中国北京で発生した「肺ペスト」とは?黒死病と言われ感染力が強く死に至る危険性が話題に

中国で「肺ペスト」という病気に感染した患者が出たというニュースが話題になっています。

ペスト(黒死病)は、現代日本で暮らす私たちの身の回りでは、まず耳にすることがない病気です。

しかし、病気自体は非常に恐ろしい病気で、万が一観戦してしまうと、死に至ることもあります。

ペストは天然痘とは違い、WHOの撲滅宣言が出されていないため、依然人間にとって脅威となる病気です。

中国で発生した「肺ペスト」のニュースについてや、世界・日本でペストが流行した過去事例についてまとめました。

中国内モンゴル自治区で肺ペストの感染患者確認、北京の病院に収容

11月12日、中国の内モンゴル自治区で2名の肺ペスト感染患者が確認されました。

北京市内の病院に収容され治療を受け、感染拡大予防のための措置などがとられています。

中国では、2014年にも肺ペストの患者が報告され、この患者は残念ながら亡くなってしまいました。

肺ペストは感染症であるため、今後病院搬送された住民と接触した方についても、隔離や検査をする必要があります。

感染が広がらないうちに、しっかりシャットアウトされることを願いたいですね。

肺ペストはペストの中でも症状進行が早く死に至る危険な類型、飛沫感染の可能性もあり

今回中国内モンゴル自治区で確認された「肺ペスト」は、ペストの中でも、特に死亡率の高い症例になります。

呼吸困難や肺炎などにより、発症から数日で死亡してしまうこともあり、早急に治療をしなければなりません。

また、肺ペスト感染患者の咳やくしゃみから、周りの方が飛沫感染してしまうおそれもあります。

歴史的にペストは流行期に多数の死者、現代は抗生物質により死者はほとんどなし

ペストは、歴史に影響を与えるほどかつて猛威を振るってきた病気です。

患者の皮膚が黒くなり、医療が進んでいなかった時代は死亡率が極めて高かったため、「黒死病」として恐れられてきました。

中世の中国やヨーロッパでは、人口の何割が死亡といった大流行を見せたこともあります。

ペストの流行が原因でユダヤ人の迫害・魔女狩りなどが行われたこともあり、当時の医療水準では治療が難しい、恐ろしい病気でした。

日本も明治以降、外国人と接触する機会ができ、ペストの感染患者が報告されたことがあります。

しかし、現代ではペストの治療に効果を発揮する抗生物質ができています。

早期のうちに抗生物質による治療を開始することができれば、死亡してしまうことはほとんどありません。

日本では100年近くペスト感染者の報告がなく、世界的にも中世・近世と比べ患者数は激減しています。

発展途上国ではいまだ脅威

衛生環境・医療体制が整ったため、現代先進国ではペストの大流行は考えにくい状況です。

しかし、1994年にはインドで流行した事例もあるように、発展途上国ではま現代でもペストが流行する可能性はゼロではありません。

ペストの多くは、ペスト菌を持つネズミ(げっ歯類)の血を吸ったノミが人間の血を吸うことから感染します。

ネズミがたくさん出るような不衛生な環境ほど、ペストに感染するリスクは高くなるということですね。

ペストはまだワクチンが存在しないため、ネズミやノミを駆除する・患者が出た際は速やかに隔離するといった方法でしか、有効な予防策をとることができません。

歴史の教科書で見るような病気「ペスト」が現代のニュースで登場し話題に、日本での発生を懸念する声も

現代ではほとんど聞かない、ペストという病気が2019年にニュースで登場したことに、恐ろしさを覚える方も少なくありません。

ペストは貧困・不衛生な環境ほど起こりやすいもので、海外から日本に渡航する外国人が多く、貧困層が増えた日本でも、ペストの発生は起こりうる話と危惧する方もいます。

肺ペストとなれば死亡例も多く、飛沫感染する可能性もあるというのは、確かに恐ろしいですね。

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