映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』のラスト結末は原作と違う?ネタバレあらすじや感想

映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』は、『ヘルタースケルター』や『さくらん』などで知られる蜷川実花監督が構想に7年を費やした作品です。

人間失格と言えば、太宰治の遺書的作品とも言われるセンセーショナルな作品であり、発表後、何度も再販や映画化が繰り返されてきた作品でもあります。

蜷川実花監督の元、今回太宰治を演じるのは15キロの減量により堕落感と色気をまとった小栗旬。

太宰の人生に深く関わることになる3人の女性を宮沢りえ、沢尻エリカ、二階堂ふみの豪華女優陣が彩り、太宰ファンならずとも見逃せない作品です。

映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』のあらすじ

本作は人間失格そのものではなく、人間失格を書くにあたった太宰治の人生を3人の女を中心に進む史実を元にしたフィクションです。

冒頭、太宰は妻ではない女との心中から生き延びたシーンで始まります。

酒と薬と女、数々の作品を世に出しながらも太宰は堕落し自由奔放に生きていました。

静子との交際

太宰(小栗旬)は妻と子がいながら、ある女と交際していました。

彼女の名前は静子(沢尻エリカ)。作家志望で太宰との子を望むようになり、静子の日記を太宰に見せるという交換条件で子を産む夢を叶えました。

静子の日記からヒントを得て書き下ろした作品『斜陽』は異例の大ヒットとなり、太宰は作家としての地位を格段にあげていきました。

冨栄の愛情

しかし太宰は本当の自分の作品をかけず、ますます酒に溺れるようになっていきます。

太宰の女関係の1人に富栄(二階堂ふみ)という女がいました。

太宰に壁を作っていた富栄でしたが、太宰からのアプローチにより深く深く太宰との恋愛に溺れるようになり、その執着は次第に恐ろしいほどに増していきました。

妻、美和子との生活

その頃、妻・美和子(宮沢りえ)の元には『斜陽』による多額の税金が催促がされるようになっていました。

旦那である太宰の才能を信じ続け、不倫にも耐え続け3人の子を育てていた美和子でしたが、ある日家を留守にしている間に知らない女(富栄)が留守の間に家に上がり掃除をし娘と話をしたことを知ります。

美和子は耐え続けてきた心が壊れそうになるのを必死の思いで保ち、子ども達を強く抱きしめす。

映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』ラスト結末

太宰は肺結核を患うようになり、死を間近に感じるようになっていました。

雪が降りしきる中、太宰は血を吐きながら全てを壊すと誓うのです。

真っ白な雪の積もる道の真ん中で、真っ赤な血を吐きながら太宰はその場に仰向けに倒れます。

倒れている太宰を、冨栄が見つけ出し支えます。そして、最後の作品を書き上げ、自分と一緒に死のうと太宰に言います。

太宰は最後の力で作品を書き上げると決意し、血を吐きながらも言葉を生み続けました。

太宰の私生活を軽蔑しながらも、その才能を認め崇拝し続けた若手編集者佐倉潤一(成田凌)も、太宰に協力し作品は完成します。

そして、出来上がったのがあの『人間失格』なのです。

妻と子を犠牲にし、何もかもを壊して『人間失格』を書き上げた太宰治は、間も無く富栄と命を終えることになります。

太宰が『人間失格』を書くと決めたときから、富栄は書きあがったら一緒に死んでほしいという約束をしていました。

太宰と一緒に死ねる時を心待ちにしていた富栄は、暗い夜の川辺で太宰と自分を一本の紐でくくりつけ、ついに自殺を図ろうとします。

しかし、直前になり死ぬことに怯えた太宰は、富栄を説き伏せようとしましたが、冨栄の決心を変えることはできず、2人は入水し深い水の中に落ちていくのです。

その後、美和子の元に1通の手紙が届きます。

それは太宰からのものであり、そこには「お前を誰よりも愛していた」と記されていました。

世間が太宰治の死を知り大ニュースとなる中、美和子の元にもマスコミが押しかけます。

しかし、美和子は普段通り洗濯物を干し、子供たちの面倒をみるのです。

映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』の感想

蜷川実花監督特有の色使いが戦後のレトロな街並みや、女性陣の衣装にふんだんに施されていて、映像として見るだけでも楽しめる映画でした!

特に沢尻エリカ演じる静子のシーンでは梅の花が画面いっぱいを占めており、静子のお花畑のような脳内そのもののようでした。

3人の女性はそれぞれに激しく美しく、特に二階堂ふみ演じる冨栄は可愛らしく大人しい性格かと思いきや、内に秘めた狂気じみた執念にわずかでも共感する女性も多いのではないかと感じました。

また宮沢りえ演じる美和子が子供をぎゅっと抱きしめ、太宰の不倫に耐え忍ぶ姿には胸を締め付けられる思いになり、一瞬にして宮沢りえのファンになってしまいました。

太宰治ってほんとにクズ、なぜ妻のことをもっと大事にしないのだろうか?と心から感じましたが、あの溢れ出る色気と自堕落な雰囲気は、女性を虜にしてしまうのだろうなと思いました。

小栗旬のやせ細った体に着物姿、くるくると長く伸びた髪型は最高にセクシーです。

太宰治のエネルギーを吸い取るように、自分を貫き生きていく女性はとても美しく見応えのあるものでした。

映画館でもう一度あの映像美と美しい女性陣を見たいと思う作品でした。