パリ・ノートルダム大聖堂が火災で尖塔が崩れ落ちる甚大な被害・バラ窓は無事か?

フランス・パリの世界遺産として知られる「ノートルダム大聖堂」にて、現地時間4月15日の夕方6時30分ごろ、火災が起きたと発表がありました。

火は激しく燃え上がり、「ノートルダム大聖堂」の尖塔が崩れ落ちるところも確認され、世界にショックを与えています。

「ノートルダム大聖堂」は、日本でも非常によく知られた存在。有名な観光スポットとして愛されており、現地を訪れて美しさに感動した人も少なくありません。ノートルダム大聖堂の被害や、その歴史について紹介します。

ノートルダム大聖堂が火災…世界に大きな衝撃

現地時間4月15日夕方6時30分ごろ、フランス・パリにあるノートルダム大聖堂で火災が起きたという報道がありました。

世界的に有名な建造物であるノートルダム大聖堂。SNSにアップされている動画では、建物の上の方から炎が吹き上がっている様子、さらに大量の煙が立ち上る様子が確認できます。

日本でも良く知られた建造物であることから、NHKでも現地の様子をライブ配信し、国民にリアルタイムの情報を届けています。

現地の方のツイートによれば、フランスの国民が大聖堂の周辺に集まり、この悲劇に涙を流しているとのこと。フランスの象徴とも言える建物に起きた悲しい出来事に、多くの国民が心を傷めています。

火災が起きてしばらくしたあと、それまでずっとこらえるように立っていた尖塔が、折れて崩れ落ちました。この瞬間を見ていた人々は、涙まじりに声を挙げ、悲しみを伝えています。

どんな言葉より、文章より、この悲しみとやるせなさを伝える映像はありません…。

ノートルダム大聖堂は改修工事中だったということですが、その工事と火事の関連性はまだ明らかになっていません。被害情報もまだ確認できておらず、今後に報道で伝えられることを待つしかありません。

ノートルダム大聖堂は、フランス・パリの美しい建築様式を伝える建物であると同時に、フランス国民にとって当たり前にある馴染みの深い建物でもありました。

昨日まで当たり前に存在したものが、ずっとフランス国民を見守り続けていたノートルダム大聖堂が、このような悲劇に見舞われた辛さは、どんな言葉を並べても表現することはできません。

一刻も早く鎮火されること、そしてフランス国民の心が慰められることを祈ります。

まだ詳細が出ていない状態ですので、詳しいことが解り次第追記をしていきます。今日はフランスのために祈りを捧げたい、世界の人々が同じ気持ちでしょう。

追記:改修工事が火災の原因になった可能性が浮上したと報道

朝日新聞の報道によれば、「ノートルダム大聖堂」で行われていた改修工事が、今回の火災に影響した可能性があるとのことです。

ただし、まだ詳細なニュースが入ってきていません。詳しいことが解り次第、さらに追記をしていきます。

追記:改修に使用されていた足場付近から出火か?

4月16日に朝日新聞が、「改修工事のために組まれた足場付近から、出火した可能性がある」と報じました。

フランスのゴシック建築を代表する建物「ノートルダム大聖堂」の素晴らしさ

日本でも大変に良く知られた「ノートルダム大聖堂」。すでに説明の必要もないくらい良く知られていますが、これまでの歴史を振り返る意味で「ノートルダム聖堂とはどんな建物なのか」を記述していきます。

ゴシック建築の最高傑作・ノートルダム大聖堂

フランス・パリのセーヌ川沿いに、シテ島という島があります。そのシテ島にある、フランスを代表する美しい聖堂が「ノートルダム大聖堂」です。

12世紀ごろのフランスでは、「ゴシック建築」という建築様式が流行していました。ゴシック建築は主に大聖堂に使用され、天に向かって伸びるような力強い形や、繊細で豪奢な美しさが特徴。現在でも、このゴシック建築の美しさに魅了される人は少なくありません。

ノートルダム大聖堂は1163年に建設が始まり、そこから200年をかけて完成した歴史ある大聖堂です。どこから見てもどこから入っても美しく、当時のフランスの美と技術のすべてが詰め込まれた建物と言っても過言ではありません。

完成から700年あまり、フランスを見守ってきた「ノートルダム大聖堂」。まさにフランスの歴史を伝える建物であり、国民の宝物でもある建物なのです。

「ノートルダム」とは聖母マリアのこと

「ノートルダム」とは、フランスの言葉で「我らの貴婦人」という意味。つまり、聖母マリアのことを指します。

つまり、聖母マリアに捧げて作られた大聖堂のこと。建物全体が白いことから、「白い貴婦人と呼ばれることもあるとか。

この「白の石を基調とした建物であること」も、ノートルダム大聖堂の美しさの理由です。

 
 
 
 
 
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On to Amiens, just north of Beauvais, and we start with a detail of the Last Judgment tympanum: look at the damned (under Jesus’s left hand, his “sinister” side) being pushed by a demon into the gaping hell-mouth at right. Underneath, angels blow the trumpets that wake the dead (seen emerging from coffins and sarcophagi) for the Day of Doom. You can also see St. Michael in the lower left with scales in his hands, weighing the souls. Then I zoom out ever more to give a sense of the interplay between part and whole, before zooming back in on the western rose window. #gothiccathedral #amiens #gothicarchitecture #lastjudgement #hellmouth #rosewindow #medievalnerdiness

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ノートルダム大聖堂にはパリの「ポワン・ゼロ」がある

フランスにとって、ノートルダム大聖堂がどんなに特別な場所か。それがわかるものの一つが、この大聖堂の前にある「ポワン・ゼロ」の存在です。

「ポワン・ゼロ」とは、パリからほかの地域がどのくらいの距離になるか?を示すときに使用される場所。つまり、パリからどこかへの距離を表示するときは、このポワン・ゼロからの距離になるということですね。

このことからもわかるように、ノートルダム大聖堂は歴史的にも存在的にも、パリの中心地ということになります。

ナポレオンの戴冠式が行われた「ノートルダム大聖堂」

ノートルダム大聖堂は、フランスの英雄ナポレオンの戴冠式があったことでも知られる場所。

今から200年前の1804年12月2日、ナポレオンはまさに「ノートルダム大聖堂」で戴冠式に臨んだのです。ナポレオンといえば、『ナポレオン一世の戴冠式と皇妃ジョゼフィーヌの戴冠』の絵画はあまりにも有名。

ナポレオンは、この場で自分で王冠を被ったとも言われています。本来、戴冠を行う予定だった教皇が後ろにいます。このような歴史的な出来事があったことから見ても、ノートルダム大聖堂は特別な場所であることがわかるでしょう。

第二次世界大戦の戦火から守られたステンドグラス

「ノートルダム大聖堂」といえば、この美しいステンドグラスを思い出す人も多いはず。

特に、バラ窓のステンドグラスは非常に有名ですね。

今の人が当たり前に文字が読めて、物語を理解できるのとは違い、昔の人は字が読めない人も多かったといいます。そういう人たちは、絵画やステンドグラスを見て聖書の内容を理解したとか。

このノートルダム大聖堂のステンドグラスも、人々に芸術の美しさと技術の高さを伝えるだけでなく、人々に聖書の伝える役割を果たしていたのでしょう。

フランスで戦争があったときは、戦火からこの美しいステンドグラスを守るために取り外され、別の場所で守られていたほど大切なものです。

日本時間の4月16日16時現在、ステンドグラスの状態についていくつかの情報や画像が上がっているものの、フランスは公式な被害状況を明らかにしていません。長くこの大聖堂を守ってきた人々に敬意を払い、正確な情報が出てから記述します。

ノートルダム大聖堂火災の被害状況についてのまとめ

日本時間4月16日午後になり、少しずつノートル大聖堂の被害状況がわかってきました。

報道で発表されている被害状況について、順次まとめていきます。

※メディアに上がった情報を記載します。また、情報についてソースも併せて記載いたします。

「キリストの釘」をはじめ文化財のほとんどが無事と報道!

4月16日に朝日新聞が報じたところによれば、「ノートルダム大聖堂」に保管されていた文化財のほとんどが無事であるとのこと。

朝日新聞の記事より、引用させていただきます。

内部には、磔刑(たっけい)前のキリストがかぶっていたと信じられている冠や、はりつけに使われた釘などの聖遺物も保存されている。

おそらく、この聖遺物が無事ということですね。

この記事に記述されていることではありませんが、この火災が起きた時に「関係者が、運び出せるものはすべて持ち出したという報道がありました。火災の中で、懸命にフランスの宝を守ろうとした人々がいたことを、忘れてはいけませんね。

参考サイト:https://www.asahi.com/articles/ASM4J41BPM4JUHBI01J.html

「いばらの冠」「聖ルイのチュニック」は運び出されたとのこと

「ハフポスト」によれば、ノートルダム大聖堂で保管されていた「いばらの冠」「聖ルイのチュニック」は持ち出され、無事が確認されたとのことです。

「いばらの冠」は、十字架を背負って歩いたキリストが被っていたといわれるもので、カトリック教会にとって重要な聖遺物のひとつ。「いばらの冠」はいくつかの媒体が「無事」と報道していますので、無事で間違いないのでしょう。

また、ルイ9世が使用していたチュニックも運び出され、燃えずに済んだと報道されました。

参考サイト:https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5cb55228e4b0ffefe3b5c354

「いばらの冠」を救い出したのは消防士であることも判明

朝日新聞は4月16日、「いばらの冠」を救い出したのは消防士であると報道しました。

「ノートルダム大聖堂」の消火活動には400人の消防士が動員され、消火活動と同時に文化財の救出も行っていたと思われます。そのおかげで、カトリック教会の宝である「いばらの冠」は無事だったのでしょう。

参考サイト:https://mainichi.jp/articles/20190416/k00/00m/030/048000c

ノートルダム大聖堂・一部の「バラ窓」が無事か?

ノートルダム大聖堂の象徴と言ってもいいステンドグラス・「バラ窓」が、一部無事に残っていると思われる報道がありました。

翻訳にかけてみると、「ロゼットの窓はそのまま」と出ます。バラ窓は3か所にあり、そのうちの一部が無事である可能性が高い、ということですね。

また、海外では火災のあとのノートルダム大聖堂に、バラ窓が残っているらしき画像が。

被害状況が分かり次第、記述します。どうやらすべてのバラ窓が失われたわけではないのは、信じていいようですね!

ノートルダム大聖堂の「パイプオルガン」も無事と報道!

日本時間の4月16日17時ごろ、ノートルダム大聖堂にあるパイプオルガンも無事という報道がありました!

パイプオルガンの上にステンドグラスのバラ窓があるため、パイプオルガンが無事であればバラ窓もやはり無事な可能性が高いです。どの程度の状態で残っているのは定かではありませんが、燃え尽きてしまわなかったということは朗報です。

マクロン大統領は「ノートルダム大聖堂の再建」を宣言

「ノートルダム大聖堂火災」の報道に、フランス国民だけでなく世界の人々が肩を落とす中、マクロン大統領は「ノートルダム大聖堂の再建」を宣言しました。

マクロン大統領によれば、消防士の懸命な消火活動により、最悪の事態は免れたとのこと。「ノートルダム大聖堂」の2つの塔、そして正面部分は火を逃れたことを指しているようです。

また損失した場所については、最高の技術者を集めて再建をするとのこと。そのための寄付も募るそうで、すでにフランスの富豪が名乗りをあげています。

フランス大使館も声明を発表しました

ノートルダム大聖堂の火災報道を受け、フランス大使館も声明を発表しました。

フランス大使館は「あまりの悲劇に心が砕かれる思いだ」と語りつつ、日本国民に「この悲しみを乗り越えられるよう、力を貸してください」とツイートしています。

さらにマクロン大統領が「世界に寄付を募る」と発言したことも伝えました。

フランス大使館の一連のツイートに、多くの日本人がRTと「いいね」を送り、励ましの声を送っています。日本人からも愛されてきた「ノートルダム大聖堂」、再建に向けて日本人が協力できることを模索したいものです。

ノートルダム大聖堂の文化物を守った人々に敬意を

「ノートルダム大聖堂」火災の報道は世界を駆け抜け、現地の様子を見た多くの人々が心を傷め、涙を流しました。

燃え行くノートルダム大聖堂をみた人々が、「アヴェ・マリア」を歌う姿には、多くの人が悲しみの気持ちを共にしたでしょう。

しかし一方で、「悲劇の中で守られたものがある」ということに、目を向けたいのです。

ノートルダム大聖堂の火災は、建物を燃やし歴史的な建築物を奪い去りました。しかしその中でも、「ひとつでも多くの文化財を守る」と奮闘し、救い上げた人々がいたことを忘れません。

危険を顧みず、フランスの文化財を守り抜こうとした人がいたこと、これこそがフランスのもうひとつの宝ではないでしょうか。このような勇気ある行動をした人たちに感謝すること、敬意を払うこと、その気持ちを忘れずにいたいものです。

ノートルダム大聖堂は必ず再建します

京都にある金閣寺こと「鹿苑寺」も、放火による火災で焼失したことがあります。

鹿苑寺の消失は、当時の日本の人々に大きな衝撃と悲しみを与えたといいますが、日本人は5年をかけて金閣寺を再建しました。その金閣寺は、現在も日本の宝として京都に存在し、人々の心を慰めています。

どんなに大切にしていても、それが物である以上「壊れる日」が来ることはどうしようもないこと。しかし人間は、そこから立ち上がって再建する力を持っている生き物です。

金閣寺とノートルダム大聖堂では、歴史も規模も異なります。ノートルダム大聖堂の修復には、数十年単位の時間がかかるとも報道されているようです。

が、フランスの人々は必ずやノートルダム大聖堂を再建させるでしょう。そして再建された大聖堂は、数百年・数千年先のフランス人の隣に、当たり前に存在することでしょう。

ノートルダム大聖堂の火災から、一枚のイラストが多くRTされています。

 
 
 
 
 
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❤️😔#notredamedeparis

Cristina Gelichiさん(@cristinagelichi)がシェアした投稿 –

これは、ディズニー映画にもなった「ノートルダムの鐘」の主人公・カジモドが大聖堂を抱きしめ、悲しんでいる様子のイラストです。いつの日か大聖堂が再建されたとき、カジモドが笑顔で大聖堂を抱きしめるイラストが描かれること信じましょう。

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