2019年7月29日に発売した週刊少年ジャンプ35号の『僕のヒーローアカデミア』の最新話237話のあらすじネタバレと感想をまとめて紹介します。
前話236話のネタバレを見逃した方は以下のページでレビューしていますので是非チェックしてみてください。
目次
『僕のヒーローアカデミア』第237話「死柄木弔:オリジン」のネタバレ
家族を殺め呆然とする転弧 オール・フォー・ワン登場
己の個性で家族を皆殺しにした転弧は、逃げるように家を出て、街をさまよっていました。
罪悪感により、助けを求める声も出せない転弧。
ときたま彼に声をかけようとする大人はいましたが、そのただならぬ様子を見ると、「ヒーローか警察か誰かが助けに来る」と言い、立ち去ってしまいます。
しかし、周りから見ればただの迷子である転弧には、誰からも声はかかりませんでした。
ヒーロー溢れる現代社会において、そうなったのは、ただの偶然か、それとも家族を殺したバチだったのか。
誰かが優しく手を差し伸べていれば、何かが変わったかも知れなかった状況。
しかし結局、そんな転弧に最初に手を差し伸べたのは、オールマイトの宿敵。オール・フォー・ワンでした。
転弧に悪の道を示すオール・フォー・ワン
思い出せなかった記憶を思い出した死柄木は、更にその後の事を回顧します。
オール・フォー・ワンに保護された後も、収まったはずの体の痒みを訴え続けていた転弧。
それを「コントロール出来ないほどの破壊衝動」だと分析したオール・フォー・ワンは、「我慢なんかしなくていい」、「それは決して駄目な事じゃない」と言って、転弧を諭します。
「ああかわいそうに」
「何を恐れている?」
「心のままに動けばいい」
街で2人のチンピラに絡まれ、しかし「個性」を使う事をためらった転弧に、オール・フォー・ワンは、そう語りました。
「君はどうしたい」と問われ、「僕を殴ったあの2人を殺したい」と、転弧は答えます。
「何でかわかんないけど」
「嫌な気持ちが溢れて止まらなくなるんだ」
「抑えられないんだ…!」
この時すでに記憶を失っていた転弧は、自分を殴っていた父の面影をチンピラ2人に幻視し、その破壊衝動を抑えきれなくなっていたのです。
そんな転弧に、「ならば頑張ろう」とオール・フォー・ワンは檄を飛ばします。
その思いが風化してしまわないように、と、転弧はいなくなった家族の手首を身に付け、チンピラを襲撃。
オール・フォー・ワンは、その様子を見て「破壊を貪る恐怖の象徴」と評し、転弧がその大いなる一歩を踏み出した事に、笑顔を浮かべました。
「死柄木弔」の完成そして覚醒
かくして転弧は、チンピラ2人のものを加えた計14の手首を身に纏い、オール・フォー・ワンから「死柄木弔」の名を送られる事になりました。
「弔い」の意味と、オール・フォー・ワンの苗字を合わせた新しい名前。
それをもって、死柄木は後に「敵(ヴィラン)連合」を結成。今に至る事になったのです。
(全部思い出した)
(俺はあの時)
(お父さんを殺したくて殺した)
(お母さんたちが崩れ行くのを見て心が軽くなった)
それらの記憶を全て思い出した死柄木は、家族を殺した光景を、「あれは悲劇なんかじゃない」と思い返しながら、リ・デストロと対峙します。
そんな中、泥花市に到着したギガントマキアは、解放軍を蹴散らしながら、死柄木の元を目指していました。
当初の計画であった「解放軍を使ってギガントマキアの体力を削る」作戦も、その想像以上の強さに、すでに瓦解しています。
リ・デストロと戦う死柄木に、ギガントマキアの脅威が迫り、敵連合たちの焦りが募る中。
「こんなものも全て」
「要らない」
そう言って死柄木は、己の精神を支えていたはずの、身に纏っていた手首を。己の個性で砕き割りました。
『僕のヒーローアカデミア』第237話の感想
数週に渡って明かされた「志村転弧:オリジン」からの、「死柄木弔:オリジン」でした。
家族を殺し、しかしまだ感情の行き先を見つけられていなかった転弧。
ここで、ヒーローでなくともオール・フォー・ワン以外の「誰か」が手を差し伸べてくれていれば、転弧の歪みはもしかしたら、表出していなかったのかも知れない、という示唆を示した回でした。
「誰かが助けるだろう」という思考に基づくこの現象は、現実でも起こり得るものですね。
また、以前に死柄木の過去が断片的に語られた際には、「オール・フォー・ワン以外、誰も手を差し伸べてくれなかった」というような事が示唆されていました。
しかし、「ヒーロー」という職業が溢れる作中世界においてすら、そうなってしまったのは、これはもう偶然としか言いようがない事。
その「偶然」が「死柄木弔」という闇を作り上げてしまったのだとすれば、そんな境遇に陥る人間をなくして行くことに、デクが目指すべき平和のヒントがあるのかも知れません。
ともあれ、今回のエピソードの肝であった、「ギガントマキアとの対決」、そして「異能解放軍との決着」が、いよいよ近づいてきました。
死柄木の個性も更なる成長の兆しがあるとは言え、ギガントマキアが参戦すれば、実際としては敵が増える事になります。
「敵連合は消滅する」とモノローグで明言されているこの戦い、一体どういった決着を迎える事になるのでしょうか。
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