高齢者の高速道路逆走、アクセルとブレーキの踏み間違いといった交通事故が、社会問題となっています。中には悲惨な死亡事故もあり、今後解決すべき大きな課題なのは間違いありません。
事故を起こす可能性があっても、買い物や病院などに行く足としてが、なかなか免許ができない高齢者もいるということが、広く認識されるようになりました。
そんな中、注目されているツールの1つが「シニアカー」です。今後、街で目にする機会が増えることも予想されます。
この記事では、そのシニアカーの特徴や法律上の取り扱いについて、またシニアカーでも起こりうる高齢者の交通事故についてまとめました。
目次
シニアカーとは?免許は必要?それとも不要?

シニアカーはその見た目から、スクーターのような「車両」と誤解されがちです。
しかし法律上、シニアカーは「原動機を用いる身体障害者用の車いす」(道路交通法)となっています。歩行者や車いすと同じく、歩道を歩くことができます。
車いすに乗るのに免許がいらないのと同様、シニアカーの運転にも免許は必要ありません。
速度も最高で6km/hまでしか出ないよう規制されていてます。その他、大きさや形状についても、安全面から様々な決まりが設けられている乗り物です。
シニアカーとセニアカーの違いとは?シルバーカーと誤解されることも

似たような名前の乗り物に、「セニアカー」というものがあります。これはスズキの商標登録で、シニアカーのうちスズキが販売している製品が「セニアカー」ということになりますね。
自動車メーカーでは、スズキ以外にホンダもシニアカーを販売しています。
この他にも多くのメーカーがシニアカーを製造していて、検索してみるとシニアカーにもいろいろな個性のものがあることがわかりますよ。
シルバーカーはタイヤつきの手押し車

もう1つ、シニアカーと似たような名称のものが「シルバーカー」です。こちらは、乗るタイプのものではなく、手押し車のことを指しています。
おばあちゃんがよく、買い物袋を入れて押しているタイヤつきのカートがシルバーカーに該当します。「歩行車」「老人車」とも呼ばれ、荷物の運搬がメイン目的となっています。歩行を支えるための「歩行器」とはまた異なる器具です。
シニアカーで事故が多発?その理由は?危険走行をする高齢者が多数発生

免許がない方、返納した方にはとても便利なシニアカーですが、シニアカー絡みの交通事故は決して少なくありません。シニアカーならではの事情もあります。
- シニアカーに座っていると、ドライバーから見えにくい高さになる
- 法律の誤解や勘違いで、高齢者のシニアカーが車道に出てしまうことがある
- バッテリー切れなどが起こると身動きがとれない
こういった理由により、車に追突・衝突されてしまう事故が考えられます。高齢者になると、判断ミスや操作ミスがどうしても増えてきますので、このことも事故の一因となってしまいます。
高齢になっても衰えは自覚しにくい
自動車で事故を起こしてしまう高齢者にも共通する事故原因として、人間は高齢になっても自分の衰えを自覚しにくいという事情があります。
特に視野の広さ、反応速度などの低下は交通事故に直結する原因となりえるものです。乗り物を自動車からシニアカーに変えれば安全というわけではありません。
交通網の発達した都心より、郊外のほうがシニアカーの需要があるというところも、高齢者の自動車事故問題と共通します。
シニアカー利用者は今後、益々増える可能性も
高齢者の交通事故が大きな関心となっていて、高齢者も自主的に、あるいは家族から説得されて免許を返納する方が増えています。
そのため、シニアカーを利用する方が今後増えることは、十分予想される事態です。
シニアカーに乗らない方も、シニアカーの特徴や事故防止のポイントなどを把握しておきましょう。車を運転される方は、特に注意したいところですね。
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