『相棒 season17』第7話のネタバレと感想。亀山を思わせるエピソードがツイッターで話題に!

相棒 season17

「相棒 season17」もとうとう7話に突入!

毎回のように「そうきたか!」と驚きを届けてくれる「相棒」ですが、今回のお話には懐かしいあの人が見え隠れしています。

意外な場所で、意外なものとの出会いから始まる今回の事件。激動となった第七話のあらすじを紹介します!

『相棒 season17』第7話のネタバレ・あらすじ

右京と亀とのあまりにシュールな出会い

場所は東京。人々が行きかう都会の雑踏の中を歩く右京。

そこでなぜか、右京は一匹の亀に出会います。

亀の大きさは、縁日などによくいる小さなものではなく、30センチほどの立派なサイズ。

都会のアスファルトの上、それも人混みの中にいる亀があまりにもシュールすぎて、思わず右京は亀のあとを追いかけました。

すると亀は、公園にあるオームレスの小屋に。

右京が続いて小屋に入ると、そこには一人の男性が倒れていたのです…。

男性の頭部の隣には、血がついたブロックがひとつ。

右京さんあるところに、事件アリ。今回も、こんな意外なきっかけから事件の幕が上がりました。

場所は変わって、警視庁・特命係の部屋に。

倒れていた男性は、幸いなことに命を取り留めたものの、意識不明の重体。

右京を現場に導いた亀は、特命係が保護することになりました。

冠城は「どうせホームレス襲撃事件だろう」と軽く考えていたものの、右京は「こんな立派な亀を飼っていた被害者がどんな人物なのか」と気になった模様…。

調べたところ、被害者は前科0。ホームレスなので、手掛かりも0.

しかし現場にあった新聞を調べてみると、すべて水曜日に発行されたものであったことを、右京は掴んでいました。

冠城「水曜日ばっかり、なんでだろうなぁ…」

一人で調べに行こうとする右京を、「亀の世話はうんざり」と追いかける冠城。

残されることになった亀の世話は、青木の世話になることに…。

ホームレス歌人

被害者の身元を調べるために、二人が訪れたのはとある新聞社。

襲撃された被害者は、アルミ缶を拾い集めたお金でここの新聞を購入していたことが解っていました。

しかも、毎週水曜日のみ。

右京は調べを進めていて、毎週水曜日のみに掲載される「短歌の特集」に投稿をしていたためではないか?と睨んでいました。

この新聞社では、水曜日のみ「毎朝歌壇」という特集を設け、読者から投稿された短歌を掲載していたのです。

短歌を投稿すれば、それが新聞に掲載されているかどうか?を知りたくなるのは当然ですよね・

だから被害者は、それを確かめるためにこの新聞を水曜日に買っていたのではないか?右京はそう推理していました。

毎週水曜日にこの新聞を買って歌壇をチェックするほど、短歌を投稿していた人物に心当たりはないか?との右京の問いに、編集長はあっさりと「あります」と回答。

・ここ2年ほど「詠み人知らず(ホームレス)」という名前で歌壇に投稿していた人物がいる。

・その人物は、ホームレス歌人である。

・「詠み人知らず(ホームレス)」の短歌は評価が高く、けっこうな頻度で新聞に掲載されている。

・最近も「詠み人知らず(ホームレス)」の短歌が掲載されたばかり。

確かに、いちばん新しい水曜日の新聞にも「詠み人知らず」の短歌が…。

しかも、話はここで終わりませんでした。

編集長によると「歌の特徴からして、二年前までこの新聞社に投稿をしていた『ウサギ』という人物と同一人物ではないか」とのこと。

歌にもその人の個性が現れることから、編集部では同一人物だろうとあたりをつけていたようです。

つまり、

・二年前まで、毎朝新聞には「ウサギ」という人物が歌を投稿していた。

・同一人物が、今度は「ウサギ」ではなく「詠み人知らず(ホームレス)」というP.Nで投稿を始めた。

という可能性が出てきました。

仮に同一人物だったとして、どうしてP.Nを変えたのでしょう?謎は深まるばかり。

被害者の意外な正体

右京と冠城は、新聞社から「詠み人知らず(ホームレス)が投稿したハガキを借り、その住所にあたる場所を訪れます。

そこはとある一軒家でしたが、すでに人影はなく、売物件という状態に。

勝手に入り込んだ二人は、庭にウサギ小屋ならぬ「亀小屋」を見つけます。

被害者は、以前にここに住んであの亀を飼っていたのでしょう。

そのまま二人は家を管理する不動産屋を訪れ、その家の持ち主を聞き出します。

この家に住んでいたのは、鮫島宏文という人物。

そして、意外すぎる事実が二人を待っていました。

この家に住んでいた鮫島が勤めていたのは、国土交通省の港湾局だったのです!

冠城「霞が関の役員…」

突然飛び出した政治の匂い。亀が運んできたこの事件には、思わぬ闇が隠れていそうです…。

「二年前」の符号

・襲撃されたホームレスは、鮫島宏文という人物であった。

・鮫島は国交省・港湾局に勤めていたが、何らかの事情でホームレスになった。

・鮫島は、二年前までは「ウサギ」というP.Nで新聞に短歌を投稿。

しかし、その後の二年は「詠み人知らず(ホームレス歌人)」という名前で投稿していた。

ここまではっきりしました。

さらに冠城と右京は、「国交省・港湾局」「二年前」という符号が気になりだします。

なぜなら、二年前の国交省・港湾局では大変な事件が起きていたからです…。

「ウサギとカメ」、そして謎の絆創膏

となれば、国交省・港湾局を訪ねるしかありません。

やってきた右京と冠城を出迎えたのは、大臣官房人事課部長・杉原。

杉原によれば、鮫島は二年前まで国交省・港湾局の開発課に勤務していました。が、なぜか二年前に失踪したとのこと。

杉原と鮫島は同期だったものの、仲のいい関係ではなかったようです。

そこで右京は、独自に調べたことを杉原に語りだしました。

・鮫島は、入局した当初に「総合政策局」と言うところにいた。ここは次官になることを約束された部署。

・しかし、10年前になって「港湾局」に移動。つまり左遷のような形に。

・その10年前から「ウサギ」というP.Nで歌壇に歌を投稿している。つまり自虐の意味があったのではないか。

右京の見立てはこうでした。

冠城は、その時の鮫島の心情を「先に行く同期たちを見送る、しがない亀」と語ります。

出世コースを行く同期たちがウサギで、遅れた鮫島は「亀」。

右京は、杉原に「鮫島が二年前に失踪した理由」「失踪から二年も経過して、襲撃された理由」に心当たりはないか?と尋ねますが、杉原は「ない」と回答。

そこで右京は、とあることに気づきます。

「大丈夫ですか?」と尋ねた視線の先には、絆創膏が貼られた杉原の小指が…。

杉原は「深爪です」と答えるのみ。

そして鮫島と同期のもう一人の人物、総合政策局の課長・谷川を訪ねてみてはどうか?と勧めました。

ふたつのケガ、ふたつの絆創膏

もちろん、二人は谷川を訪ねます。

出会った谷川は鮫島の容態を気にしたため、右京は「命はとりとめたが、意識不明の重体だ」と伝えました。

直後、右京に電話があり「鮫島の意識が戻った」ということが知らされます。

右京の電話のやりとりを見た谷川は、会議があるからとその場を立ち去ろうとしました。

そこに、いつもの右京のアレ。

右京「ひとつだけ」

振り向いた谷川に、右京はこう尋ねました。

右京「それ、人差し指の絆創膏は?」

そう。杉原の小指に続き、谷川の人差し指にも絆創膏が…。

それに答えず、黙って立ち去る谷川。彼は、かつて同期だった鮫島のお見舞いに行くつもりはないようです。

鮫島の二人の動機、そして二人に共通する「絆創膏」。いったい何の意味があるのでしょうか?

記憶を失っていた被害者

二人は意識を取り戻した鮫島が入院する病院へ。

しかしそこで二人を待っていたのは、予想もしなかった鮫島の姿でした。

なんと、まさかの記憶喪失!

鮫島は、襲撃されたときのことをひとつも覚えていないとのこと。医師曰く、記憶が戻るには時間がかかるだろうとのことでした。

事件当時のことを語ることはできない鮫島ですが、自分が恐ろしい目に遭ったということは体に染みついていたようです。

鮫島「僕は、殺されかけたのかもしれません」

記憶はなくても、恐怖だけはハッキリと覚えていると鮫島は語ります。

さらに、思い出したかのように短歌を詠みあげました。右京と冠城が新聞社で確認した、掲載されたばかりのあの句です。

ただ鮫島は、それが自分が読んだ句であることは忘れてしまっているようでした…。

二人の同期、そして二年前のの談合疑惑

その夜「花の里」で食事をする右京と冠城。

冠城は、杉原と谷川の指の傷は亀に噛まれたものではないか?」と疑っていました。

二人が鮫島を襲撃し、その時に亀が何らかの形で二人を噛んだのではないか?と。

ところが右京は「あの亀に噛まれれば、絆創膏を貼るくらいのケガでは済まない」と否定。

推理が外れたことを残念がる冠城。

ただし、右京も冠城も「鮫島襲撃事件には、かつて同期だった谷川と杉原が絡んでいる」と考えていました。

その理由は、二年前に起きた「東京湾大規模修繕プロジェクト」の入札で起きた、談合疑惑にありました。

二年前、つまり鮫島が失踪した二年前ですね。

この修繕プロジェクトを巡って、大手ゼネコン三社が入札を巡って談合したとの疑いがあったのです。

それが週刊誌に取り上げられ、談合のキーパーソンとなった二人の人物が自殺したと報道。

週刊誌には、その自殺した人物の写真が目線入りで掲載されており、そのうち一人はどう見ても鮫島でした。

しかし、実際には鮫島は自殺ではなく失踪し、ホームレス生活を送っていたわけです。

談合事件は大きく取り上げられたものの、政権は存続。時間の経過とともに、事件のことも人々の記憶から消えていました。

・二年前、しかも人々から忘れられている談合事件に関わった鮫島が、どうして今更襲撃されたのか

・鮫島と同期の谷川・杉原が、今や次期次官候補として躍進していること

謎と疑惑はどんどん深まる一方です。

自首と「特命係の亀」

そのころ、警視庁には一人の若者が。

「ホームレス(鮫島)を襲撃したのは、自分だ」と自首してきた若者です。

例のごとく取り調べをする伊丹と芹沢。

若者曰く、「むしゃくしゃしていたので、発散したくて襲撃した」「反撃されたのでやり返したら、鮫島が頭を打って死んだと思った」とのこと。

が、新聞で「命を取り留めた」ということを知り、捕まる前に自首してきたと語ります。

この若者は理不尽な理由で襲撃をしたのに、そのことに反省も後悔もしていません。

伊丹が口を開こうとすると、そこに特命係の二人がやってきます。

いつものように伊丹と芹沢をスルーし、右京は若者にこう問います。

右京「君がホームレスを襲撃したとき、そこに君と被害者と、他に誰かいませんでしたか」

一瞬、言葉に詰まる若者。しかしすぐに「いいえ」と言います。

冠城「人間とは限りませんが」

いない、と喚く若者を残して、二人は部屋を出ていきました。何やら、若者の様子がおかしい…

何やら何かありそうな雰囲気から、伊丹は特命係が預かっている亀のことを思い出します。

襲撃された鮫島を発見するきっかけとなった、あの亀のことを。

伊丹「その場にいなかったか?亀が」

とたんに若者は気付いたようなそぶりを見せ、小さめの亀がいたと…。

伊丹「タワシぐらいだな?」

重ねての確認にも「ハイ」と頷く若者ですが…、そんな嘘は、特命係の部屋に行けばすぐにバレます。

どう見たって、タワシくらいの大きさではありませんからね。

「特命係」に「亀」と言えば、相棒ではもうおなじみのフレーズ(後述します)。

ここで、久々に伊丹の「特命係の…亀」というセリフが聞けました!!

芹沢も「特命係の亀だってよ~」と、おお喜びです。

https://twitter.com/usagi_ne_san/status/1067755232770150401

亀を構い倒す芹沢と伊丹に、相棒ファンも大興奮のシーンでした。

思わぬ短歌繋がり

特命係の二人は、鮫島と共に「談合のキーパーソン」として取り上げられた人物の自宅を訪ねます。

「自殺」と書かれながらも鮫島は生きていましたが、もう一人の彼は本当に自殺。、二人を迎えたのはその奥様でした。

自殺した男性は、談合に関わった建設会社の企画室室長・山口氏。

奥様は、いまだにご主人だけが死ななければならなかったことに納得で無い様子。当然です。

生前の山口氏は、従業員の雇用や会社・国を守るために奮闘していた心ある人物だったとか。

右京たちの調べによると、この山口氏が談合の調整役でした。

なぜ、山口氏が談合の調整役になったのか。右京たちが知りたいのは、そのことでした。

すると奥様の口から、驚愕の事実が。

奥様「(山口氏が勤めていた)建設会社に、堂本幸次郎という元国交省のOBの方がいらっしゃるそうです」

奥様「その方が短歌がお好きだそうで、呼ばれると、どんな用事を置いても出かけていました」

ここで出てきた、短歌。

襲撃された鮫島が投稿していたのも、短歌でしたよね。

国交省のOBが主催とはいえ、亡くなった山口氏はなぜそこまで歌会を重視していたのでしょうか。

話を聞いた右京と冠城も、歌会の話に気づくものがあったようです。

怪しい歌会

場所が変わって、料亭・歌会の席。

上座には主催の堂本が座り、その前にスーツ姿の男性が集っています。見るからに物々しい雰囲気の中には、あの谷川と杉原の姿が…。

右京は、そこに集まっている男性たちが政界と財界の主要人物ばかりだと指摘し、「次の談合の打ち合わせと言ったところですかねえ」と発言。

右京の無礼に怒る谷川と杉原。しかし、右京が鮫島が新聞に投稿した歌を詠みあげると、ハッとした表情を見せました。

鮫島についての会話の流れで、右京は谷川の人差し指にある絆創膏をもう一度指摘。

堂本に「答えるように」と促されたためか、谷川は「台所で切った」と答えました。

堂本は右京を歌界に参加させたかったようですが、「警視庁まで癒着を疑われますから」と拒否。

右京はもう、この歌界が癒着の場になっていると確信しているようですね。

かつて、この歌界に参加していた鮫島が失踪。もう一人の山口は自殺。それを「終わった話」と片付けようとする堂本。

もちろん、右京は終わらせるつもりありません。

ハガキに暗号?

特命係に戻った右京は、青木にハガキの束を渡します。

それは、鮫島が二年の間に新聞社に投稿していたハガキ。

ハガキには、必ず消印がついています。

それをもとに、鮫島がどう移動してハガキを投函していたのかを映像で追跡してほしい、というのが右京の命令でした。

・失踪した鮫島の居場所を、襲撃犯が知ることができたのはどうしてか。

・鮫島は、自分の居場所を誰かに伝えていた可能性があること。

さらに右京は、それらの暗号がこのハガキに隠されている可能性があると推理していました。

右京の命令を聞いて調べ始める青木(青木君はだいぶ素直になりましたね)が、思い出したようにこう言います。

青木「一課の芹沢さんが、亀に噛まれそうになって腰を抜かしていましたよ」

青木「というか、芹沢さんの勘違い。亀がびっくりして首をひっこめただけなのに、噛まれかけたと大騒ぎ」

亀が噛んで怪我をしたのではなく、首をひっこめたときに甲羅に手が当たって怪我をした。

おそらく、指を。

指と言えば、絆創膏をしていたあの二人…。

二人の次官候補

そのころ、冠城は一人でとある人物のもとを訪ねていました。

その人物とは、法務事務次官の日下部。冠城のかつての上司ですね。

日下部は冠城を歓迎しないものの、訪ねてきた理由が「東京湾大規模修繕プロジェクト」の談合疑惑の話と分かると、冠城に向き合いました。

・談合疑惑が持ち上がった二年前、地検特捜部は動こうとしていた。

・しかし、その後に「ゼネコン側のキーパーソン(山口氏)が自殺」「国交省側の鮫島が失踪」してしまった(国交省は動けなくなった)

・それが今になり、鮫島が見つかった

という事実に、日下部も話をする気になったようですね。

鮫島の記憶さえ戻れば、うやむやになった談合事件の真実が明るみに出る可能性があります。

二人のキーパーソンが消えたことで事件は葬られ、当時は政権の維持ができました。

が、鮫島が今真実を語れば、政局の流れに影響が出てくるのは必須。

冠城が日下部を訪ねたのは、次期次官として花道を歩く杉原・谷川の二人が、政局にどう関わっているのか?でした。

日下部はその問いにこう答えます。

・谷川→主流派(現政権)と太いパイプがある。

・杉原→反主流派にすり寄り始めている。

現政権に反対する杉原にしてみれば、政権を揺るがす「過去の談合事件の真実」が表に出るのは願ってもないこと。

逆に現政権を支持する谷川は、真実を暴露されては困るという立場なわけです。

さらに、谷川が鮫島の暴露を止めることができれば、出世は確実。

鮫島の同期二人には、このような立場の違いがあったのですね。

この流れを見れば、鮫島を殺害する動機があるのは杉原ということに。

「これは貸しだぞ」と言う日下部に、「すぐ返せると思います」とほほ笑む冠城。もう事件解決は近いのだと、その表情が語っていました。

思い出してほしくない記憶

その谷川と杉原は、鮫島の病室を訪ねていました。

杉原「お前は俺を、俺たちを追いつめる腹なんじゃないのか」

どうやら、二人とも鮫島の記憶喪失は嘘なのではないか?と二人は疑っているようでした。

谷川「記憶喪失なら、そのままでいてほしいと思ってる。頼む」

鮫島に頭を下げる谷川。

そんな谷川に、鮫島は「何も思い出せない」と頭を下げて返すのみ…。

亀が持っていた物証

冠城が日下部に聞いた話により、鮫島が襲われた理由がはっきりしました。

談合事件の裏側を暴露されては困る人物が、鮫島の居場所を見つけ、襲撃したと特命係は確信します。

さらに右京が狙った通り、鮫島はとある暗号を使って居場所を発信していたことも明らかとなりました。

「あとは物証さえあれば犯人を捕まえられる」と右京・冠城が語っていたとき、特命係の部屋に入ってきたのは鑑識の益子。

どうやら右京は、鑑識にとある鑑定を頼んでいたようです。

益子「出ましたよ」

益子「手こずったよ、せめて麻酔くらいさせてくれりゃいいのに」

そして、差し出された大きなダンボール。つまり、右京が鑑定を頼んでいたのは…?

短歌は語る~事件に隠された闇の真相

歌会が行われていた料亭に呼びだされた、谷川と杉原。

待っていたのは、特命係の右京と冠城です。

右京「事件の真相が解りました」

まずはこれをどうぞ、と二人に見せたのは「詠み人知らず(ホームレス歌人)」・鮫島が新聞に投稿した歌を一覧にしたもの。

二年のうちに投稿したもの、すべてです。

実は、右京は歌を見てとある謎に気づいていました。

それは、歌のすべてが母音である「ア行」から始まるということです。

そこから掘り下げて考えたとき、右京はこの歌に潜んでいた暗号に気づきました。

まず、すべての母音を数字に置き換えます。

ア行=1、カ行=2、サ行=3、タ行=4、ナ行=5、ハ行=6、マ行=7、ヤ行=8、ラ行=9、ワ=10

この置き換えを頭に入れた上で、鮫島が投稿した短歌をもう一度見てみます。

短歌の最初にくる文字を、上の要領で数字に置き換えます。

すると短歌を構成する5・7・5・7・7の文から、5桁の数字が浮かび上がってきました。

この五桁の数字、実は郵便番号だったのです!

右京は鮫島が二年の間に投稿した歌すべてを解読し、郵便番号を割り出していました。

そして、その郵便番号の場所を青木に調べさせ、すべての場所で鮫島の姿を確認していたのです。

鮫島は、新聞の歌壇に歌を投稿することで、この暗号を解読できる人物に居場所を伝えていました。

その人物のみが知る「詠み人知らず(ホームレス歌人)」というP.Nを使って。

では、その人物は誰だったのでしょう?

右京「谷川さん、あなたですね」

そう、鮫島が居場所を伝えていた相手は谷川でした。

鮫島が失踪した理由とは

入札談合事件が表沙汰となり、当時の政権(現政権でもありますね)に影響を及ぼしかねない事態となったとき、政権は鮫島に自殺を迫りました。

真相を知る人物を消すために、です。酷い話ですね。

それを知った谷川は、政権の圧力から鮫島を守るために失踪をさせます。

自殺させられる前に、誰にも居場所を悟られないように逃がしたというわけですね。これは、現政権とのパイプを持つ谷川でなければ不可能なことでした。

政権にパイプを持つ谷川だからこそ、鮫島を自殺させようという流れをつかむこともでき、鮫島を逃がすこともできたわけです。

鮫島の命を救うために奮闘した谷川でしたが、本人は「自分は姑息だったと言わざるを得ない」と語ります。

鮫島は失踪と言う形で命を救われたものの、居場所を悟られないように生きる生活は過酷なものでした。

仕方のない選択だったとはいえ、谷川の人生を変えてしまったのもまた谷川。谷川は、その罪悪感をずっと心に抱え続けていました。

鮫島を殺そうとしたのは…?

ここまで静かに話を聞いていた杉原は、鮫島を殺そうとしたのは谷川だと主張。

杉原「鮫島は現総理のアキレス腱。だから、谷川は鮫島の口をふさごうとした」

これは、日下部と冠城が考えていた話と同じ考えですね。

鮫島が記憶を取り戻せば、再び談合事件の存在が明るみに出る。そして当時と同じ現政権が倒れ、主流派の谷川も失脚する…。谷川には鮫島を殺す動機があります。

しかし、谷川は事件が発覚した当時も同じ立場だったのに、鮫島を逃がしています。さらにそれから二年、ずっと歌壇で鮫島の居場所を知っていたのに、今更襲撃をするような真似をするでしょうか。

そこで右京が、ゆっくりと真相を語り始めました。

特命係が鮫島の身元を調べようと、新聞社を訪れたときのこと。

編集長は、歌の個性や癖から「詠み人知らず(ホームレス歌人)」と「ウサギ」が同一人物だと見抜いていました。

それと同じ理屈で、「詠み人知らず(ホームレス歌人」の正体が鮫島だと気づいていた人物がいました。

それが、杉原です。

杉原は谷川の様子と歌壇の歌から鮫島の存在に気づき、同時に歌に隠された暗号も解読していました。

鮫島の居場所を知った杉原は、現政権を倒して自分が出世するために、鮫島を表舞台に立たせることを考えます。

鮫島に当時の事件の真相を暴露させ、現政権に致命的なダメージを与えようとしたわけですね。

そのために、殺すためではなく説得をするために鮫島の家を訪ねました。

しかし鮫島は杉原の言うことを聞くことはなく、証言はしないとはねつけました。そこでもみ合っているうちに、鮫島はブロック塀に頭をぶつけて重症を負います。驚いた杉原は、そのまま現場を逃走。

犯人は杉原です。

杉原の指の傷は、鮫島の家に行った時に亀を突いてできたものでした。だから、指に絆創膏を貼っていたのです。鑑識の調べで、亀の甲羅から人間の皮膚が採取されていました。

その後、杉原は自分の身を守るための行動に出ます。

闇サイトにアクセスし、自分の代わりに「鮫島を襲撃した」と出頭・証言してくれる若者を探しました。あの自首した若者は、杉原にやとわれて身代わり出頭をしてきた人物だったわけですね。そのIPアドレスも、捜査一課の伊丹と芹沢が押さえていました。

政治家の姑息さ、そして自己保身が起こした事件でしたね。

「ウサギと亀があればいい」

鮫島襲撃の犯人が杉原と解ったところで、右京と冠城は鮫島と一緒に病院の屋上へ。

実は、まだ解決していない問題がありました。

右京「鮫島さん、あなたは杉原さんが自分を襲ったのを好機ととらえ、利用したのではありませんか」

右京「あなたは、記憶喪失を装っていますよね」

鮫島の記憶喪失は、多くの人が疑った通り嘘だったようです。

嘘をついた鮫島の狙いは?

結果的に大怪我となったものの、杉原は殺害のために鮫島を訪ねたわけではありません。

話し合いをしようとした結果、もみ合ってケガをさせてしまっただけです。

鮫島はそれを知っていながら、わざと「殺されかけた」と証言し、さも殺人のために襲撃をされたかのように装っていました。記憶喪失のフリをしながら。

そうすることで、鮫島の身元を割り出そうとした特命係の二人が、談合疑惑にたどり着くことを狙っていたのです。自分の身元さえわかれば、必ず警察は談合事件にたどり着くだろう…そんな目論見が鮫島にはありました。

鮫島が自分で談合疑惑の話を右京と冠城に言えばよかったのですが、鮫島は「どうして杉原が自分の居場所を突き止めることができたのか」に疑問を抱き、記憶喪失のフリをして調べさせるという方法をとったのです。下手すれば、また命を狙われる立場になってしまいかすからね。

結果、国交省の次官候補だった杉原が逮捕されたことで、世間は大騒ぎに。

そして、もう一人の次官候補である谷川はますます勢いを強めています。

谷川の名前を聞いて、ほほ笑みを浮かべる鮫島。それは、友を想うとても優しい表情でした。

谷川はこの二年の間に、歌壇を通して鮫島の消息を確認してはホッとする、そんな毎日を送っていたと言います。

談合事件が表ざたになったとき、政権から自殺を強要されそうになった鮫島は、その覚悟を固めていました。

しかし、それを体を張って止めたのが谷川でした。

「あんな政治家のために死ぬことはない」

「あとは俺が何とかする、失踪しろ」

と鮫島を説得し、文字通り命を懸けて谷川は鮫島を逃がしたのです。

現政権にパイプを持ち出世街道を進む谷川ですが、今の政治家たちには不信感を持っていたようですね。そんな政治家たちのために、大事な友の命が失われることは我慢ならなかったのでしょう。

谷川の思いに説得され、鮫島は失踪。そしてホームレス生活をしながら、谷川にだけ解るように居場所を伝えていたのです。

薄汚い政治と姑息な自己保身にまみれた政治。しかし、最後に残ったのは友を想い合う二人の友情でした。

鮫島は、「政権の意向を押し返すことができる、腹の座った官僚を上に据えるため」にこの事件を利用したと言います。

谷川のことでしょうね。

政治に必要なのは、前を走るウサギとそれを追いかける亀だけ。自分の出世のことばかり考える、卑怯な官僚はいらない。

鮫島は最後にこう語って、警察に入札談合のことを話しに行くと言い残して去りました。

今の政権にとっては、大変なダメージとなるこの暴露。しかし、それでも谷川は上に行くのでしょう。

ウサギと思われた現政権ですが、最後に勝つのは後ろからゆっくりと追い上げた亀の鮫島でした。

事件が解決し、特命係には平和な時間が戻りました。

鮫島の亀は、仮住まいの特命係から動物園に住まいを移すことに。警察に行っている鮫島にも、亀を飼うことはできませんからね。

世話をしているうちに情が移ったのか、青木は亀のエサである青葉を片手に落ち込んでいます。

右京もちょっと寂しそう。

https://twitter.com/zatta_jp/status/1067763781738975233

首を垂れる青木が、ちょっと可愛い。

ここで亀のウンチクをタラタラと並べようとする右京に、冠城は「亀はもういいです」とウンザリ。

亀に始まり、亀に盛り上がり、亀に終わった事件でした。

今回の見どころは「亀」!亀つながりのあの人にSNSが熱狂

今回の話の見どころは、何といっても「亀」!

相棒で亀と言えば、もちろんあの人ですよね。

右京さんの初代相棒・亀山薫さんです!

熱血で正義感溢れる亀山は、時に右京さんと衝突しながらも事件解決に奔走。見事なコンビを見せてくれていました。

ずっと相棒でいてくれると思われた彼ですが、とても彼らしい理由で特命係と警察を去っていきました。正義感溢れる彼だからこその理由でした。

そんな亀山のライバルだったのが、捜査一課の伊丹。

「特命係の亀山~」は、伊丹のキメ台詞でした。

今回は事件に亀が絡むとあって、ところどころに亀山を思わせるエピソードが盛り込まれ、SNSは大盛り上がり!

伊丹の「特命係の亀」というセリフは、ツイッターでトレンド入りするくらいの話題に。

https://twitter.com/minikero1975/status/1067754839285755904

今でも「いつか復帰してほしい」という根強い声がある亀山。いつかまた、伊丹との掛け合いが観られたらいいですね。

短歌を使った暗号に驚愕!

今回の事件を解決するカギとなったのは、鮫島が新聞の歌壇に投稿していた歌でした。

まさか歌に暗号が…?と視聴者を驚愕させたこの暗号、実はちゃんとプロの歌人さんが作成していたそうです。

ご本人がツイートされていますが、この暗号短歌のために作った歌は100首以上とか。

それも、ちゃんと暗号を潜ませながらすべての句を作られています。

新聞に載っていた他の句も作成されたようで、ちょっとした遊び心も。

いつもシナリオの凄さに圧倒される「相棒」ですが、この方のように多くのプロフェッショナルが力を注いでこそ…というのを実感します。

特に相棒ファンにとって、この方のツイートは舞台裏をちょっと覗けるみたいで貴重です。

『相棒 season17』第8話のあらすじ紹介

2018年12月5日(水)21時から放送の『相棒 season17』第8話のあらすじを紹介します。

大学教授を死に追いやったのは呪いの科学!?特命係が常識では解明不可能な事件に挑む!

人間の心のメカニズムを総合的に研究する認知科学の権威である大学教授が心臓麻痺で死亡した。

一部の学生が、『呪い殺された』とSNSで騒いでいるという噂を聞きつけた右京(水谷豊)は興味を抱き、亘(反町隆史)と共に調べ始める。

学生が“呪い殺した張本人”と名指ししているのは、半年前に転籍してきた助教の川村里美(佐津川愛美)。

学生によると、教授が死亡する前日、彼をにらみながら「死ね」とつぶやいていたらしく、さらに「人を呪い殺せる」と公言している霊能力者と会っているところを目撃したという。

その里美と、同研究室の准教授である高野鞠子(冨樫真)、猪瀬(オクイシュージ)に事情聴取した右京は、「事件性はない」と聞いた時になぜか里美だけが密かに微笑んだことを不審に思う。

しかし、事件当時の里美には完璧なアリバイが存在していて…!?

教授を呪い殺したと噂される助教の鉄壁のアリバイ…

科学と呪いが交錯する事件の背景に複雑な人間関係が…

右京と亘が、罪深き人間心理の深淵に迷い込む!

ゲスト:佐津川愛美 冨樫真 オクイシュージ

「相棒 season17」公式サイトより引用

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です