2019年6月5日(水)放送の「ガッテン」では、心臓病予防と筋力アップに効果があり、健康長寿をかなえるスーパーフードとして「大豆」が紹介されました。
「こんな内容は番組が始まって以来なかった」と司会者も太鼓判を押す、普段スーパーマーケットで買うことができる、私たちの身近な大豆のすごい効果とは?
大豆を摂取した患者の驚くべき検証結果から、飲むだけで心臓病予防や筋力アップを期待できるという、夢のようなスーパーフード大豆の必要摂取量と摂取方法など番組で取り上げられた内容をまとめて紹介します!
目次
寝たきり患者が「大豆」を摂取するだけで筋力が40%もアップ
徳島大学大学院医歯薬学研究部の研究では、二川健教授を筆頭に長年、体と栄養の関係を研究し続けています。
そして4年前から、寝たきりになっている患者さんに、一定量の「大豆」を30日間摂取してもらった結果、筋力が平均40%アップしたとのこと。
ただし、寝たきりの患者さんなので、筋肉が衰えている状態だったため、伸びしろが大きく40%もアップしたという事と、3割の方には効果がなかった、ということですが、それを差し引いても注目すべき結果です。
そして、番組が独自にした実験では、健康な方でジャンプ力、背筋力、握力の体力測定をして試していましたが、その食品を一定量で2週間摂取した結果すべての人に能力の向上が、見られたということでした。
なぜ大豆タンパク質を摂取すると筋力がアップするのか
私たちは普段の生活の運動だけで筋肉の筋繊維が切れます。筋繊維が切れると「IRS-1」という細胞が、筋繊維を修復してくれます。
寝たきりの患者さんも例外ではなく、運動をしなくても筋肉は劣化し筋繊維が切れてしまいます。ただし、運動が非常に少なくなると「ユビキチンリガーゼ」という物質が現れます。
ユビキチンリガーゼは、IRS-1の筋肉を修復を邪魔するため、寝たきりの患者さんは、どんどん筋力が低下していきます。
そこで、大豆タンパク質を摂取すると、大豆タンパク質がIRS-1の身代わりとなって、ユビキチンリガーゼを抑え、IRS-1の筋肉の修復の手伝うため、大豆タンパク質を摂取することで筋力がアップに効果があるとのこと。
他の食材のタンパク質では筋力アップの効果がない
大豆タンパク質と他の食材に含まれているタンパク質の大きな違いは、形状に突起物が付いているか、付いていないかです。
突起物の構造が、大豆タンパク質とIRS-1の構造がとても似ており、ユビキチンリガーゼを抑え、IRS-1の身代わりとなれることができるのです。
そのため、他のタンパク質では、IRS-1の身代わりとはなれないため、運動をしない方の筋力アップの効果は見込めないということです。
ただし、どんなに大豆が体に良いからといっても、過度に摂取するのではなく、肉には鉄分が多く、魚には動脈硬化を予防に繋がる成分が含まれているので、肉や魚、牛乳、卵などの食材をバランスよく摂取することが大事だということです。
大豆タンパク質を摂取する方法は?
大豆を摂取するだけで筋力アップにつながる理由は、大豆に含まれいる大豆タンパク質が筋力に作用するからです。
一日に必要な大豆タンパク質の摂取量は、煎り大豆だと20g(60~70粒)。これには、大豆タンパク質が8g程度含まれていることになります。
日常生活で食べている大豆料理では、どのくらいの量を摂取すればいいのか? 以下に一覧で紹介させていただきます。
大豆料理の必要摂取量とタンパク質の含有量
料理 | 大豆製品の量 | タンパク質含有量 |
---|---|---|
煎り大豆 | 20g | 8g |
煮豆 | 30g | 3.9g |
納豆 | 50g(1パック) | 8.3g |
冷やっこ | 150g(絹ごし豆腐半丁) | 8g |
揚げだし豆腐 | 150g(木綿豆腐半丁) | 10.5g |
生湯葉 | 30g | 6.5g |
うの花 | 75g(おから) | 4.6g |
きつねうどん | 30g(油揚げ) | 7g |
いなり寿司 | 30g(2個) | 7g |
赤だしみそ汁 | 25g(豆みそ) | 4.2g |
きなこ餅 | 20g | 7.3g |
豆乳 | 200g(コップ1杯) | 7.2g |
高野豆腐 | 50g | 5.4g |
枝豆 | 50g(可食部) | 6g |
しょうゆ | 2g | 0.2g |
※一覧で紹介している食品は、普段の食事で無理なく食べれる量を摂取した場合の含有量となります。
大豆タンパク質を摂取するには、大豆加工食品で相当する量が摂取できればいいので、無理なく毎日摂取することが可能です。
筋力アップだけを目標にするなら、豆乳200ccを飲めば、7.2gの豆腐タンパク質が得られるので、ほぼ必要量が摂取できます。
大豆タンパク質の摂取の注意点
大前提として大豆アレルギーがないことを確認しておいてください。そして、大豆は生では食べられませんので、炒るなどの加工が必要です。
しかし、炒り大豆は、飲み込む力が弱っている高齢者や胃腸が弱っている方にはおすすめできませんので、大豆加工食品で摂取するがいいと思われます。
大豆タンパク質25gを摂取することで心疾患が減少
大豆タンパク質は、筋肉の生成に強く関与しており「筋力アップ」には、8gの大豆タンパク質の摂取が推奨されています。
アメリカの機関「FDA Health Claim」によれば、大豆タンパク質を25g摂取し続けることで「心疾患が減少する」との発表がなされています。
また、地球上から病を根絶する目的に設立されたWHO(世界保健機関)では、1983年に「何を食べれば健康と長寿が手にできるのか」その答えを見つけるためのプロジェクトが始動、そのリーダーを任されたのが心臓病の専門家の家森幸男さん。
家森さんは64の国と地域を対象に調査し、世界各地の長寿食を実食して効果を調べ続け、導き出したのが大豆だったのです。
大豆には、食べ物に含まれる脂質の吸収を妨げる働きがあり、その結果、動脈硬化や心疾患が減ると考えられています。
無理なく筋力アップと心疾患予防が期待できるスーパーフード大豆
今回のテーマとなったスーパーフード「大豆」は、私たちの身近にある食品です。
その効果は、筋力のアップに役立ち、私たちの体をより強くしてくれます。さらに心疾患を予防して、リスクを減らす役割が期待できます。
スーパーフードである大豆の摂取方法についてまとめておきます。
タンパク質の一日の必要摂取量が、男性は「60g」、女性は「50g」となっています。
- 摂取するタンパク質の8gを大豆タンパク質に変えると筋力アップの効果が期待できます。
- 摂取するタンパク質の25gを大豆タンパク質に変えると心臓病予防の効果が期待できます。
大豆の摂取方法は、大豆の加工食品で摂取をするのがおすすめです。
食品成分表などを参照に、上記の量を摂取してください。
今回は私たちの身近にあるスーパーフード大豆についての紹介でした。ぜひ、筋力アップと心臓病(心疾患)予防に役立ててみてください。
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