以前から問題になっている不適切動画ですが、2019年になってから急激に目にするようになりました。
コンビニやファストフード店がターゲットとなり、企業に大きな損害を与えています。
そのほとんどが、アルバイト店員の行為を撮影したものなのですが、あまり報道されないその後の話を知っていますか?
企業が店員に対して行った損害賠償はもちろん、彼らのその後の人生がどうなっていくのか。実際にあった事件を元に、シュミレーションをしてみたいと思います。
目次
某ホテルの調理場で入浴した少年

あるホテルで皿洗いのアルバイトに来ていた男子高校生が、食器洗い用のためにお湯を溜めておく流し場の中で入浴をしました。
それを一緒にいた少年が撮影し、SNSにアップしたところ、瞬く間に拡散しました。
「拡散よろしく」「○○ホテルの洗い場」などという一文があったことから、すぐにホテル側もこの事態を把握し、4日後に陳謝しました。
実際起こったホテル側の対応と予想される損害状況
この入浴動画を撮影した日は、幸いにも皿洗い業務がなかったそうです。
しかし、翌日の業務に対して使用に支障をきたす為、洗い場はもちろんホテル内の全食器を洗浄、消毒をすることになりました。
この時、入浴で使われた洗い場は特注品でしたが、すべて交換することを決定しました。
その為、予約してあったパーティやイベント類は洗い場が使用できないのでキャンセル。
宿泊予定の人たちにも料理の提供ができないので、宿泊キャンセルが出ました。また、併設するレストランの営業も休止。
キャンセルで余ってしまった食材や営業休止期間中に使えなかった食材が出てしまいます。
その間およそ2日程度でしたが、ホテル側の損害は数百万から数千万規模に及びました。
SNSの動画アップで男子高校生は退学に
「ふざけてやっていました」では済ませられなかった今回の事件。投稿された動画には入浴していた男子高校生の顔がそのまま映っていました。
ホテル側は警察に被害届を提出。その結果、男子高生は学校を退学することになりました。
また、損害賠償がホテル側から請求されましたが、男子高校生は未成年ですし、支払い能力がありません。
結果、両親が数百万円といわれる損害賠償金を支払うことになりました。
バカッターは就職するのが難しい

ある会社の人事部では、各担当者がFacebookやTwitter、ブログなどを持っています。
これらは会社の宣伝に使われるものではありません。新卒社員や転職者のことを調べるために使われるものです。
会社が雇用をしようとしている人間が、普段どんなことをしているのか。過去にどんなことをしていたのかを調べるためです。
高校生の時にやってしまった悪ふざけの画像や動画もこれらの担当者は調べます。
バカッターと呼ばれる行為をした人はもちろん不採用になります。
もうあれから改心しましたと言っても通用しないことの方が多いのです。
自分が投稿をしなくても拡散します
ある少年が、アルバイト先のコンビニで冷蔵庫の中に入る様子を友人に撮影してもらいました。
その友人は、面白い画像が撮れたと言って、別の友人に画像をメールします。
すると、画像を貰った別の友人が「コンビニの冷蔵庫に入る人!!」という内容でSNSに投稿しました。
その画像は瞬く間に拡散し、事態はコンビニチェーンにも伝わることに。
アルバイトの少年は退職をし、店側も対応に追われることになりました。
内輪で楽しむだけだったはずがSNSで拡散
この少年は、友達と面白半分で撮影をしていただけでした。しかし、撮影者の友人もまた、別の友人とこの写真をシェアしたくなったのです。
こうして友人同士で広め合った結果がSNSにまで広がってしまいました。
SNSに投稿した人は、危機感を持って警告の為に投稿する場合ももちろんありますが、面白半分の場合も十分にあります。
例え一瞬、遊びのつもりであっても、人生が180度変わってしまう行為なので甘いことは許されません。
若気の至りでは済まない!炎上は半永久的に続く
最近のインターネットでは、ほんの数分公開しただけのものが、話題を呼んで一気に拡散することがあります。
特に炎上と言われるような悪質なものであればその広がりも早く、その内容に対する悪意も増幅されていきます。
一度拡散したら消去するという手段はない
自分が投稿した内容を削除しても、スクリーンショットというパソコンやスマホ画面を撮影し、そのまま保存する方法があります。
これによりアカウントが特定されるほか、投稿者の個人情報がすべて露呈してしまうこともあります。
そして、SNS上に知らない人からのたくさんの悪意ある言葉が寄せられたり、個人情報をネット上でさらされたりと被害を受けます。
一度拡散してしまった内容については、すべて消去するという手段はありません。
例え問題のSNSを消去したり、個人情報がさらされたサイトの管理人に消去を依頼しても、誰かがどこかでまだ情報を持っている可能性があるからです。
また類似の事件が出た時に再度拡散してしまう恐れがないとは言い切れません。
実生活のなかでも噂が広まり「あの動画の人」「炎上した人」などと陰で呼ばれたり、避けられたりということが起こります。
結果、地元を離れることになった人もいます。
またいつどこで言われるかわからないと怯えながら暮らさなければならないかもしれません。
学校では教えてくれない「SNSの恐怖」
スマートフォンやSNSの急速な成長と普及に、社会や教育の現場がまだ十分に追いついていません。
そのため、ちょっとっした悪ふざけや、目立ちたいからという気軽さで行った行動が「バカッター」「バカスタグラム」などと呼ばれ、不適切投稿になってしまうのです。
不適切投稿者たちは、やってはいけないことをしているという自覚はあります。しかし、その後どうなるのかということまでは知りません。
今の世の中、すぐに投稿はバレますし、被害届を提出されたり、損害賠償も請求されます。
わからなかった、子供の遊びで済まされるのは小学生まで、いえ、今や小学生ですらもその基準から外れてしまうかもしれません。
ほんの数分の投稿が人生を狂わせることがあることを十分に知ってください。
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