藤原竜也や高橋一生が怪演!映画『億男』見どころは?原作読まずに観た感想を紹介

2019年10月25日に金曜ロードショーで放送される映画『億男』。

人気俳優の藤原竜也や高橋一生が出演し、原作は2015年に累計65万部の大ヒットとなった小説で、お金を題材にした作品です。

公開当時から話題となっていた映画『億男』、中でも藤原竜也さん、高橋一生さんは、主演の佐藤健さんが「怪演しすぎ!」と舞台挨拶で苦笑いした、というほどの怪演を見せました。

そんな映画『億男』で怪演として話題となった藤原竜也や高橋一生の役柄や、原作を読まずに観た感想を紹介します。

『億男』とは?

『億男』は映画プロデューサー兼小説家である川村元気さん著の、お金をテーマにした長編小説です。

雑誌『BRUTUS』で連載後、2014年10月に刊行され、その翌年2015年に第15回本屋大賞で10位に入賞。

2018年には65万部を突破したベストセラー小説です。

  • 監督:大友啓史
  • 脚本:渡部辰城・大友啓史
  • 主演キャスト:佐藤健、高橋一生、黒木華、池田エライザ、沢尻エリカ、藤原竜也、北村一輝

映画『億男』あらすじ

主人公・一男(かずお・佐藤健)は兄が残した3000万円の借金を返済するため、昼は司書として働き、夜はパン工場で働くという生活を続けていました。

そんなある日、一男は宝くじで3億円を当て、有頂天になる一男でしたが、ネットで見かける高額当選者の末路は悲惨なものばかり。

不安になった一男は、大学時代の友人であり、起業して億万長者になった九十九(つくも・高橋一生)にアドバイスを求めることを決め会いに行きます。

九十九プロデュースのパーティーで豪遊し、酔い潰れた一男が翌朝目を覚ますと、九十九は三億円と共に消えていました。

一男は三億円を取り戻すため、九十九のかつての仲間たちに会いに行き、その交流の過程で、お金とは何かを考えていくことになります。

藤原竜也・高橋一生が「怪演」と評される理由

怪しいセミナーの教祖役・藤原竜也

主演・佐藤健さんが「お金を払ってショーを見ているようだった」とコメントするほどの怪演を見せた藤原竜也さん。

その役どころは、一男が2人目に尋ねた九十九のかつての仲間、千住です。

この直前に、かつての九十九の仲間の1人目として登場した、北村一輝さん演じる百瀬も相当にクセの強いキャラクターなのですが、この千住はその百瀬が霞みかけるほどのインパクトの強いキャラクター。

なにしろ「ミリオネアニューワールド」という名の、新興宗教すれすれなセミナーの教祖、という役なのです。

映画の中で、周囲を客席に囲まれた舞台上からスポットライトを浴びて、「一万円札を破れ」「お金を捨ててお金から自由になれ」とセミナー参加者を声高に煽るその姿は、惚れ惚れするほどの迫力。

藤原竜也さん渾身の演技がそこにあります。納得の「怪演」です。

謎多き親友役・高橋一生

佐藤健さんが「自分だったらどう演じていいか分からないほど難しい役」と評した九十九という人物を、ひょうひょうと演じきってしまったのが高橋一生さん。

九十九は酔った時以外は普通に話せないほどの、どもり癖があり、どこかオドオドした印象すらある人物ですが、その九十九がなぜ、3億円と一緒に失踪したのか、という問いの答えは最後の最後まで明かされません。

観客は一男の回想シーンで登場する九十九という人物を見ながら、自分なりにその理由を探ることになります。

そしてたどり着くラストシーンで明かされる理由と、その時判明する九十九という人間の本質、奥深さ、芯は素晴らしいの一言。

この人物に見事に血肉を与えた高橋一生さんの存在なくして、映画『億男』は成立しません。

おそろしく複雑かつ繊細な、異色のキャラクターを見事に演じきった、高橋一生さん。見事な「怪演」でした。

「怪演」の理由はお金と関わった結果

ざっくりと映画『億男』のあらすじ、藤原竜也さん、高橋一生さんの役どころを解説しましたが、ここで注目するべきは、千住も九十九も「お金とどう関わるのか」を考えた末に怪演を呼ぶキャラクターとなったということ。

映画『億男』の本質は、お金とお金に関わる人たちが織りなす、上質なヒューマンドラマです。

各登場人物が、それぞれ、お金とどう関わっている、どう関わっていくのかも本作の見どころのひとつ。

この他の登場人物が“お金”とどう関わることを選択したのか、主人公一男が、お金とどう関わっていくのかにも注目すると、より映画が楽しめますよ。

原作を読まずに映画『億男』観た感想

お金とお金にかかわる人が織りなす、上質なヒューマンドラマ

120分を観終わって、エンドロールが消えたとき、思わず拍手を贈ってしまったほどに上質なヒューマンドラマでした。

タイトルの『億男』の通り、主人公は宝くじで手にした3億円をきっかけに、消えた九十九を追いながら、俗に億万長者にカテゴライズされるであろう人々と次々に交流していくことになります。

この交流を通して、奇しくも一男は当初の目的、お金とは何か、どう使ったらいいのかを、学び考えさせられることになるのですが、この過程が素晴らしい。

金が絡むと人間は変わる、とはよく聞く言葉ですが、お金が人をどう変えるのか、また、人がお金とどう関わるのかが、実に個性豊かにきちんと描かれていて、とても濃厚なヒューマンドラマを味わうことができます。

また、そうした人々との交流の果てにたどり着くラストシーンも、収まってほしいところにすとんと収まる感じがあって、大変気持ちがいいです。

人をきちんと描いた映画が見たい方に、おすすめの映画と言えるでしょう。

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冒頭の説明不足が気になる

事前情報を全く仕入れずに、原作未読の状態で映画『億男』の鑑賞をしましたが、早々に面食らったのは冒頭でした。

中東らしい街並みが地下鉄の構内らしい場所に切り替わっていき、どうやら中東のどこかと都内がメインの舞台らしいと、ぼんやり思った次の瞬間、何のパーティーなのかもわからないパーティー会場が唐突に現れて、10分から15分ほどひたすらパーティーの客たちが豪遊するシーンが続きます。

結局、主人公の状況説明が始まるのは冒頭から30分ほど、映画が進んだタイミングでのことでした。

そこからは展開が進み、話も面白くなっていくのですが、これ、原作通りの展開なのでしょうか。

原作通りならば、冒頭の弱さは原作の責任ですので、映画に罪はありませんが、もし脚本上の都合で、この冒頭に変更となったならば、初見の観客に優しくない、説明不足との批判は免れないでしょう。

これはいったい何の映画なのだとひたすら困惑し、これ本当に面白いんだろうか、とすら思う冒頭でした。

その後の展開はとても丁寧かつ丹念なだけに、余計に冒頭の説明不足が気になりました。

映画『億男』の見どころは?

九十九の仲間たちが個性的すぎる

九十九を追う過程で、一男はかつての九十九を知る3人と交流することになるのですが、この3人が三者三様に個性が強く、見ていて全く退屈しません。

特に千住役の藤原竜也さん、素晴らしい怪演で惚れ惚れしてしまいました。

落語がわかる人は更に楽しめる

古典落語の演目の一つ、『芝浜』が、お金と並んで作中の重要なモチーフとして何度も登場します。

この『芝浜』は、大酒呑みの魚売りが、ある日大金の詰まった財布を拾い、有頂天になって仲間たちと大酒を飲んだはいいものの、その財布がなぜか無くなってしまう、という出だしから始まる人情噺。

恐らく川村元気さんは、この『芝浜』から本作の着想を得たのではないでしょうか。

この『芝浜』を知っている人は、さらに本作が楽しめること間違いなしです。

最後にすべてを持っていく九十九

冒頭で三億円と一緒に失踪する、という衝撃的な出だしから始まり、主人公の回想シーンに登場する以外は全くスクリーンに現れない九十九。

一男が九十九を追う過程は、観客が九十九という人間を知る過程でもあります。

ネタバレになりますので詳しくはお伝えできませんが、ある程度観客が九十九の人となりを掴んだ後に訪れる、ラストシーンは必見です。

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まとめ

可能な限りネタバレを避けて、映画『億男』の紹介をさせていただきましたが、本記事をきっかけに映画『億男』への興味が湧いたなら幸いです。

上質なヒューマンドラマをぜひお楽しみください。

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