テレビ朝日「モーニングショー」で、7月15日に大きく取り上げられたテーマの1つが、「緊急事態条項」についてです。
この話題で大きく株を上げたのが、わかりやすい解説と評価の高かった木村草太さん。
対立する立場の田崎史郎さんが、逆に「浮いている」と感じる視聴者もいたほどの解説でした。
今回は、「モーニングショー」出演でかなり注目を集めた、木村草太さんについて調査しました。
番組内で争点となった「緊急事態条項」についても、簡単に振り返ります。
目次
木村草太の解説した「緊急事態条項」が高評価
現在テレビ朝日「モーニングショー」では、参議院選挙に合わせ、憲法改正についてのコーナーが設けられています。
7月15日は、その中でも大きなテーマの1つ「緊急事態条項」について話し合われました。
MC、羽鳥アナ以外の主な出演者は以下の通りです。
- 田崎史郎さん(政治ジャーナリスト)
- 木村草太さん(憲法学者)
- 玉川徹さん(レギュラーコメンテーター)
- 石原良純さん・山口真由さん(曜日コメンテーター)
この中で、特に解説で評価の高かったのが憲法学者の木村草太さんでした。
自民党の草案に反対する立場から、わかりやすく解説を加えています。
木村草太は首都大学東京の教授
木村草太さんは、首都大学東京大学院で社会科学研究科法学政治学専攻・都市教養学部都市教養学科法学系の教授として務めています。
特に憲法論・安全保障・平等論といった分野で、多くのテレビ番組に出演し意見を述べてきた経歴のある、新進気鋭の若手法学者の1人です。
木村草太さんの詳しいプロフィールはこちらの記事をご覧ください。
木村草太が解説した「緊急事態条項」とは?
#モーニングショー で「緊急事態条項」特集。自民党の公約集には書かれていない「条文イメージ」も漏れなく紹介。木村草太教授は「既存の法律を全部書き換えられる」「刑事訴訟法を変えて逮捕の要件も付け加えられる」と、緊急事態条項の本質的危険性を紹介。こんなものが出来たら独裁国家になる。 pic.twitter.com/XMbPxWvCuA
— 異邦人 (@Beriozka1917) 2019年7月14日
今回論点となった「緊急事態条項」は、いわゆる自衛隊を明記するかどうかが話題になっている「9条」問題と並び、憲法改正のかなり大きな論点です。
具体的には、災害や戦争などの「緊急事態」があった時、政府が普段憲法で定められている以上の権限を持つことができるようになります。
「国家緊急権」とも呼ばれます。
「国民主権」という、憲法の大原則にも関わる部分なので、多くの法学者がこの緊急事態条項を重視しています。
必要性に疑義を挟む木村草太の意見
木村草太さんの意見として、まず災害時の緊急事態条項については、「既存の法律で対応できる」というものがあります。
具体的には、災害対策基本法などです。この範囲内で対応できるものであり、現状に不備があるならば、まずはそちらを検討すべきではないかという立場でお話をしています。
国会議員の任期延長については、その決定を当事者自身ができるという点、裁判所など、その正当性を確認する手続きがない問題点などを上げました。
「拡大解釈」できる可能性に危惧
もう1点、この緊急事態条項について木村草太さんら、多くの出演者が訴えているポイントが、その時の権力者によって「拡大解釈」できるという点です。
政府に強い権力を与える緊急事態条項ですから、当然その発動にはかなり厳しい条件が課せられる必要があります。
しかし、この法律を適用しようとする権力側としては、どうしても法律を拡大解釈し、「今は緊急事態に該当する」からと、緊急事態宣言をしてしまう可能性がぬぐえません。
その「歯止め」について、十分な対策や議論がなされていない。
そんな中、「法律と同等」の効力を持つ政令を政府が決められるという内容に、多くの方が危機感を表明しました。
木村草太らの解説で、安倍首相と親しい田崎史郎が劣勢に
#モーニングショー で、緊急事態条項についてがっつりやってた。
田崎スシローが何を言っても、憲法学者の #木村草太 さんがバッサリ。そりゃそうだ。自民党の改憲案はおかしいもの。
法律がすでにあるなら、法律を見直すのが先でしょ?改憲改憲て、胡散臭いのよ、安倍さんは。 pic.twitter.com/G5MUPlmhGf— kaorin (@kaorin1199aksa) 15. Juli 2019
多くの出演者が「緊急事態条項」について、危惧や疑問の声を上げる中、「解説」の立場に立つ政治ジャーナリスト、田崎史郎さんが浮いているように見えるとの意見が出ました。
田崎さんは安倍首相とも親しい間柄で、立場的にも他の出演者と一線を画しています。
自民党の草案をフォローする立ち位置になることは、仕方ない部分です。
また、話のボリューム的にも、人数的にも、木村草太さんや、レギュラーコメンテーターの玉川徹さんら、ややこの論点について否定的な意見に時間が割かれています。
田崎さんが口を挟む回数はかなり少ないまま、コーナーが終了しました。
ディスカッションではないので、勝ち負けなどはありませんが、議論であれば、田崎さんがかなり「劣勢」であった形です。
木村草太の出演・解説は今後も影響力大
参院選は事前の情勢調査では、改憲勢力・自民党の圧倒的勝利が予想です。
選挙後にさらに憲法改正論議が加速する場合、報道番組でも多数の特集が組まれます。
求められるのは、一般視聴者にもわかりやすい解説をする「憲法」の専門家。
若手ながら、憲法改正に慎重な立ち位置から鋭く、わかりやすい意見を述べる木村草太さんは、今後注目の一人です。
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