マナーの悪い運転を指す言葉で、残念ながら一番有名になってしまっている言葉が「名古屋走り(なごやばしり)」です。
24日、この「名古屋走り」で事故を起こしたドライバーの交通事故が、いったん不起訴となっていたところから起訴されました。
「名古屋走り」のイメージがついてしまった愛知県では、16年連続交通事故死者数ワースト1という不名誉な記録を、県を挙げて返上しようと努めています。
不起訴が覆され起訴になった交通事故の概要や、「名古屋走り」の特徴についてまとめました。
目次
「名古屋走り」ウィンカー出さずに車線変更で事故の男性が不起訴から一転して起訴に
被害者男性が不起訴処分を不服とし、第2検察審査会に審査申し立てを行った交通事故が、今年10月3日になって起訴されました。
起訴されたのは名古屋市の男性ドライバーで、ウィンカーを出さずに車線変更し、直後にバイクに衝突し、バイクに乗っていた男性を負傷させています。
この「ウィンカーを出さず車線変更」は、「名古屋走り」という、名古屋市近辺で見られるという悪質な運転マナーの1つです。
もちろん名古屋市内で、ほとんどのドライバーが運転マナーを守っています。
しかし、「名古屋走り」という言葉があるように、残念ながら名古屋は全体的に運転マナーが悪い、運転が荒いというイメージを多くの方が持っています。
愛知県は16年連続交通事故死者数ワースト1、「名古屋走り」が有名に
「名古屋走り」が全国的なイメージとなった大きな理由が、愛知県が16年連続で交通事故死者数ワースト1を記録していることにあります。
名古屋市という人口や車の多い大都市を抱えている上、「トヨタ」のお膝元だけあって、自動車の保有率も高い地域です。
道路整備もなされていて、片側3車線の道路に広い交差点と、車にとって走りやすい環境が整っています。
しかし、一方で広い道路や交差点は、スピードが出しやすい道路ということでもあります。
この道路環境が、運転モラルの低下を招いていると考える方も少なくありません。
実際、「名古屋走り」の特徴とされる主な運転は、
- 無理な車線変更や割込み
- 黄信号での交差点進入
- 直進車よりも先に交差点を右折
といった、広い道路や交差点で起こりやすい種類のものです。
「名古屋走り」の1つ、「右折フェイント」も、名古屋の広い片側3車線の道路がなければ起こりえない運転と言えます。
これは右側の右折車線を追い越し車線のように用い、右折レーンで中央の直進レーンの車を追い越し、右折せずに中央の直進レーンに割り込んでくる運転です。
中央車線を走っているドライバーが、初めてこの「右折フェイント」を目撃すると、驚いてしまうのも無理はありません。
愛知県は自動車保有台数も全国1位、「名古屋走り」はイメージ先行との意見も
すっかり有名になってしまった「名古屋走り」ですが、決して全国の中で名古屋だけ、運転マナーが極端に悪いということではありません。
名古屋以外にも、長野県の「松本走り」など、地域によって運転マナーが悪いというイメージがつけられている地域はいくつかあります。
「名古屋走り」は、交通事故死者数の記録と紐づいた、イメージ先行という声も多いですね。
実際、愛知県は世帯あたりの自動車保有台数も全国一位の県であるため、自動車台数あたりの交通事故者数という観点ではワースト1位になりません。
それでも、愛知県警としては交通事故死者数1位記録をどうしても阻止したいところです。
近年は、交通マナーの向上に非常に尽力しています。
2019年は煽り運転や暴走など交通関係の話題が多数、運転マナー見直しの契機に
2019年は、煽り運転や高齢者の暴走交通事故や免許返納など、交通関係のニュースが多く見られる年となりました。
残念ながら名古屋走りだけでなく、運転マナーの悪いドライバーは全国どこでも多数見られます。
こういったニュースをきっかけに、悪質な運転マナーが減少し、交通事故で命を落とす方も減ることを願いたいですね。
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