吉本興業の責任逃れの誓約書とは?研修生との契約に賠償請求なしで「暴力団と一緒」「ブラック企業そのもの」との声も

闇営業問題など、世間を大きく騒がせている吉本興業ですが、また世間のイメージ悪化につながりかねないニュースが出てしまいました。

今回問題視されたのは、吉本の芸人養成所・NSCのお笑い合宿に参加する研修生に提出させていた誓約書と、誓約に関係する規約です。

合宿中の事故について、「賠償請求なし」といった、かなり常識を疑うような内容も含まれています。

契約の問題について、最近たびたび批判されてきた吉本興業。またしても契約関係で批判を浴びることになってしまいました。

吉本が研修生に提出させていた誓約書の内容や、その問題点について簡潔にまとめました。

NSC合宿の誓約書で責任逃れと批判

今回問題とされているのは、2019年9月に予定されている「NSCお笑い夏合宿」の規約です。

この合宿に参加する研修生には、規約に従うよう誓約書に署名させ、提出させていました。

しかし規約の中身を見ると、喫煙や飲酒の禁止といった事項のほかに、

  • 合宿中に負傷や後遺障害、死亡があっても、吉本興業に対する責任の一切は免除される
  • 傷害などについて、賠償請求や訴訟は行えない

といった内容が含まれています。

この規約だけ読むと、吉本側に不備があって事故があっても、研修生は泣き寝入りするしかないということになります。

この規約に対して誓約書を提出させる吉本のやり方に対し、「責任逃れ」と多くの批判が集まっています。

法律上も問題がある研修生との誓約書

もちろん、研修生が署名して誓約書を提出すれば、どんな契約も有効となるわけではありません。

法律上、イベント主催側に不法行為や過失があった場合でも、一切責任を問えないという契約は無効とされます。

賠償請求などの裁判をしてはいけない、という内容も、公平に裁判を受けられる人権を侵害する内容です。

吉本は、現在「免責」の記載は削除していると説明しています。今回の規約については、業務の引継ぎがうまく行われず、間違えて修正前の古い規約を渡してしまったという説明でした。

2019年以前の、17・18年に実施された合宿も、今回問題視された内容の規約が使われていたとして、吉本はNSCの生徒や家族に対し謝罪しています。

大崎会長就任後にリスク管理強化

今回のような規約ができたのは、現在の吉本興業会長・大崎洋氏が就任してからです。

現在は弁護士の指摘が入り、「一切免責」といった部分は修正したと説明しています。しかし、一時は「責任逃れ」をするため、かなり芸人側に不都合な規約を作っていたことになりますね。

「暴力団と一緒」世間の声厳しく

企業体質が問われている最中に浮上の吉本の契約・請求書問題ですが、吉本側は、今回のNSCのお笑い合宿について、命の危険があるようなものではない、という説明をしています。

しかし、「賠償請求なし」「吉本側は一切責任を負わない」という内容は、世間からかなり冷たい批判を受けることになってしまいました。

  • 暴力団と一緒、吉本が反社会勢力では
  • ブラック企業よりひどい
  • 人権意識が全くない、奴隷扱い

といった厳しい声が多く、イメージダウンは避けられません。

芸人を守るための労働契約書は交わさない一方、吉本が責任を負わないための規約や誓約書はしっかり作って対策をしていることも、今回の一件で明らかとなりました。

「ブラック企業」「暴力団」と呼ばれる吉本にイメージアップの可能性はあるか

吉本が一切の免責に応じないという規約で誓約書をとったのは、立場の弱い「研修生」です。

パワハラやギャラの安さ、契約問題などが次々話題となり、「ブラック企業」「暴力団」と例えられる、最近の吉本興業。特に若手に対する扱いの悪さが、イメージダウンにつながっています。

ここから先、改革案を打ち出してイメージアップすることはできるのか、注目ですね。

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