映画『三度目の殺人』あらすじネタバレ!3度目の意味するものとは?感想・評価も紹介

映画『三度目の殺人』は2017年に公開された、福山雅治が主演の法廷サスペンスで、監督は是枝裕和です。

福山雅治さんと是枝裕和監督がタッグを組むのは、カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞した「そして父になる」に続いて2回目となっており、『三度目の殺人』は第41回日本アカデミー賞で、作品・監督・脚本・助演男優・助演女優など、最優秀賞を総なめにした作品となっています。

殺人犯として30年服役した男・三隅が、出所後2度目の殺人を犯してしまいました。減刑を求めて弁護を担当することになった弁護士・重盛でしたが、三隅との接見を繰り返すうち、彼の不安定な供述に翻弄されてしまいます。

三隅と重盛が犯してしまった3度目の殺人とは・・・。

こちらの記事では、映画『三度目の殺人』の作品紹介や、ネタバレを含むあらすじをご紹介致します。

映画『三度目の殺人』作品紹介

原作について

是枝裕和が監督を務めた映画は、是枝裕和氏が書き下ろしたオリジナルのものが多く、映画『三度目の殺人』も是枝裕和監督が書き下ろしたオリジナルストーリーとなっています。

福山雅治さんを起用したことで、一見「容疑者Xの献身」に似たストーリー性が感じられますが、伏線が多く張り巡らされており、裏に隠されたストーリーには、殺人犯・三隅の異常性というか、望まない特殊な能力や、弁護士・重盛が三隅に同調していく様が描かれています。

全ての伏線の回答をはっきりとはさせず敢えてモヤモヤ感を残し、隠されたストーリーの捉え方を観客それぞれの感じ方に委ねているため、感想だけを見ると「面白かった」「難しかった」「訳が分からない」など意見が分かれている映画です。

映画『三度目の殺人』キャスト紹介

映画『3度目の殺人』のキャストをご紹介します。重盛・三隅・咲江の関係性に注目ください。

重盛朋章(しげもり ともあき)/福山雅治

とにかく勝ちにこだわる弁護士で、同僚の摂津が担当していた三隅の弁護を引き継ぎます。別居している妻との間に高校生の娘が一人おり、父親は三隅の最初の殺人事件を担当した裁判官です。

三隅高司(みすみ たかし)/役所広司

1度目の殺人で30年刑に服し、出所後2度目の殺人を犯してしまいます。務めている会社の社長をスパナで殴り、ガソリンを撒き火を付け殺害しました。逮捕後すぐに罪を認めているため、死刑がほぼ決まっています。

山中咲江(やまなか さきえ)/広瀬すず

三隅が殺害した社長の娘で、生まれつき足が悪く左足を引きずって歩いています。三隅とは仲が良く、よく三隅の自宅に訪れていました。父親から性的虐待を受けていました。

川島輝(かわしま てる)/満島真之介

重盛が務める弁護士事務所の新人弁護士で、三隅の事件では重盛のアシスタントをしています。

篠原一葵(しのはら いつき)/市川実日子

三隅の2度目の殺人事件を担当する検察官です。

服部亜紀子(はっとり あきこ)/松岡依都美

重盛の勤める弁護士事務所の事務員です。

重盛彰久(しげもり あきひさ)/橋爪功

重盛朋章の父親で元裁判官です。三隅の1度目の殺人事件の裁判を担当しており、そのとき死刑にしておけばと悔やんでいます。

山中美津江(やまなか みつえ)/斉藤由貴

三隅が殺害した社長の妻です。家庭のことを話すなと咲江に忠告しています。

摂津大輔(せっつ だいすけ)/吉田鋼太郎

重盛の同僚で、三隅の供述の不安定さに困り、途中で重盛に弁護を変わります。

映画『三度目の殺人』の主題歌

映画『三度目の殺人』のメインテーマ曲はルドヴィコ・エイナウディが担当しています。映画の雰囲気に合った静かで滑らかな曲で、ピアノの音がとても素敵です。

ルドヴィコ・エイナウディはトリノ出身の作曲家で、映画・ドラマ・CMなど、様々なジャンルの音楽を手掛けています。

この『三度目の殺人』では、日本アカデミー賞で優秀音楽賞を受賞しています。

映画『三度目の殺人』のあらすじ・ネタバレ

ここからは、映画『三度目の殺人』のネタバレを含む内容になっています。これから映画を視聴される方はご注意下さい。

三隅が起こした2度目の殺人

工場の社長を殺害した罪で従業員の三隅高司(役所広司)が逮捕され、弁護士の摂津大輔(吉田鋼太郎)が弁護を引き受けることとなります。しかし、供述に一貫性がなく、困った摂津は同僚の重盛朋章(福山雅治)に弁護を引き継ぎました。

殺人の罪で30年服役し出所してすぐ2度目の殺人を犯した三隅は、逮捕された直後に罪を認めためすでに起訴され死刑がほぼ確定していた状況でした。

重盛は無期懲役に減刑するため、三隅との接見を何度も繰り返しました。しかし、その都度供述が変わる三隅に翻弄されてしまいます。そのため、三隅の身辺を調べ始めました。

重盛は三隅と社長の娘・山中咲江(広瀬すず)が仲良くしていた事実を知り、咲江に話を聞きますが、このときは有力な話は聞き出せませんでした。

三隅と咲江の過去

三隅の1度目の殺人は地元で有名な借金取り2人を殺して火を付けたというものでした。地元の人々を食い物にしていた借金取りであったため、地元民たちは借金取りが死んで喜んでいる節もあり、裁判では30年の実刑が確定します。

その裁判は重盛の父親・重盛彰久(橋爪功)が担当しており、彰久はそのとき死刑にしておけばと悔やんでいました。

その後、三隅の口座に50万円の振り込みがあったことが判明、三隅は社長の妻・山中美津江(斉藤由貴)から殺害依頼を受けた証拠だと言い始めたため、裁判では強盗殺人を否定し、殺人は美津江から依頼されたと主張する流れで行くことになります。

そして裁判当日、三隅は重盛に言われた通り強盗殺人を否定し、美津江からの依頼だったと主張しましたが、美津江が証言台に立ち、それを完全に否定しました。

裁判の後、重盛の弁護士事務所に咲江が訪ねてきました。咲江は父親から性的虐待を受けていたことを告白し、殺してほしいと思っていたのが三隅に伝わったと話します。裁判で三隅を助けるために証言すると言った咲江に、重盛は検察官に根掘り葉掘り聞かれますが、その覚悟があるのかと意志を確認すると、咲江は覚悟を決めていました。

三隅と重盛が導いた3度目の殺人

重盛がそのことを三隅に伝えると、三隅は急に無実を訴え始めました。重盛は何を言い出すのかと困惑しましたが、三隅と話すうち、三隅の考えていることに同調し始めます。

重盛は無実を訴える三隅を信じると摂津に話しますが、摂津は絶対に負けると言って反対します。しかし重盛は2度目の裁判で無実を主張しました。裁判は混乱してしまい、休廷して弁護士・裁判官・検事らと話し合いをしましたが、このまま続行することに決まります。

結局、咲江が性的虐待を受けていたという証言はされないまま、その日の裁判は終了しました。

そして判決の日、三隅は死刑の判決を受けます。しかしそれは、重盛が望んでいた結果でした。

その後、重盛は三隅と面会し、咲江に辛い証言をさせないために無実だと言い出したのではないかと質問します。三隅は「それは良い話だ。でも、僕みたいな人殺しに期待してはいけません」と話しました。

映画『三度目の殺人』の感想

とても奥が深い物語で、表面上は2度の殺人を犯した殺人犯が、裁判の結果、死刑になるというものですが、『三度目の殺人』というタイトルと張り巡らされた伏線をたどると、その裏に隠された優しさや、他人の心と同調してしまう特殊な感情移入のような能力があるために苦悩する様子などが垣間見えます。

タイトルの『三度目の殺人』は、三隅自身の死(死刑判決)のことなのですが、裁判で死刑が確定するように三隅自身が仕向け、重盛がそれを手助けするという展開で、そこに辿り着くまでの様々な人間模様や、心の揺れ動く様がリアルに表現されていました。

最後に三隅が話した「それは良い話だ。でも、僕みたいな人殺しに期待してはいけません」という言葉がなんとも切なくて、胸が締め付けられる思いがしました。

1度だけでなく、2度3度見るうちに、また違った感情や感想が持てる不思議な映画です。

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