましたが、その後失踪。 自らをまっとうな人間に戻せるような、新たな「怪異」を生み出す事を目的に、各地を転々としており、それを「摂理に反する」とする琴子と敵対、追い追われの関係になるに至りました。

弓原紗季

九郎の元婚約者。結納寸前に、九郎の体質を知ってしまった事で、忌避感を抱き、婚約を破談にしました。

現在では、警察官として働いており、「鋼人七瀬」事件の際、九郎と再会。半ば巻き込まれるような形で、琴子たちの戦いに関わる事になりました。

幽霊や妖怪といった類が苦手。

七瀬かりん

怪異「鋼人七瀬」の元であるとされる女性アイドル。

スキャンダルによって追い詰められた末、紗季が勤める警察署のある、真倉坂市で事故死しました。

「鋼人七瀬」は、七瀬かりんの未練が生み出した、怨霊であるとされています。

嶋井多恵

「電撃のピノッキオ」事件に関わった女性。

町内の名士で、快活な老人。怪異に関しては部外者ですが、見知った猫が化け猫だと知った縁から、琴子と九郎の、渡々水町滞在中の面倒を見る事になります。

天知学

高校時代の琴子の先輩で、当時のミステリ研究部の部長。

武道を嗜む好漢ですが、部の存続のため、琴子を利用しようとするなど、狡猾な面も見受けられます。

しかし結局は琴子に策を見破られており、最終的には、「岩永琴子には敵わない」という意識を植え付けられるに至りました。九郎いわく「琴子の被害者」。

森野小夜子

琴子と九郎が、あるローカル線の車内で出会った、イラストレーターの女性。

招き猫に、拷問機具などのモチーフを組み合わせた、一風変わった絵を描きます。

世間を騒がせた「ギロチン殺人事件」に何らかの関わりを持つようで、その過去を暴かれる事を恐れている様子です。

音無剛一

ホテル経営などを行う、「音無グループ」の会長。

若い頃、妖狐の手を借りて妻を殺害した経験があり、剛一とその息子たちは、それによって成功を得ました。

しかし晩年、「罪を犯した者は相応の報いを受けるべき」との、考えを抱くようになり、それを息子たちに示すため、琴子に相談をもちかけました。

『虚構推理』は原作小説作者・城平京さんと作者・片瀬茶柴さんの作品

本作の作画を担当するのは、片瀬茶柴さん。2015年に連載を開始した、本作が、漫画家としてのデビュー作です。

その作風は、緻密で精巧な画面を構成する画力と、高いデザイン力が魅力。

主だった登場人物のみならず、ゲストキャラクターや、モブに至るまで、老若男女を問う事なく、「生きた」人間を描ける事が、最大の強みの作家です。

また、本作中に登場するギャグシーンや、後書きにおいて発揮される、際立ったコメディタッチも特徴の1つ。

原作者である城平さんが描く、「ミステリーでありながらどこか緩さを感じる」世界観と、非常にマッチした作家であると、言えるでしょう。

本作の原作小説の作者は、城平京さん。小説家であると同時に、数多くの漫画作品に携わる、漫画原作者でもあります。

1998年、東京創元社主催の、「第8回鮎川哲也賞」で、最終候補まで残った、「名探偵に薔薇を」で、長編ミステリー作家としてデビュー。

その後、1999年に「月刊少年ガンガン」で、連載を開始した漫画作品、「スパイラル〜推理の絆〜」の原作者として、広く名が知られるようになります。

その作風は、本格ミステリーでありながら、少々調子を外したような、一風変わったシチュエーションが最大の特徴。

また、漫画原作者としては、ミステリーのノウハウを活かした、緻密な構成のファンタジー作品も、手掛けています。

『虚構推理』1巻あらすじネタバレ

漫画『虚構推理』1巻

ある病院に通院する、主人公・岩永琴子は、今から2年前、従姉の見舞いに来ていた青年・桜川九郎に、一目惚れをしました。

しかし九郎には、紗季という名の彼女がおり、琴子は2年間、虎視眈々と、チャンスを伺っていました。

そんなある日、琴子は、九郎が彼女と別れたらしき、兆候を感じとります。

そこで琴子は、改めて九郎に告白。すると九郎は、紗季と別れた理由として、「カッパと遭遇した際、紗季を置いて逃げたから」という、荒唐無稽な話を、始めます。

しかし、九郎の言葉から、「『逃げた』のは九郎ではなくカッパの方である」という真実を、看破してみせた琴子。

琴子はその場で、自分が、あやかし達から頼られ、その悩みを解決する、「知恵の神」と呼ばれる存在である事を、明かします。

そして、その証明だとでも言うように、琴子は、その場に現れた化け狸からの依頼で、巨大なあやかしの鎮圧へと赴きます。

そしてその過程で、九郎もまた、いくら傷付いても再生する、「不死身の体」の持ち主である事を、明かすと、琴子は尚更、九郎に執着するように、なりました。

そして、そんな琴子と九郎の邂逅から、2年半後。2人が出会った病院からは、遠く離れた、「真倉坂市」という街で、ある事件が起こっていました。

それは、「巨大な鉄骨を持ったドレス姿の女性」という、なんとも奇っ怪な存在の、目撃情報。

それを原因とする交通事故も、起こっていた事から、九郎の元婚約者であった、弓原紗季、そして紗季の同僚の寺田は、非公式ながら、件の女性、通称「鋼人七瀬」の調査に、乗り出しつつありました。

若くして事故死したアイドル、「七瀬かりん」の、亡霊であるという「鋼人七瀬」。

半信半疑ながら、その存在について思案していた、紗季は、夜の帰路にて、噂の「鋼人七瀬」、そして、体格不相応な体術で、七瀬を撃退する、小柄な少女と、遭遇します。

そうして、「今日の事は忘れろ」と言い残し、立ち去ろうとする、謎の少女。しかし紗季は、警察官として少女を、放ってはおけず、彼女が負った傷の、治療を申し出ます。

そうして紗季が差し出した、警察手帳を見た途端、少女の態度が変貌。少女は自分を、「桜川九郎の現在の彼女・岩永琴子」と名乗り、紗季へと、不遜な態度を取って来ました。

『虚構推理』2巻あらすじネタバレ

漫画『虚構推理』2巻

紗季の部屋で、怪我の治療をして貰いつつ、九郎の「元彼女」である紗季に、敵意を燃やす琴子。

いくつかの情報を交換したのち、琴子は、「鋼人七瀬」の件に、深入りをしないよう、紗季に念を押し、部屋を後にしました。

しかしその翌日。紗季の同僚・寺田の元に、再び「鋼人七瀬」の情報が入ります。七瀬が本物の亡霊である事を、知っている紗季は、それとなく捜査をやめさせようとしますが、「鋼人七瀬」を、悪質な悪戯だと思っている寺田には、あまり効果がありません。

一方、こちらも「鋼人七瀬」について、調べていた琴子は、ある推測にたどり着いていました。しかし琴子は、その証明のために、警察、ひいては紗季の協力が必要だと気付きます。紗季と関わるのを、渋る琴子ですが、結局はあやかしを使いに出し、紗季をファミリーレストランへと、呼び出す事にしました。

ですがその時。紗季を待つ琴子の元に、あやかしから、「鋼人七瀬」出現の報が、入ります。そこで琴子は、あやかしの1人に言伝を頼み、ファミリーレストランから出立。しかし、そうして辿り着いた先で、どういう訳か、「鋼人七瀬」と戦っていたのは、1週間ばかり行方不明であった、九郎の姿でした。

九郎の姿に面食らうも、すぐにその目的に、あたりを付ける琴子。そうするうち、後から合流して来た紗季と共に、琴子は、九郎と「鋼人七瀬」の戦いを、見守ります。幾度か頭を潰されるなどする、九郎ですが、人魚の「不死身の肉体」、そして妖怪・「くだん」が持つ、「死に際の未来決定能力」を使い、七瀬を殺害。しかし、それは逆に、「殺害」では七瀬を止める事が出来ない事の、証明になってしまいました。

七瀬の撃退後、傍らでそれを見ていた琴子、そして紗季の元へと、やってくる九郎。再会を喜ぶ九郎と紗季、そしてそれを邪魔したい琴子ですが、それぞれの思惑はさておき、3人は、「鋼人七瀬」についての話をするため、紗季の自宅へと、向かいました。

『虚構推理』3巻あらすじネタバレ

漫画『虚構推理』3巻

九郎と合流し、紗季の部屋にて、「鋼人七瀬」についての話をする一行。その中で琴子は、「鋼人七瀬」の正体について、「想像力の怪物」なのだという、結論を出します。

古くは「口裂け女」のように、「本当にいそう」という、何万もの人々の「想像力」が生み出すという、「想像力の怪物」。

「鋼人七瀬」がそうなってしまった、その原因として琴子は、「鋼人七瀬まとめサイト」という、あるホームページの存在を挙げ、それがゆえに、「鋼人七瀬」は不死身であるのだと語ります。

それに対抗するために、琴子は、「鋼人七瀬」という「真実」を、「虚構」、つまりは「『七瀬が亡霊ではない』という嘘の真実」で、塗りつぶしてしまおう、と考えます。

そして、万人を納得させる、「虚構」を作り上げるため、琴子は「七瀬かりん」事件の資料が必要だと考え、そのために紗季を頼ろうとした、のだとの事でした。

アイドルとしてデビューするも、父親の死をスキャンダラスに扱われ、休業していたのだという七瀬かりん。

紗季の資料によれば、「鉄骨に頭をつぶされる」という、その死に様は、「限りなく自殺に近い事故死」と判断されたとの事で、それは、浮遊霊に聞き込みを行った、琴子の結論とも、相違のないものでした。

そして琴子は、その情報を元に、「鋼人七瀬」を消すための、「虚構」作りを開始。九郎が持つ、「未来決定能力」をも併用する事で、「もっともらしい真実」を、「鋼人七瀬」の噂に上書きし、七瀬の消滅を、画策します。

しかし。その夜、街の見回りをしていた、紗季の同僚刑事・寺田が、「鋼人七瀬」と遭遇。物理的な攻撃を、受け付けない七瀬に、返り討ちにされ、殺されてしまった事で、「鋼人七瀬」の噂は、加速して行事となりました。

『虚構推理』4巻あらすじネタバレ

漫画『虚構推理』4巻

寺田が殺された事で、慌ただしくなる真倉坂署と、紗季の周辺。

一方、琴子が調べるネット上でも、柔道有段者の刑事が殺された事で、「亡霊・鋼人七瀬」を信じる風潮が拡大していました。

そしてそれは、「それらしい虚構」を作り出そうとする、琴子にとっての、逆風となるものでした。

そこで琴子は、紗季からの情報を受け、まずは寺田刑事殺しに、合理的な虚構を、上書きしようと目論見ます。

しかし、広がってしまった、「鋼人七瀬」の噂は、殊の外強力で、琴子は、良い方法を思い付く事が、出来ません。

そんな琴子に対し、九郎は、「困難は分割せよ」の言葉と共に、自分の「未来決定能力」を利用する事を提案。

かくして琴子は、「鋼人七瀬」を消滅させるための、「4つの解決」を組みあげ、夜の準備のため、休息に付きました。

一方、琴子が眠る間、九郎と紗季は、九郎の従姉である、「桜川六花」について話していました。

九郎の憧れの人であり、今は行方不明であり、一か月前まで、琴子の屋敷で暮していたという六花。

更に、「六花が九郎と同じ『能力』を持っている」と聞いた紗季が、今回の一件の裏に、六花の影があるのではないか、と推測すると、琴子はそれを肯定します。

そうして待機するうち、琴子たちの元に、ついに「鋼人七瀬」出現の報が、もたらされます。

すぐさま現場に向かった九郎が、「鋼人七瀬」との戦いを始める裏で、琴子もまた六花が作った、「鋼人七瀬まとめサイト」へとアクセス。

こうして、「鋼人七瀬は実在する」という真実を掴もうとする六花と、「実在しない」という虚構を掴もうとする琴子・九郎による、「鋼人七瀬攻略議会」が、始まりを告げました。

『虚構推理』5巻あらすじネタバレ

漫画『虚構推理』5巻

九郎が「鋼人七瀬」と戦う中。「鋼人七瀬」を消滅させるため、琴子は、組み上げた「4つの解決」のうちの1つを、「鋼人七瀬まとめサイト」の掲示板に書き込み始めます。

それは、「鋼人七瀬」自体が、寺田刑事を殺すために、真犯人が作り上げた、でっち上げである、という「虚構」。

その証明のため、琴子は、寺田を殺したトリック、そして偽りの犯人像までもを、捏造し、それを掲示板に、書き込んで行きます。

そうして、一連のトリックを、ある程度説得力あるものに、仕立て上げた琴子。

あとは九郎が、「琴子の説が支持される」流れを、七瀬と戦いながら、掴み取って来る事で、琴子の策は順調に進行して行きます。

しかし、その流れは、すぐさま、九郎と同じ能力を持つ、六花によって、否定的な意見を主とするものに引き戻されてしまいました。

そこで琴子は、「第2の解決」として、「鋼人七瀬は本物の亡霊である」という、新たな説を立案します。

ただし今度は、「七瀬かりんの死は父による陰謀が原因だった」と、悲壮的なストーリーを捏造する事で、「鋼人七瀬」の存在を憐れみを誘うようなものとして脚色。

一般大衆に、「七瀬の安らかな成仏」を願わせる事で、七瀬の力を削ぐ事を、目論見ます。

結果として、この策が功を奏し、九郎が戦う「鋼人七瀬」は、見てわかる程の弱体化を強いられます。

しかし、この説もまた、「鋼人七瀬」という存在の、度を越した凶暴性と、六花の力により、否定的な方向へと流されてしまいます。

ですが、「未来決定能力」を持つ六花が、琴子の物語を、完全に否定出来なかった事も、また事実。

それを受けた琴子は、続く「第3の解決」を、立案して行きます。

『虚構推理』6巻あらすじネタバレ

漫画『虚構推理』6巻

琴子が立案する、「鋼人七瀬」を倒すための、「第3の解決」。

その立案のため、琴子は、七瀬かりんの姉・初実が、「妹が自殺するわけがない」と、警察の捜査状況に異議を唱えた事に、着目しました。

そこから琴子は、「『鋼人七瀬』は、妹の死を疑う初実の、不安を取り除くため、第3者が作り上げた捏造」という、新たなストーリーを創作。しかし、この説もまた、六花本人が掲示板にて、異を唱えた事により、否定されてしまいます。

六花本人の否定、そしてその「未来決定能力」により、ここまでの「3つの解決」を、否定されてしまった琴子。しかし琴子は、ここで残る「第4の解決」を提示します。

それは、「七瀬かりんが、自らの平穏のため代わりの死体を用意した」という、「七瀬かりん生存説」。

そして、この書き込みが行われている、「鋼人七瀬まとめサイト」の、管理人こそ、「七瀬かりん死亡」に、根拠を付け加えようとする、「七瀬かりん」本人である、という「面白みのある虚構」を琴子が指摘した事で掲示板の流れは、琴子の説を検証する方向へと、流れて行きます。

説の検証の結果が、どうであれ、掲示板はもはや、「鋼人七瀬という謎を解明する」方向へと、流れて行ってしまっています。

それにより「鋼人七瀬」は、大衆の間で、「解かれるべき謎」、つまりは「虚構」であるとの結論が出され、九郎の攻撃によって消滅しました。

こうして、六花からの、敗北を認めるメールを最後に、「鋼人七瀬」に関する事件は、全て解決と、相成りました。

琴子の結論が、新たな都市伝説の、一部として、世間に浸透して行く中。

「鋼人七瀬」消滅の翌日、紗季は、九郎と2人で食事をしていました。

その中で、六花の、「想像力の怪物の力により、くだんと人魚の肉を食べた体を、元の人間の体に戻す」という目的を聞いた紗季は、改めて九郎との隔たりを痛感。

紗季は九郎と分かれた後、普通の生活に。九郎と琴子は、また六花の行方を追う生活へと、それぞれ、戻って行きました。

『虚構推理』7巻あらすじネタバレ

漫画『虚構推理』7巻

九郎と琴子が、それなりに順調な、大学生活を送る中。ある日琴子の元に、山奥を治める大蛇から、相談事が舞い込んで来ました。

琴子を冷たくあしらう、九郎をよそに、あくる日の夜中、琴子は1人、その大蛇の元を来訪。大蛇は、自身が棲む山にある、築奈沼(つくなぬま)へと捨てられた、ある他殺死体について、話し始めました。

話によれば、死体となって、見つかった男の名は、吉原絋男。事件そのものは、谷尾葵という女性の逮捕によって、解決しているとの事です。

しかし、谷尾が死体を捨てる現場で、大蛇が聞いたのは、「うまく見つけてくれるといいのだけど」という、謎の台詞。大蛇は、谷尾がどうしてそんな事を言ったのか、解明してくれ、と、琴子に依頼して来たのです。

琴子は、いくつかの仮説を立て、大蛇へと説明をしますが、大蛇は、どの説にも納得せず、相談は難航して行きます。

その中で、最終的に琴子は、「谷尾が、死産した自身の子供を沼に捨てたのち、それを探すのを警察に協力させようとした」という、推測による仮説を披露。

実際のところ、事の真相がどうであったかは、分かりませんが、それならば、「見つけてくれるといい」という台詞とも、矛盾しない、という事で、大蛇は、琴子の説明に、ようやく納得してくれました。

ある日、半年前に妻を亡くした、建築士の樫尾は、友人の十条寺と共に、高級鰻に、舌鼓を打っていました。

しかし、そこで樫尾は、唐突に十条寺から、「妻を殺した犯人はお前だ」と追求を受けます。

対する樫尾は、罪を否定し、十条寺もまた、気の迷いだった、と謝罪。しかし、十条寺と別れた直後、樫尾にもたらされたのは、「これから自首しに向かわれるのですか?」という、突然話しかけてきた、琴子の図星を突く指摘でした。

実際のところ、独占欲から、妻の殺害という、罪を犯していた樫尾。鰻屋に偶然同席した琴子は、殺された樫尾の妻より、「樫尾が自首して楽になれる気でいるのが許せない」と、相談を受けた事を明かします。

琴子いわく、樫尾という人間は、「もとより罪の意識を抱けない人でなし」であり、今辛いのは、「樫尾の妻が幽霊として憑いているから」、だとの事。

その事実を突き付けられ、「自首しても楽になれない」と、知った樫尾は、自首を諦め、肩を落として、その場を去って行きました。

『虚構推理』8巻あらすじネタバレ

漫画『虚構推理』8巻

ある日、とある海辺の町に、奇怪な人形が出没する、との相談を受けた琴子。

そうして、琴子と九郎が向かった、「渡々水(ととみず)」という町では、一か月程前から、「海魚の大量死」という、原因不明の、怪異が起こっていました。

それを、孫の事故死によって、その犯人と町自体を、恨みに思いながら、死んでいった、「善太」という老人の祟りだと語る、町民たち。

そんな中、町の名士であり、資産家でもある老人・嶋井多恵は、善太の作った、木製の人形が、強力な電撃を放ちながら、海辺を歩き回る現場を、目撃します。

この縁で多恵は、顔見知りの化け猫より、琴子と九郎の滞在先を、提供してくれないか、と依頼され、これを了承。多恵は、この事件に、深く関わって行く事に、なりました。

渡々水へと到着し、多恵から、くだんの人形、「電撃のピノッキオ」について、話を聞く琴子と九郎。

そこで琴子は、人形に、善太が昔偶然手に入れた、隕石が組み込まれている事を知り、これが「排除しなければならない怪異」だとの見解を、示します。

「ピノッキオ」の破壊自体は、罠を仕掛ければ、どうとでもなると楽観的な物言いをする琴子。

しかし琴子は、ピノッキオが、善太の恨みの現れなら、どうして事故を起こした犯人を狙わないのかと疑問を呈します。

そしてその夜、琴子は、海岸を歩く、ピノッキオと、罠への誘導を担う、九郎の戦いを見ながら、疑問の答えとして、ある仮説を打ち立てます。

それは、ピノッキオが、「ただの動く人形」ではなく、「破壊させる事で対象に害を及ぼす」、「呪詛人形」なのではないか、というものでした。

人形を町民に破壊させ、事故の犯人と、町民の、双方に罰を与えようとした、善太。

しかし、その策を看破した、琴子、そして九郎の「未来決定能力」により、人形は、落とし穴に拘束されます。

そうして確認した、人形の表面にあったのは、字こを起こした犯人たちの名前と、「嶋井多恵」の文字。

善太の恨みが、自分にも向いていた事実に、多恵が複雑な思いを抱く中、事件はひっそりと幕を閉じ、九郎と琴子は寄り道など楽しみつつ、帰路に着きました。

『虚構推理』9巻あらすじネタバレ

漫画『虚構推理』9巻

岩永琴子がまだ、九郎と出会う前、高校生だった頃。

私立瑛々高校に通う、天知学は、自分が部長を務める、ミステリ研究部に、新入部員が入ってこない事に、危機感を感じていました。

そこで天知が講じたのは、校内の有名人・岩永琴子を、ミステリ研に勧誘し、部の存在を、校内に広めるという策。

しかし琴子は、ミステリ研に入る、メリットの数々を歯牙にもかけず、天知の勧誘を断ってしまいます。

しかし。その翌日、琴子は、入部希望用紙を持って、部室を訪れます。実のところ天知には、小林との、内密な恋仲の関係を、近く周知のものにしたい、という、目的がありました。

しかし天知は、ミステリ研が、恋仲にある2人だけの場所である、となると、交際の事実を、公表しにくい事を懸念。

部員を増やす事で、その懸念を払拭するため、天知は何としても、琴子を部に、加入させる必要が、あったのです。

そして、その目的を達すべく、半ば脅しのような手段を用い、琴子を部に加入させる事を目論んだ天知。

しかし天知は、それを先んじて察した琴子に、事実を全て言い当てられ、結果、半ば同情されるような形で、琴子を部に迎える事になりました。

時は再び現代。世間を騒がせる、「ギロチン殺人事件」に、何らかの関わりを持つと思しき、イラストレーターの女性、森野小夜子は、所用で、あるローカル線の電車に、乗り込んでいました。

そこで小夜子が見たのは、座席で眠りこける、岩永琴子と、その隣に座る、桜川九郎の姿。

琴子の姿に、不思議な魅力を、感じた小夜子は、琴子のスケッチをさせて欲しい、と九郎に依頼し、3人は、電車内でしばらくの旅程を、共にする事になります。

そうして話をするうち、話題は、昨今騒がれる、「ギロチン殺人事件」についての話に変わって行きます。

宮井川という老人が、はずみで義弟を殺し、その死体の首を、ギロチンで落としたという、その事件。

これに関し、何事かを知っている様子の小夜子へと、九郎は、「宮井川のギロチンの付喪神・三四郎から、ある依頼を受けた」という話を、振って行きます。

いわく、義弟の首を切断する際、「これで大丈夫なはずだ」との、謎の呟きを残していたのだという、宮井川。更に三四郎は、宮井川が、「ギロチンを使ってみたかった」という、「嘘の供述」を、している事に関しても、疑問を抱き、琴子へと謎の究明を、依頼してきたのだとの事です。

それを聞いた小夜子は、九郎が、「付喪神」の存在を前提に、話を進めている事以上に、その話の内容に驚き、そして顔を青ざめさせます。なぜなら、宮井川のギロチンと、それに関する事件は、小夜子にとっても、因縁浅からぬものであったから。

そしてその核心に、九郎が触れようとした時、小夜子は、半ば反射的に、電車を飛び出し、走り去ってしまいます。

駅を降り、逃げた先で、追ってきた九郎が、偶然に崖から落ちる現場を、見てしまう小夜子。

それに驚き、咄嗟に救急車を呼ぼうとする、小夜子へと、九郎と入れ替わるようにして、話しかけてきたのは、電車内で、眠りこけていた少女、岩永琴子の姿でした。

小夜子は、琴子からも、付喪神の話をされ、困惑を深めます。琴子いわく、ギロチンの三四郎が、宮井川の「使ってみたかった」という供述に、疑問を持ったのは、ギロチンが既に、「10年前に使われていたから」だとの事。

そして、その10年前の、今なお明るみになっていない、事件こそが、小夜子と宮井川、そしてギロチンの三四郎を、結びつける事件なのだと、琴子は語ります。

琴子が三四郎から聞いた、「10年前の事件」。

その時に殺害されたのは、小夜子の父親であり、その死体を切断した現場には、小夜子も居合わせていたのだと、琴子は言い当てます。

琴子は更に、宮井川がギロチンを使ったのは、死体を細切れにして処分し、事件を隠蔽し、父を殺害してしまった小夜子を、守るためであったのだと語りました。

そして今回、偶然にも、義弟を殺害してしまった、宮井川は、それを機に、小夜子の事件の関与が、明るみになる事を危惧しました。

そこで宮井川は、10年前の「痕跡」が、ギロチンから見つからないよう、義弟の死体を切断。

それがゆえ宮井川は、「これで大丈夫なはずだ」との言葉を残し、そして嘘の供述をしたのだという事を、琴子は解明します。

それを聞き、小夜子は、全てを諦めたように、当時の事を語り始めます。

しかし最後に1つ、小夜子は、疑問を感じました。それは、琴子がこれほどまで、事情を推理出来ているのなら、付喪神の三四郎の依頼は、既に達成されているのではないかという事。

どうやら琴子には、10年前の罪暴きをする意図は、微塵もないようで、だからこそ小夜子には、琴子の狙いが分かりません。

琴子が、わざわざ小夜子を見つけ出し、事件の事を語った理由。

それは、「イラストレーターである小夜子が、避けていたギロチンのモチーフを、絵に取り入れて欲しい」という、三四郎からの、新たな依頼によるもの、との事でした。

最後まで、「付喪神」というものの存在を、前提に話していた琴子は、そうして、用件を伝え終えると、小夜子の元から去って行きます。

そうして1人、どことも知れぬ山奥に、残された小夜子は、ずっと避けていた、「ギロチン」をモチーフした絵を、その場で、描き始めました。

『虚構推理』10巻あらすじネタバレ

漫画『虚構推理』10巻

桜川九郎と岩永琴子が、桜川六花の行方を探す中。当の六花は、あるアパートに仮住まいし、そこを拠点に、自らの目的のため、動いていました。

しかし、アパートの管理人・紺野が語るところによると、そのアパートの部屋は、自殺者を幾人も出している、いわくのある部屋だとの事。更に、「2人目の自殺者の元恋人」が、「3人目の自殺者」であったというのだから、殊更に不気味さは膨れ上がり、紺野とその恋人は、戦々恐々としていました。

しかし、それを気にもとめず、その部屋に住み続ける六花。そのうちに六花は「従弟とその恋人がやってきて、疑問を解決してくれる」と言い残し、蒸発してしまいます。

そののち、六花の言葉通り、本当に九郎と琴子が、紺野たちのアパートを訪問して来ます。その際に、琴子により、「3人目の男性は、2人目の女性が自殺した理由が霊的なものによるものと期待し、部屋に住んだが、結果何も起こらず、女性の自殺の原因が自分にあると確信し、それを気に病んで自殺してしまった」という、もっともらしい回答を提示され、紺野たちは、部屋の謎に、一応の納得を得る事が、できました。

あくる日。琴子の高校時代の先輩、天知学は、自らの叔父、藤沼耕也と、食事を共にしていました。天知が耕也に呼び出されたのは、他ならぬ、岩永琴子の件。耕也いわく、有名ホテルグループの会長である、自身の義父が、この度、遺産相続に関し、ある課題を出してきて、その判定役に、琴子を指名してきたのだとの事です。

そのために耕也は、琴子に関する情報を、集めていたのだと言います。しかし結局、この日に耕也が、天知から得る事が出来たのは、「琴子が只者ではない事」、そして、「琴子を敵に回すとどうなるか分からない」という、不穏極まりない、情報だけでした。

そして、くだんの岩永琴子は、ある日、耕也の義父である、ホテルグループ会長・音無剛一に、呼び出されていました。そこで琴子が聞いたのは、剛一が、かつて妖狐の手を借り、当時の社長であった、自身の妻・澄を、殺害したのだという、罪の告白。更に琴子は、事件によって、「成功体験」を植え付けられてしまった、3人の子供たちに、「罪を犯しての成功はあってはならない」という意識を、上書きさせるため、「妖狐の罪を自分の罪であった事にしたい」、という、厄介極まりない、依頼内容を、剛一から聞きました。

あくる日、当の妖狐に会い、剛一の発言が、おおむね真実である、との確認を取った琴子。こうして琴子は、剛一の依頼に従い、九郎と共にホテルの一室に集まり、「『澄を殺害したのは剛一である』という、真実とは異なる推理に、3人の子供たちを到達させる」という、無理難題に、挑む事になりました。

『虚構推理』11巻あらすじネタバレ

漫画『虚構推理』11巻

ホテルの一室に集められ、「澄の殺害が剛一の犯行である事を証明せよ」との課題を与えられた、音無剛一の孫娘・莉音と、剛一の次男・晋と、剛一の義理の息子にあたる事業家・耕也。

遺産相続のため、剛一の課題に臨まんとする、3人ですが、話し合いが始まってすぐ、遺産の取り分に関しては、互いの顔を立てる、という形で、半ば結論が出てしまいます。

そこで、3人の興味は、「剛一がなぜこのような試みを始めたのか」、という点に帰結。

3人は改めて、既に時効を迎えた、23年前の事件について、話し合います。

自身の用事を済ませ、帰宅する最中に、強盗に襲われ、殺されてしまったのだという、剛一の妻・澄。

その際の親族たちのアリバイが、完璧であった事から、親族に疑いの目は向けられないまま、事件は、迷宮入りとなっていました。

琴子は、その事件の顛末を語る中、「よくもまあこれほどまでに、上手くアリバイが成立するものだ」と疑問を投げかけます。

それを聞いた、次男・晋は、琴子の悪意ある物言いに、呆れながらも、自身が23年前、剛一の長男・亮馬と共に、澄の殺害計画を企てていたものの、澄の死亡により、それが頓挫していた事を、白状します。

剛一の思惑が、この罪の告白にあるのだと見込み、全てを白状した晋。それに伴い、耕也もまた、妻である、剛一の長女・薫子と共に、23年前、澄の殺害計画を、企てていた事を、白状します。

しかし、剛一の思惑を果たした、と思しき状況になってなお、琴子は、一行に課題の成就、つまりは「剛一が澄を殺害した事の証明」を、続けさせます。

そして、一旦休憩を取ったのち、剛一の孫娘・莉音が、「真相がわかった」との言葉と共に、自らの推理を披露。

その内容は、「兄弟たちの殺害計画を知って絶望した、澄による自殺」という、事件の根底を、覆すようなものでした。

もしも「兄弟たちの殺害計画」を、澄に伝えたのが、剛一であったとするなら、「剛一が澄を殺害した」という、前提にも矛盾しない、と判断した一行は、この莉音の回答を剛一へと提示。

剛一がそれを認めたため、一行は、この課題の成就を予感します。

しかしその時、琴子が唐突に、一連の回答を、改めて否定し、「この事件には真犯人がいる」との、宣言を行いました。

妖狐に殺人を依頼し、それが成就された、と思い込んだがゆえ、このような集まりを設けるに至った、音無剛一。

しかし琴子は、実は妖狐本人から、「自分が手を下す前に澄を殺害した犯人がいる」と、告白を受けていたのです。

そして琴子は、その犯人の名、つまりは、剛一の長女であり、事業家・耕也の妻である、薫子の名をを、告げました。

怪異に頼り、罪を犯した剛一に、戒めを与える意味で、この真実を、つまびらかにした琴子。

この真実の開示に対し、薫子の夫・耕也は、薫子の行いを否定しますが、最終的には自ら、罪を認める結果となります。

そしてそれを聞いた、親族たちは元より、澄の殺害が妖狐の仕業、ひいては己の責任と、思い込んでいた剛一は、激しく動揺。こうして剛一は、琴子の思惑通り、「怪異に頼るべきではない」という教訓を、受け取らされるに、至りました。

こうして琴子と九郎は、自らの目的を遂げ、一行の元を後にします。

事件自体は、既に時効を迎えているため、一件に関わった親族たちは、罪にこそ問われませんが、その後それぞれに、どこか影を落としたような生活を、送っていました。

そしてそんな中、琴子と九郎は、音無剛一によって、改めて呼び出されます。

恨み言の1つ2つを覚悟して、剛一の元を訪れた、琴子たちですが、そこで聞かされたのは、「琴子たちを剛一に紹介したのは桜川六花」という、思ってもみない真実でした。

六花の思惑を図りかね、困惑しつつも、その後を追おうとする、琴子と九郎。

一方の六花は、どことも知れぬ場所で、食事をとりつつ、九郎へと警鐘を鳴らすように、「岩永琴子の恐ろしさ」を、独り、呟いていました。

12巻に続く。

漫画『虚構推理』を読んだ感想

「スパイラル〜推理の絆〜」や、「絶園のテンペスト」を手掛けた、城平京さん待望の新作として、高い期待値をもって、始まった今作。

これまでの作品と比べても、「ミステリー」の比率が高い本作は、やや敷居が高く設定されている漫画であるかも知れません。

しかしそこの部分は、作画担当の片瀬さんが発揮する、高い「漫画力」が、それとなく中和。

総じて、文字数が多いにもかかわらず、飽きを感じさせず読ませてくれる、クオリティの高いミステリー作品に仕上がってくれています。

本作最大の特徴は、何と言っても、ミステリとして特殊な、その「構成」にあると言っていいでしょう。

通常の推理漫画における手順が、「起きた事件から手がかりを得て犯人を導き出す」ものであるなら、本作の手順は、その真逆。

「あやかし」たちの力で得た、「結果」ありきで、手がかりや真実を、捏造していく、というのが、本作の基本的な流れです。

要は、その「結果」が「あやかし」たちにとって、都合の悪いものであるから、そこに「推理」を後付けで完成させ、当事者や世間を納得させる、というのが、琴子たちの目的である訳です。

例えば、本作の第1章の敵である、「鋼人七瀬」。これには、世間が抱く「恐れ」やイメージが形となったもの、という背景が存在します。

そこで琴子たちが行うのが、この「推理の後付け」。

琴子たちは、真実・虚構問わず、それらを織り交ぜながら、ありふれた「真実」を捏造し、「鋼人七瀬」を生み出した「背景」そのものを消し去ろうと、画策して行きます。

また、城平さん原作の作品の特徴である、アクの強い登場人物たちも、本作の魅力の1つです。

例えば、主人公の1人である岩永琴子は、可憐な外見を持つ少女として描かれていますが、その言動は常識に縛られない奔放なもので、また、己の欲に忠実。

恋人である九郎から、琴子が時にぞんざいに扱われている様子は、ある種の風物詩でもあり、暗くなりがちな本作の、清涼剤としても、昨日しています。

このように、一風変わった「伝奇ミステリー」として、始まった今作。

「あやかし」たちの力で、真実をつまびらかにしつつ、そこで終わる事なくどんどんと展開していくストーリーには、一見の価値があります。

元が長編ミステリー小説という事もあり、説明や推理パートが、長くなりがちな本作。

しかしそこは、「漫画」としてページを費やし、しっかりと描写してくれているので、読み飽きる、という事がないのも優れた部分です。

漫画原作者としての実績を持つ、城平京さんの、最新ミステリー漫画「虚構推理」。

推理漫画としてだけではなく、キャラクターを追っているだけでも、楽しい作品ですので、ぜひお手に取ってみて下さい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です