吉田沙保里はなぜ引退を決めたのか?原因はパワハラ問題や不仲説?記者会見は?

1月8日に、突如として引退を発表した吉田沙保里選手。

その功績をたたえ惜しむ声と共に、「なぜ今引退?」と波紋が広がっています。

その声と共に、レスリング界で起きたパワハラ問題・吉田選手と噂の選手との不仲説についてまとめてみました。

吉田沙保里選手の引退会見はいつ?

「1月10日に吉田沙保里選手が引退会見を行う」と発表されたものの、会見が始まる時間がなかなか発表されませんでした。

が、報道により1月10日の午後2:00より吉田沙保里さんが引退会見を行うことがわかりました。

日テレ・フジテレビ・TBSが生中継を予定しています。

引退には栄和人監督の解任が影響している?

栄監督の愛弟子と吉田沙保里選手

これまで、数々の輝かしい記録を打ち立て、日本のみならず世界のレスリング界を牽引してきた吉田選手。

2020年の東京五輪への出場も期待されていただけに、関係者のショックは大きいようです。

これまで頑張り続けてきた彼女の功績を称えつつも、どうしても気になってしまうのは「レスリング界で起きたパワハラ問題が引退に影響した可能性はないか」ということ。

2018年1月のこと、日本レスリング界の多くの選手を育てた吉田栄監督に、パワハラ問題が浮上しました。これは元教え子・伊調馨選手の代理人が「内閣府公益認定等委員会」に告発状を提出し、発覚したもの。

栄監督と日本レスリング協会はこれを否定していましたが、第三者委員会の調べにより「パワハラがあった」と認定され、栄監督は「日本レスリング協会強化本部部長」を辞任しました。同時に、至学館大学も辞職しています。

至学館大学は、レスリング界の未来を担う若手選手が名を連ねる業界の名門校。レスリング界の頂点を目指す若手選手は、この事件により師を失ったことになります。

後述しますが、このパワハラ問題についてはレスリング界で是非があり「栄監督のパワハラを認めつつも、伊調馨選手の肩ばかりを持つことはできない」という空気もあると報道されました。

ここで気になるのが、栄監督辞職に対する吉田沙保里選手の気持ちです。16大会世界一の記録を挙げ、五輪三連覇という偉業を成し遂げた吉田選手。

リオ五輪では惜しくも銀メダルという結果になったものの、懸命に戦い涙するその姿に日本人は温かい拍手を捧げました。

吉田選手は「主将として金メダルを獲らなければならなかったのに」と謝罪していましたが、あの彼女の戦いと銀メダルに誰が文句を言うでしょうか。

そんな吉田沙保里選手にとって、栄監督は恩師。その恩師が「パワハラ」という問題で業界を去ることに、彼女は大きなショックを受けていたに違いありません。実際に「かなりのショックを受けている」という報道もありました。

それが引退につながったのでは?という指摘がある一方、その前から「ある程度は引退を視野に入れていたのでは」という予想も。

以前に東京五輪出場について聞かれたときも「出られるなら出たい。でも東京五輪では38歳」と語りつつ「出られなかったときも、日本を明るくするお手伝いをしたい」と語っていました。「東京五輪を目指す」とは明言していなかったのです。

栄監督のパワハラ騒動にショックを受けたのは事実でしょうが、あくまでプロとして自分と向き合った結果が「選手引退」という道だったのではないでしょうか。

リオ五輪が終わった後、吉田沙保里選手は休業生活を送っており、選手生活からは遠ざかっていました。

彼女が東京五輪への出場を果たすには、まず国内の試合を勝ち進んで世界選手権への切符を手にしなけれななりません。しかし、これまで試合に向けた練習を再開することはなく、栄監督に代わって後輩のセコンドにつくなど「選手育成」に回っていたことが解っています。

現在は母校・至学館の副学長となり、コーチデビューも果たしています。

栄監督がいなくなった今、のちの指導者として吉田選手が期待を集めているという報道もあり、もしかすると本格的に監督への道を歩むのかもしれません。

もしそうじゃなかったとしても、持ち前の明るさと笑顔で、彼女は新しい人生を切り拓いていくでしょう。また別の形で吉田選手に会える日を、楽しみに待ちたいものです。

伊調馨選手との不仲説は本当なの?

吉田沙保里選手の恩師・栄監督のパワハラ問題を告発した伊調馨選手。

これまで何度となく、吉田選手との不仲説が囁かれている選手でもあります。

伊調馨選手もまた栄監督の元教え子です。吉田沙保里選手と同じく圧倒的な強さを持つ伊調馨選手は、吉田選手とは異なる63キロ級の王者です(のちに階級を変えています)。

実は、伊調選手と吉田選手が国内でつぶし合うことのないよう、伊調選手に別の階級での試合を勧めたのは栄監督でした。

栄監督のこの考えが功を奏し、伊調選手は吉田選手とは別の階級で功績を挙げ、女子では世界でただ一人「五輪四連覇」を達成した選手でもあります。

その伊調選手が栄監督のもとを離れたのは、兄がきっかけで赴いた男子レスリングの練習に感銘を受けたからと言われています(※講談社 現代ビジネス より)。

女子レスリングの闘い方が、ひたすら本能で戦うというやり方なのに対し、男子は「今その技を出した理由を説明することができる」という論理的なものだったそう。

この練習方法に感銘を受けた伊調選手は、恩師である栄監督のもとを去り、警視庁レスリングクラブのコーチを務める田南部監督のもとで練習をはじめます。

もちろん周りは男子ばかりと言う環境でしたが、並外れた強さを持つ伊調選手にはそれが合っていたのでしょう。

その伊調選手が栄監督を告発した理由は、以下の通りです。

  • 栄氏が伊調選手の警視庁レスリングクラブ出入りを禁止した
  • 田南部コーチに対し、圧力をかけて伊調選手の指導ができないようにした

日本レスリング協会・栄監督ともにこの疑惑を否定しましたが、第三者委員会は「パワハラは存在した」と認定。これにより、栄氏はレスリング界を去ることになります。

報道によれば、レスリング関係者は「栄監督のパワハラは認めつつも、伊調選手と田南部監督のやり方にも賛同できない」という人が少なくないようで、レスリング界に複雑な風が吹いた出来事でした。

何度も繰り返すように、吉田選手にとって栄監督は恩師。「その吉田選手が、伊調選手の存在を面白く思うはずがない」と考える人がいたことや、一人で黙々と練習する伊調選手に対し、社交的な吉田選手と言う「性格の違い」を指摘され、二人の間には常に「不仲説」が漂うようになりました。

この不仲説が実際にどうなのかは、本人たちしか知りえないことです。選手である前に人間ですから、合う合わないがあるのは当然。

二人ともこれだけの結果を出す選手ですから、不仲であったとしても結果や選手としての進退に響くことは考えにくいです。

二人の仲はどうあれ、別の階級で輝かしい功績を打ち立てた二人は、その努力と結果にはリスペクトをしているとは考えられないでしょうか。

同じ世界で活躍する二人だからこそ、その記録を得ることがどんなに難しいかも知っている…そう考えます。

吉田沙保里選手の会見は1月10日午後2時から!メッセージを聞き逃さないで

吉田選手がどのような考えで現役引退を決めたのか、それは10日午後2時の会見で明らかになります。

これまで、レスリング界のみならずスポーツ界を盛り上げてくれた吉田選手が、自分の口で引退を語る姿を見守りましょう。彼女の口から出たことだけが、真実です。

平成が終わろうとしている中、平成のスポーツ界を牽引してきた彼女が去ることはとても寂しいですね。でも、きっと彼女はまた別の道で、日本の明るい未来に貢献してくれるはずです。吉田選手の引退への花道に、拍手を送らない日本人はきっといないでしょう。

「いままでありがとうございました」という感謝と共に、彼女の今後に幸多かれと願わずにはいられません。どんな道を選んだとしても、またあのキュートな笑顔を見せてくれますように!

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