12月18日、東京地裁で日本の#MeToo裁判として注目を集めた民事訴訟の判決が出ました。
ジャーナリスト、伊藤詩織さんが元TBSの記者山口敬之さんから性的暴行を受けたとして賠償を求めた裁判です。
山口さんは一切罪を犯していないと主張していましたが、東京地裁は山口さんに対し、330万円の賠償を命じる判決を下しました。
このニュースが話題になる中、2018年にBBC(英国放送協会)が2018年に放送したドキュメンタリーが話題になっています。
「日本の秘められた恥」というタイトルで、伊藤さんの事例を中心に、日本での女性の性的被害の状況などについて報じた番組です。
このドキュメンタリーの内容と、番組内で山口さんらが伊藤さんを侮辱するシーンとされ、問題となっている発言について紹介します。
目次
BBCのドキュメンタリー「日本の秘められた恥」が話題に
2018年、BBC(英国放送協会)は、「日本の秘められた恥」というドキュメンタリー番組を制作しました。
12月18日に民事第一審で、山口氏に330万円の賠償が命じられた、伊藤詩織さんに対する性的暴行疑惑について取り上げた番組です。
番組では、伊藤さんの事例から、日本全体が抱えている問題として、女性の性的被害に対する警察・司法の取り組みが弱い部分などを掘り下げました。
こちらから、伊藤詩織さんについてのBBCのドキュメンタリー番組「Japan’s Secret Shame」の全編が見れます!
日本語字幕つき日本のメディアでは放送されないような内容ありhttps://t.co/P6jnwgbSTQ
先程シェアした動画より字幕は小さいけど、普通の速度だし分割されてないので見やすいです。
— Tatsu&Yukiの二人旅.com@はてなブログ (@HowWeTravel) December 20, 2019
山口敬之と杉田水脈が伊藤詩織を侮辱しているという指摘
東京裁判の民事第一審で、山口さんに賠償命令が出る判決が出た今、BBCのドキュメンタリーが注目されている理由は、番組内で伊藤さんが侮辱を受けているという指摘があるためです。
Japan’s Secret Shame(#日本の秘められた恥)安倍総理に最も近いジャーナリスト山口敬之、日本維新の会足立康史衆院議員、自民党和田政宗参院議員、上念司加計学園客員教授、花田紀凱編集長、杉田水脈衆院議員が伊藤詩織さんを侮辱するシーン pic.twitter.com/vD1ZzhaNns
— 箱コネマン (@HAKOCONNEMAN) December 18, 2019
Japan’s Secret Shame(#日本の秘められた恥) 山口敬之と花田紀凱が伊藤詩織さんを侮辱するシーン2 pic.twitter.com/626WO2oWEH
— 箱コネマン (@HAKOCONNEMAN) December 18, 2019
山口敬之さん・花田紀凱さん(花田紀凱さんの政治番組内での発言)
山口さん「あると全部飲んじゃうんです、凄い飲み方だなあ」
花田さん「酔っぱらった女性嫌ですよね、廃退者だねもう、山口さんもよく我慢して世話したなと」
杉田水脈さん・長尾敬さん(自民党衆議院議員)のライブでは、「美しい女性が枕営業を失敗した」というイラストを出していました。
服に「山口」という名前が書いてあり、伊藤さんのことを念頭に置いていることは疑いようがありません。
杉田さん「女としても落ち度がありますよね、男性の前でそれだけ飲んで記憶をなくして」「伊藤詩織さんが嘘の主張をしたがために、山口さんや家族に誹謗中傷の電話やメールが殺到した、男性側のほうが被害を被っている」
沓沢亮治さん(豊島区議会議員)
「まさしく怪しいんだなーこれが、性犯罪の被害者が顔出しテレビ出演って、日本人は隠したがりますよ」
これらの発言について、伊藤さんに対する侮辱だと憤る方が少なくありません。
名誉棄損で訴えるべきでは、という主張も出ています。
山口敬之は不満を示し控訴の考え
伊藤詩織さんの民事裁判は伊藤さんが勝訴しました。第一審の東京地裁は伊藤さんの訴えを支持し、山口さんに330万円の支払いを命じました。
敗訴した山口敬之さんは、この報道に不満を示し、すぐに控訴すると明言しています。
判決が出た翌日、日本外国特派員協会で行われた会見では、山口さんに対し、伊藤さん自身も記者として質問をする「法廷外論戦」になりました。
山口さんの主張は、
- 明確に合意はあった
- 伊藤さんはウソの常習犯である
というものです。
山口さんは安倍総理に関する著書も出しているジャーナリストであり、この会見に日本はもちろん、海外メディアからも取材陣が多く訪れました。
日本の#MeToo事例として注目の伊藤詩織裁判は刑事と民事で判断分かれる
伊藤詩織さん・山口敬之さんの裁判については、刑事・民事で判断が大きく分かれました。
事件後の検察審査会では、山口さんを嫌疑不十分で不起訴処分にしています。
山口さんは明確に控訴すると主張していますので、この裁判は高裁でも争われることが間違いない状況です。
双方の主張が全く食い違っているだけに、司法の判断が注目されます。
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