西尾正道院長が原発処理水海洋放出に警鐘を鳴らす「ICRPは内部被曝を全く考慮しない、インチキだ」との発言が話題に

東日本大震災で事故のあった福島第一原発に関しては、今でも多くの問題が残っています。

その1つが放射性物質を含んだ水を処理した「処理水」の貯蔵問題です。ALPSという特殊設備で処理をしていますが、完全に綺麗な水にできるというわけではありません。

この処理水を貯蔵するタンクの容量がいっぱいになりそうであるため、処理の方法について、現在環境省や専門家が検討を進めています。

その案の1つが、処理水を海に放出し、希釈するという海洋放出。この案について、がんセンター院長の西尾正道氏が強い口調で反対意見を述べました。

西尾氏の原発処理水海洋放出に関する反対コメントや、海洋放出をめぐる専門家の声についてまとめています。

北海道がんセンター名誉院長・西尾正道がモーニングショーで原発処理水の海洋放出に反対の声

テレビ朝日系「モーニングショー」、9月25日放送では、福島第一原発の原発処理水を海に流す海洋放出について取り上げられました。

この中で、原発処理水の海洋放出に強い論調で反対し、話題となっているのが西尾正道氏。北海道がんセンターの名誉院長を務めている人物です。

西尾氏は、処理水に含まれるトリチウムが人体に与える影響について警鐘を鳴らしています。

処理水は放射性物質を取り除く処理を終えた水ではありますが、トリチウムは特殊設備を用いても除去することができません。

このトリチウムを含む処理水をどうするかが問題になり、海洋放出がその方法の1つとして検討されていますが、西尾氏は海洋放出に反対の立場から意見を述べました。

西尾正道が内部皮膜、内部被曝を考慮しないICRPを「インチキ」と批難

北海道がんセンター・西尾正道氏が処理水の海洋放出に反対する大きな理由が、トリチウムの内部被曝の影響です。

トリチウムは人体の遺伝子構造を破壊する影響があり、体内でたんぱく質や糖と結びつき、年単位で体内に残留するリスクも指摘しました。

一方、政府が海洋放出を検討している根拠の1つが、ICRP(国際放射線防護委員会)の基準です。

しかし、西尾氏は内部被爆を考慮しないICRPの基準に疑義を唱え、「インチキ」だとコメントしました。

原発処理水の海洋放出、専門家でも賛否の意見が分かれる

モーニングショーで反対意見を述べた西尾正道氏のように、原発処理水の海洋放出に反対意見を述べる専門家は少なくありません。

一方、海洋放出に賛成の立場を示している方もいます。賛成派の立場としては、

  • トリチウムは自然界にも存在する物質である
  • 濃度が基準値を下回るように希釈、海洋放出すれ場大きな影響は出ないと考えられる

といった声があります。

もちろん、一般の方でも賛成・反対の声は多方面から上がっています。

処理水を流す可能性がある海洋沿岸にお住まいの方にとっては、特に不安が大きく、反対意見が出るのも理解できますね。

小泉環境相はまだ立場を明言せず

新しく環境大臣に就任した小泉進次郎氏は、まだこの原発処理水の海洋放出について、具体的な施策や意見を提示していません。

前環境大臣、原田義昭氏は、就任中、海に放出して希釈するしかないという発言をし、物議を醸しました。

大阪府・吉村知事や大阪市の松井市長は、処理水を大阪湾で受け入れる可能性について、科学的な根拠が示されれば、協力していくべきというコメントを出しています。

今後、小泉進次郎氏や安倍総理といった責任ある立場の方が、この問題にどのような発言をするのかは注目ですね。

原発処理水の処分法、残された時間は少ない

有力手段の1つと考えられる海洋放出でも、賛否両論の激しい論絶が交わされているほど、原発処理水の問題は難しいものです。

しかし、処理水を貯蔵するタンクの容量もあり、処分法について決定すべきタイムリミットは迫ってきています。

放射性物質の人体影響について100%が解明されていない状況で、最善の選択肢をとることはできるのでしょうか。

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