オーストラリアの東部では大規模な干ばつが起こり、森林火災の被害も深刻になっています。
牧畜業など、人間の生活にも多大な影響を及ぼしていますが、この地域はコアラが多く生息する地域でもあります。
干ばつや森林火災により、コアラにも多くの被害が出ていることが確認されました。
そんな状況で、一人の女性がコアラを救うためにとった勇気ある行動が賞賛されています。
コアラを救助した女性の詳細や、森林事故によるコアラへの影響について調べました。
目次
オーストラリアの森林火災で自らのシャツを脱ぎ、下着姿で火傷のコアラを救助した女性に賞賛の声
A woman rescued a badly burnt and wailing koala from an Australian bushfire on Tuesday.
The koala was spotted crossing a road amongst the flames near Long Flat in New South Wales, on the eastern side of Australia. pic.twitter.com/fStGSAzwkD
— NBC News (@NBCNews) 2019年11月19日
オーストラリアの森林火事で、火傷を負ったコアラを救ったのはトニーさんという女性です。
火災の中、火傷を負いながら逃げるコアラに駆け寄り、自らのシャツを脱ぎ、シャツにコアラをくるみ下着姿でコアラを救出する様子が撮影されました。
コアラにペットボトルの水をあげ、布団に包まれたコアラは病院へと搬送されています。
このトニーさんの勇気ある行動は、世界中で広く紹介され、日本でもニュースとなりました。
この女性の行動に、世界中から賞賛の声が送られています。
一方、救助されたコアラは皮が焦げ、布団に出血の跡が見られるなど、かなり痛々しい様子です。
残念ながら、森林火災の悲惨さを物語る動画ともなっています。
オーストラリアで森林火災続く、コアラにも深刻な打撃で数百頭が犠牲に
オーストラリア東部で起こっている森林火災では、コアラが数百頭、犠牲となっていると報じられています。
火災自体で死んでしまうコアラもいますし、火災により水分不足に陥り、脱水症状にかかってしまう個体もいるなど、死亡したコアラ以外も健康上の心配がある状況です。
干ばつが原因で山火事が起こっているということもあり、今後も新たに山火事が発生する可能性もゼロではありません。
オーストラリアの固有生物、コアラはレッドリスト入りの生物、絶滅のリスクも
コアラはオーストラリアの固有生物であり、さらにオーストラリアでも東部のエリアにしか分布していない固有種です。
そんなコアラの生息域であるオーストラリア東部で、大規模な干ばつや山火事が起きてしまいました。
この状況が長引くと、コアラの生息数が激減ということにもなりかねません。
現在のコアラの生息状況ですが、推定で10万頭以下と推定されています。
絶滅危惧種などをレッドリスト化している国際自然保護連合(IUCN)からも、リストの対象にされていて、決して数の多い生物ではありません。
レッドリストは絶滅の危険度に合わせた分類がされていますが、コアラは「危急種」に分類されています。
環境が悪化するなどの原因があれば、野生種が絶滅してしまうリスクがある生物という分類です。
日本におけるトキのように、コアラはすぐに人間の手による保護や繁殖が必要となるほどの状況ではありません。
しかし、現在の山火事が長引くことは、コアラにとって非常に危険なことです。
コアラも犠牲の森林火災は広範囲に
今回発生したオーストラリアの森林火災では、焼けてしまった森林の面積が、約165万ヘクタールという報道もあります。
1ヘクタールは0.01平方キロメートルなので、およそ1万6500平方キロメートルとなります。これは北海道に次いで広い都道府県、岩手県の面積を超えてしまう広さです。
人間・コアラはもちろん、これだけの森林が消失するということは、かなり生態系に影響が及ぶのではないかと心配になりますね。
オーストラリアで長引く森林火災、世界中で人気のコアラにも危険性及ぶ
愛くるしい容姿で、世界中で人気のあるコアラですが、オーストラリアの大規模な森林火災でかなり多くの個体が犠牲となっていまいました。
現地では、特別な訓練を受けた「コアラ探知犬」なども活躍していると報じられ、コアラの救助活動が続けられています。
現地の住民の方はもちろん、森の動物たちも少しでも命が助かるよう祈りましょう。
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