2019年7月29日に発売した週刊少年ジャンプ35号の『鬼滅の刃』の最新話168話のあらすじネタバレと感想をまとめて紹介します。
前話167話のネタバレを見逃した方は以下のページでレビューしていますので是非チェックしてみてください。
目次
『鬼滅の刃』第168話「百世不磨」のネタバレ
鬼狩りとなった若き不死川、恩人との出会いと別れ
風柱・不死川実弥と上弦の壱・黒死牟の戦いの中。不死川は、己の血が特別であることに気がついた、鬼を狩り始めた当時の事に思いを馳せます。
鬼にされた母を殺めた後の事。不死川は、鬼殺隊の存在も日輪刀の存在も知らないまま、山ほどの刃物で武装し、鬼を捕らえ、日に晒して灼き殺していました。
不死川をして「自殺行為」だったと振り返る日々の中、彼は、戦いの中で出会った鬼殺隊員・粂野匡近に「育手」を紹介される事になります。
(でも俺は知ってる)
(善良な人間から次々死んでいく)
(この世の不条理を)
不死川が思い出すのは、血に染まり、倒れた匡近の姿。
(下弦の壱は俺と匡近で倒したのに)
(柱になったのは俺だけだった)
続く応酬、不死川最大の窮地
そんな過去を思い出しながら、不死川は、今一度渾身の技を黒死牟へ向けて放ちました。
風の呼吸・陸の型「黒風烟嵐(こくふうえんらん)」。激しい風のうねりのような斬撃が黒死牟に迫り、しかし紙一重でかわされます。
それを見た黒死牟は、不死川の現状を予測します。
今までの柱ならば、もう勝負はついている。しかし不死川は、呼吸によって血を凝固させて出血を止めている。あるいは筋肉を引き絞る事で、臓物が飛び出る事を防いでいるのだ、と。
「どちらにせよ、人間にできて良い芸当ではない…」
「初見なり…面白い…」
そう言って余裕を見せる黒死牟。ですがその足元は、「稀血」の影響かわずかに揺らぎ、その隙を突いた不死川の猛攻が、激しさを増しました。
「微酔う感覚も何時ぶりか…愉快…」
「更には稀血…」
しかし、そう呟く黒死牟は、激しくなった不死川の剣撃をも冷静に捌いていきます。
更には、振り下ろされてきた不死川の刀を、紙一重で回避。その刀身を足裏で捉え、不死川の体ごと床へと踏みつけにしてしまいました。
刀を手放さず、床に倒れ込み、隙を晒す不死川。その肩口へと、黒死牟の斬撃が迫ります。
産屋敷との問答、鬼殺隊員全ての想い
そんな中、不死川は、再びかつての事。「柱」となってすぐ、産屋敷へと突っかかって行った時の事を思い出します。
「いいご身分だなァ」
「おいテメェ」
「産屋敷様よォ」
そんな不死川を咎めるのは、岩柱・悲鳴嶼行冥(ひめじま・ぎょうめい)と、当時健在であった胡蝶カナエ。
しかし産屋敷は「大丈夫だよ」と2人を諭し、不死川の話を聞きます。
隊員の事だど、使い捨ての駒くらいにしか思っていない、武術も何も齧ってすらいない、と迫る不死川に、穏やかな顔で「ごめんね」と謝る産屋敷。
「叶うことなら私も君たちのように」
「体一つで人の命を守れる、強い剣士になりたかった」
しかしどうしても無理だった、と謝る産屋敷の、母のような慈しみに満ちた眼差しに、不死川は言葉を失います。
「君たちが捨て駒だとするならば」
「私も同じく捨て駒だ」
「鬼殺隊を動かす駒の一つに過ぎない。私が死んだとしても何も変わらない」
産屋敷はそう言って、「柱として人を守る」事だけを不死川に望み、匡近が死んで間も無いにも関わらず、呼びつけてしまった事を詫びました。
死んだ隊員全ての名と生い立ちを覚えている、という産屋敷に、再び言葉を失う不死川。
産屋敷は更に、匡近が遺した遺書を不死川に手渡し、その内容が、他の多くの鬼殺隊員、そして産屋敷自身の夢と同じであった事を、語ります。
大切な人が笑顔で、天寿を幸せに全う出来るよう。
例えその時自分が生きてその人の傍らにいられなくとも、大切な人には、生き抜いて欲しい。その産屋敷の言葉と遺書の内容に、不死川は、たった1人生き残った弟・玄弥の事を想います。
岩柱・悲鳴嶼行冥参戦!
隙を晒し、肩口に迫った黒死牟の刀を防いだのは、不死川が拾い上げていた玄弥の銃でした。
不死川はその不意を突き、銃弾を放ちますが、黒死牟はそれすらも完璧に防ぎ、月の呼吸・参ノ型「厭忌月・鎖り(えんきづき・つがり)」を発動します。
不死川へのとどめとなるはずの剣技。しかし、黒死牟の斬撃の先に、床へと倒れ込んでいたはずの不死川は、いませんでした。
「次々と…降って湧く…」
黒死牟の視線の先。そこには、
「我ら鬼殺隊は百世不磨」
「鬼をこの世から」
「屠り去るまで…」
そう言って戦闘態勢を取る、鬼殺隊最強の剣士、岩柱・悲鳴嶼行冥の姿がありました。
『鬼滅の刃』第168話の感想
風柱・不死川の過去回です。今まで、何となく玄弥の事、母が鬼になった事などが断片的に語られてきた不死川。
ようやく今回、鬼となった母を殺した後の事。そして実の弟である玄弥を、突き放してまで鬼殺隊から遠ざけようとしていた、その想いの内が語られました。
意外だったのは、不死川に、玄弥と家族以外にも「戦う理由」となった恩人というか、原動力があった事。
何となく不死川は、復讐心と、残された玄弥を守る義務感を糧に戦っている気がしていました。
なので、そういった誰にでもある「仲間との日々」や「死んていった者たちへの想い」がある、というのは、新鮮味と人間味を感じるエピソードでした。
相変わらずこの作者さんは、キャラクターへの評価を僅かな描写で覆させるのが巧みです。
後は、今号で不死川のバックグラウンドが語られ尽くした事が、死亡フラグでない事を祈るのみ。
「鬼殺隊最強」と名高い悲鳴嶼が来たからには、安心したいところですが、黒死牟の存在自体にもまだまだ謎が多いです。
少し前の回では、炭治郎が元炎柱の煉獄槇寿郎から、この戦いの重要な手がかりになるであろう、手紙を受け取っていた描写もあったので、その参戦も期待したいところです。
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