「私たちは、まっすぐに、歪んでいく」。衝撃的なキャッチコピーでドラマ化された『クズの本懐』が、FODプレミアムで配信中!
年上の異性を好きになった17歳の2人が、叶わぬ恋と知りながら真っすぐに人を愛し、それゆえに歪んでいく……。『クズの本懐』は、そんな衝撃的な幕開けで始まるドラマです。
濡れ場やLGBTも織り交ぜながら、様々な角度から「人を愛すること」の意味に迫り、17歳の2人がたどり着いた恋の結末とは?ただの恋愛ドラマでは片付けられない、人間の切実さを描いた問題作を視聴してみませんか?
このページでは、FODプレミアムで『クズの本懐』を無料視聴する方法、ドラマのあらすじや登場人物、感想を紹介します。
↓↓今すぐ『クズの本懐』の動画を無料で見たい方はこちらをクリック↓↓
目次
『クズの本懐』を無料視聴する方法とは?
『クズの本懐』は、FODプレミアムで配信されているドラマです。視聴するには、「FODプレミアム」への登録が必要になります。
※ドラマ『クズの本懐』は、12話「【最終話・麦】もうひとつのエンディング」のみ、FODプレミアム独占配信となっています。

FODプレミアムは、月額料金888円で利用できるVODサービス。登録することで、映画やドラマを楽しむことができるだけでなく、雑誌や漫画も読めます。加入すると、毎日の楽しみが増えますよ!
※一部、月額料金以外に「レンタル料金」が必要な作品もあります。『クズの本懐』は月額料金だけでお楽しみいただけますので、ご安心ください。
またFODプレミアムは、一定の条件を満たしていれば「1ヶ月の無料お試し期間」を利用できます!
Amazonアカウントを使ってFODプレミアムをお試しする方法を解説
FODプレミアムは、以下の種類のIDを使って登録が可能です。
色んな種類のアカウントから、使いやすいものを選んで登録できるのが、FODプレミアムの魅力ですね。

1ヶ月無料お試し期間を使えるのは、Amazonアカウント(Amazon Pay)で登録した時のみとなります。

Amazonアカウントをお持ちではない方は、今すぐアカウントを作ってクレジットカード決済ができるようにしましょう!
FODプレミアムの1ヶ月無料お試し期間に登録してみよう
Amazon Payが使えるようになったら、実際にFODプレミアムの1ヶ月無料お試し期間に登録してみましょう!
まずFODプレミアムトップページから、「今すぐ無料お試し」を選んでクリックします。

Amazonアカウントのログイン画面に飛ぶので、IDとパスワードを入れてログインしましょう。

ログインすると、登録画面に戻ります。FODプレミアムの契約内容をもう一度確認し、内容に間違いなければ確認画面へ。

確認画面でもう一度契約内容を確認し、クリックすれば登録完了です!

FODプレミアムの無料お試し期間は、1ヶ月(30日)だよ!この期間を過ぎてしまうと、888円の月額料金が発生するから注意してね。継続しない場合は、必ず1ヶ月以内に解約しておこう!
無料お試し期間の残り日数を確認する方法
無料お試し期間の日数は、FODプレミアムサイト内で確認できます!

↑FODプレミアムに登録したら、マイメニューから残りの日数を確認してくださいね。
「無料お試し期間以降は利用しない」という場合は、月額料金が発生する前に解約しておきましょう。
8がつく日には400ポイントもらえる!毎月ボーナスポイントももらえます!
FODプレミアムでは、毎月8がつく日に400ポイントがもらえるサービスを実施中。

このポイントは、FODプレミアム内のレンタル作品を観たい時に使えます。
ポイントをもらう方法はとっても簡単!8がついた日にFODプレミアムにログインするだけです。
8日、18日、28日と3回ポイントゲットのチャンスがあるので、忘れずにログインすれば1200ポイントが貰えちゃいますよ。
※ポイントには有効期限があります。必ずご確認ください。
FODプレミアム会員になると毎月100ポイントが貰える!
さらにFOD会員になると、毎月100ポイントが自動的にゲットできます。

8のつく日にもらえるポイントが最大1200ポイント、それに毎月もらえる100ポイントを足すと、1300ポイントになります。
レンタル作品視聴に必要なポイントは、高くても500ポイントほど。1300ポイントあれば、無料で2作品を視聴できることになりますね。
FODプレミアムに加入したら、8のつく日にログインすることをお忘れなく!
『クズの本懐』アニメ版もFODプレミアムで視聴できる!
『クズの本懐』は、2017年1月12日よりアニメ化もされています。
『クズの本懐』アニメ版も、FODプレミアムで配信中。
【申し込みは4月18日(火)18:00まで!】「クズの本懐」最初にして最後の安済知佳さん・島﨑信長さん・戸松遥さん・井澤詩織さん・野島健児さん・豊崎愛生さんが出演するフィナーレイベントです!申し込みがまだの方は、お気を付け下さい!pic.twitter.com/cVJszNMVsD
— クズの本懐 アニメ (@yasu33521_18) 2017年4月17日
【「クズの本懐」dアニメストアにて配信開始!】本日より「クズの本懐」全12話がdアニメストアにて配信開始致しました!既にご覧になったかたも、まだの方もぜひ、この機会にご覧ください!https://t.co/u2MaqQyFgN pic.twitter.com/pOaxx72BnE
— アニメ『クズの本懐』公式 (@kuzunohonkai_tv) June 1, 2018
同じ原作から出発した映像でも、アニメと実写化では受ける印象も感想も違いますので、ぜひドラマ版とアニメ版を見比べてみてください。アニメの方も、全12話となっています。
『クズの本懐』原作もFODプレミアムで読めます(※レンタル作品です)
横槍メンゴ先生原作の漫画『クズの本懐』も、FODプレミアムで読めます。
『クズの本懐』はレンタル作品なので、月額利用料金+レンタル料金の支払いが必要です。
横槍メンゴ先生『クズの本懐9巻décor』が本日発売! 「本物」を求めて歩んだ道と、その先に出会った未来を描いた最終エピソード。原作ファンもアニメ・ドラマファンも必見の結末です☆ 『レトルトパウチ!』6巻も同時発売♪ #クズの本懐 pic.twitter.com/8YAjnRZQRF
— 月刊ビッグガンガン (@big_gangan) July 19, 2018
2019年9月現在、1~8巻は560ポイント・9巻のみ571ポイントで読むことができます(プレミアム会員のポイント還元もあり)。
原作は9巻で完結しています。花火と麦がどんな選択をするのか、漫画版での結末にも注目!
『クズの本懐』の作品紹介
『クズの本懐』は、2017年1月19日よりフジテレビで放送された深夜ドラマです。
原作は「月間ビッグガンガン」で連載中の『クズの本懐』(横槍メンゴ作)。
幼馴染で担任教師の男性に恋する安楽岡花火と、元家庭教師で高校教師の女性に恋する粟屋麦が、叶わない恋の寂しさを埋めるために「交際という名の契約」を結ぶストーリーです。
17歳という多感な時期に、叶わぬ恋に身を焦がす女子高生と男子高校生。
お互いを身代わりにする2人は、やがて唇を重ね肌を合わせ、唯一無二の存在へと変わってゆきます。
花火に恋するLGBTの親友、麦に恋する幼馴染の女の子も登場し、それぞれが「真っすぐで歪んだ愛」をぶつけます。
「報われない恋、切ない恋、片思い、それってそんなに美しいものですか?」で始まるこのドラマは、「大人でもない子供でもない17歳」の葛藤・苦しみ・切なさを等身大に描きます。
真っすぐにあろうとするあまり、歪んでいく17歳の2人がどこに行きつくのかを、ぜひ確かめてください。
『クズの本懐』簡単なあらすじまとめ
17歳の女子高生・安楽岡花火は、同じ高校の男子高校生・粟屋麦と交際中。
2人とも成績優秀で外見も良く、学校では「才色兼備カップル」として知られる存在です。
しかし2人には、お互いしか知らない秘密がありました。
実は花火は、年上の幼馴染で担任教師の鐘井鳴海に片思い中。一方の麦は、元家庭教師で高校の教師の皆川茜に恋をしていました。
何の運命のいたずらか、やがて鐘井と茜の関係は交際に発展。2人が恋人同士になったその日に、花火と麦は同時に失恋してしまいました。
しかしその失恋こそが、花火と麦を引き合わせました。
恋をあきらめることもできず、かといって1人で続けるには重すぎた2人の片思い。
似たような境遇の2人は、ある契約を条件に偽の交際をはじめ、寂しさを埋めるようになります。
- お互いを好きにならない。
- どちらかの恋が成就したら、関係はそこで終わり。
- お互いの身体的欲求は、どんな時も受け入れること。
まるでセフレのような契約ですが、セックスはしないことが条件。
お互いを片思いの相手に見立てながら、抱きしめてキスをして、時には肌を合わせて温もりを分け合います。真っすぐな恋をしているからこそ、歪んでいく2人の心……。
天性の悪女だった茜の嫌がらせ。
親友だと思っていた早苗から向けられた恋愛感情。
身代わりと言うには、大きくなりすぎたお互いの存在。
様々な愛の形に触れた花火と麦は、ある決断を下します。
大人なら「何を大げさな」と笑い飛ばしそうな、たったひとつの失恋。でも、その失恋が花火と麦のすべてでした。
報われぬ恋に本気で泣いて悔しがって、泥臭くジタバタする花火と麦の賢明さ、ひたむきさに注目してください。
このドラマを視聴したあと、あなたはきっと「18歳の2人」に会いたくなるはずです。
『クズの本懐』登場人物紹介
では『クズの本懐』の登場人物を紹介します。
このドラマでは、登場人物一人ひとりが「それぞれ違った愛」を抱えています。
その愛をどう相手にぶつけるのか、もしくは昇華するのかがポイントになってきます。17歳の本気の恋、そこに大人たちがどう絡むのかも見どころ。
※登場人物紹介にはネタバレも含みます。
安楽岡花火(やすらおか はなび)/吉本実憂
17歳、成績優秀で美人な女子高生。母子家庭。
学校では才色兼備な生徒として知られ、学校でもそれなりにモテる女子です。
そんな彼女は、担任教師であり幼馴染でもある鐘井鳴海(かないなるみ)に対し、苦しい恋心を抱いていました。
花火にとって「年上の幼馴染」である鐘井は、花火とは対照的に父子家庭に育った青年。
鐘井は小学生だった花火に対し、「僕たちはお互いに羨ましいものを持っている」「だから寂しい時に助け合える」と語り、この言葉が花火の恋に火をつけました。
花火は「自分は鐘井にとって特別な存在」と信じ、日に日に恋慕を濃くしてゆきます。
しかし花火の恋心は、残酷な形で砕け散ることに。
花火より早く大人になった鐘井は、運命のいたずらか偶然か、花火の高校の新任教師として赴任します。
しかも花火の担任教師となり、「毎日お兄ちゃんに会える」と心を躍らせる花火。
ところが鐘井は、やはり新任でやってきた皆川茜(みなかわあかね)に恋をしてしまい、花火の恋はあっけなく敗れてしまいました。
花火「この日、私は予感した。もう子供じゃいられないんだってこと」。
花火「ずっとお兄ちゃんだけ見てきたから、お兄ちゃんよりさきに気づいてしまった。みたことない顔……」
花火「お兄ちゃんは、恋に落ちたんだ」
そんなときに出会ったのが、茜に片思いする男子生徒・粟屋麦(あわやむぎ)。
麦の思いを知った花火は、彼に対し「同志」「理解者」のような感情を向け始めます。そして恋人同士のふりをしながら、互いの寂しさを埋めようとします。
やがて彼女は狂いはじめ、麦との関係も変わってゆきます。
粟屋麦(あわや むぎ)/桜田通
花火の同級生、17歳のイケメン・品行方正な男子高校生。
元家庭教師で、現在は高校の新任教師である皆川茜に片思い中です。
人知れず茜を見ていた彼は、茜が鐘井と恋愛関係になりそうなことに気づき、同時に鐘井を見ている花火にも気づいていました。
実らぬ恋に身を焦がす花火を見て、粟屋は自分に似たものを覚えます。互いの寂しさを埋めるため、都合のいいときに利用し合えるように、ある条件を出して花火と「交際」の契約を結びました。
人の男を獲ることに楽しみを覚え、歪んだ性概念を持つ茜を慕い、どこまでも彼女の純粋さを疑いません。盲目的に彼女を信じすぎるため、花火と対立することも。
契約関係とは言え、基本的には花火にも優しい穏やかな青年。花火が暴走しがちなときも、冷静に諫めて正そうとします。
鐘井鳴海(かねい なるみ)/水田航生
花火の家の近所に住む、年上の幼馴染。大学卒業後に高校教師となり、奇しくも花火の担任となりました。
花火が母子家庭育ちなのとは対照的に、鐘井は父子家庭育ち。
小学生の花火が「父親がいない寂しさ」を抱えていたとき、「僕たちは同じ寂しさを抱えている」「だから、寂しい時に助け合える」と言ったことが、花火の恋心に火をつけました。
真っすぐで優しくて、誠実を絵に書いたような青年です。高校に赴任してから、同じ新任教師の皆川茜に片思いしますが、彼女がビッチと知っていても変わらずに愛し続けます。
皆川茜(みなかわ あかね)/逢沢りな
麦の元家庭教師で、現在は高校の新任教師。
見た目は清楚で可愛らしい女性ですが、実は高校時代から友達の男を獲るのが趣味なビッチ女性でした。
典型的な「男性には好かれるけれど、女性には嫌われるタイプ」。麦が彼女を慕う反面、花火は早々に彼女の本性を見抜いて警戒します。
赴任先で知り合った鐘井の恋心に気づき、いち早く手玉にとったばかりか、麦の恋愛感情まで弄ぶ悪女。
花火に悪意を向けられてからは、鐘井の恋心を利用して彼女を傷つけることまでしています。自身でも「かなりハードルが低く誰とでも寝る」と認めており、性格の歪みは自覚している様子。
花火を傷つけるために鐘井と付き合うものの、最初以降手を出してこないことに苛立ち、自分から正体をバラします。が、それでも揺らがない鐘井の優しさが、次第に彼女を変えていきます。
絵嶋早苗(えしま さなえ)/池上沙理依
高2の女子高生、花火のクラスメイト。花火いわく「唯一友達と呼べる存在」。
受験前に痴漢に遭っていたとき、隣にいた花火に助けられたことが出会いのきっかけ。花火が早苗を「唯一の友達」と見ていたのに対し、早苗は花火を恋愛の対象として見ていました。
それゆえ、花火が麦と契約前提で交際したときも、2人の間に愛がないことを早々に見抜きます。
花火を思い、自分の気持ちに蓋をしていた早苗でしたが、好きでもない粟屋と交際する花火を見て思いが爆発。花火の家に泊まったときにキスをしてしまい、自分の気持ちを吐露します。
早苗「本当は、粟屋のことそんなに好きじゃないんでしょう?」
早苗「なんで、どうして好きな振りするの!」
この時に花火が早苗に向き合わず、中途半端に受け入れてしまったことが、やがて彼女を苦しめることになります。
鴎端のり子(かもめはた のりこ)・最可(もか)/志保
麦の幼馴染。ツインテールにロリータな服装が似合う女の子です。
麦とは幼稚園時代に出会い、その時から麦にアプローチをしていました。自分のことをお姫様と信じ、本名の「のり子」という名前も嫌っていて、「最も可愛い」という意味の「最可」を名乗っています。
親の都合で香港に転勤したものの、麦のことを忘れられずに日本に戻ってきました。
麦は最可に恋愛感情はないものの、我儘だけれど可愛い彼女を突き放せません。麦もまた、どこかで最可を姫のように思い、神聖化しているふしが見られます。
17歳になった2人が再会したとき、お互いにどんな感情を持つのか?そのことも、物語の大きなテーマになっています。
『クズの本懐』のオープニングテーマ
ドラマ『クズの本懐』のオープニングテーマは、酸欠少女さユリさんが歌う「平行線」という楽曲です。
さユりさんは、アニメ版『クズの本懐』でもエンディングテーマを担当。
特徴的な名前ですが、本来の名前は「さユり」で「酸欠少女」はキャッチコピーなのだそう。
「酸欠のようなギリギリの状態で歌う」という意味がこめられており、実際に歌声にも切実さが漂います。
関ジャニ∞を知ったことがきっかけで、音楽の道に入ったという異色の経歴。
ドラマの最後に流れる彼女の歌声は、そのまま花火の切ない叫びの様で、聴いているうちにどんどんはまっていきますよ。
『クズの本懐』を視聴した感想
実際にクズの本懐を視聴してみて、感じたことをまとめています。
「主人公が17歳でなければ成立しない、どこまでも透明な恋愛」、というのが第一印象でしょうか。
1話を見ると、2話3話と続けて視聴したくなるドラマでした。※ドラマのネタバレに触れています、ご注意ください。
報われない恋、切ない恋、片思いはやはり美しいと思わせる作品
主人公の花火と麦は、共に17歳の高校生。おそらく、『クズの本懐』のテーマは17歳でしか描けなかったでしょう。
17歳は子供ではありませんが、まだ大人と言える年齢でもありません。
そんな曖昧な年齢の2人は、揃って年上の異性に恋をします。はっきり言えば、2人の恋は「最初から負けが決まっている恋」でした。
17歳の2人には、恋心を断ち切る大人の器用さもなく、かといって子供のように見ないふりもできません。だからこそ、互いの寂しさを埋めるために手を取り合います。
大人から見れば「なんと愚かで馬鹿なことを」と思うかもしれません。
でも、大人がサッと通り過ぎてしまうところで躓き、真剣に悩み、相手に向き合う真摯な2人こそ、正しい生き方をしているのではないか?と考えさせられます。
性描写あり恋愛のドロドロあり、人間の汚さをこれでもかと描写しているのに、ドラマ全体に漂う透明感は何か?それは、「根底にある感情が純粋だから」でしょう。
泥臭い感情をむき出しにする姿には、「報われない恋、切ない恋、片思いはやはり美しい」と思わざるを得ませんでした。
いつか2人が大人になり、相手のことを思い出す日が来たら、きっと相手はキラキラした光の中にいるのだろう……そう思わせる作品です。
LGBTの鐘井鳴海が伝える「本当の優しさ、本当の愛」
『クズの本懐』には、LGBTの女子高生・絵嶋早苗が出てきます。
この絵嶋早苗の存在が、ドラマに深みを与えていると言っても過言ではありません。
花火が麦と偽の交際を始めたとき、早苗だけが花火の本心に気づいていました。
自分は本気で花火を愛しているのに、花火は好きでもない男と交際している……。
花火が本気なら諦められた恋も、偽物とわかれば断ち切ることは難しかったのでしょう。たまらず早苗は、花火に恋心を伝えてしまいました。
問題は、ここから花火が早苗にとった行動です。
花火は「鐘井の思いに答えられない」と知りながら、友人の早苗を突き放すことができません。
さらに、鐘井への実らぬ恋の寂しさを埋めるため、早苗の愛を利用してしまいます。
LGBTではない花火が、早苗が願うような愛を返せるはずもありません。
花火の不誠実さと軽率さは、早苗の心をどんどん抉っていきます。花火が自分の残酷さに気づいたときには、もう取り返しがつかない状態に陥っていました。
本当の愛と優しさに対して、中途半端な愛と優しさで応えてしまうことほど、残酷なものはありません。
早苗と向き合い、やり直そうとする花火。彼女の思いは早苗に届くのでしょうか?『クズの本懐』のストーリーの中で、早苗こそが「人を愛するとは何か」を教えてくれる気がします。
麦と最可が迎える「子供時代の終わり」
もうひとつ見逃せないのは、主人公の麦と幼馴染・最可の関係です。
『クズの本懐』のテーマのひとつ「子供から大人への成長」を、この2人が鮮やかに魅せてくれます。
幼稚園時代に出会い、互いに好意を持っていた麦と最可。ツインテールにリボン付きの服を着て、自分は世界一可愛いと主張する最可の存在は、麦にとってお姫様そのものでした。
幼稚園時代に「王子様」「お姫様」だった2人は、17歳の今も変わらず「王子様」「お姫様」のまま。
特に最可の方は、香港に転勤してからも「自分の王子さまは麦」と信じ、彼への思いを募らせていました。
降り積もっていくばかりの思いを抱え、最可は麦に会いたい一心で日本に帰国します。
ところが、2人を待っていたのは「王子様とお姫さまが結ばれる未来」ではなく、魔法が溶けて消えるガラスの靴でした。
17歳になった麦は、最可の記憶にいる幼い王子様ではなく、思い描いていた王子様ともちょっと違いました。
幼稚園児にかけられた2人の魔法は、17歳で再び出会ったときに消えてしまったのです。
子供時代に出発した2人の恋は、17歳で終着駅に辿り着きます。
もう幼稚園児ではいられないのだ、王子様はどこにもいないのだと悟った最可を知りながら、麦は最後まで彼女を「お姫様」として大切にします。幼いあの日にそう接していたように。
「ずっと幼稚園児のままでいられたらいいのに、このまま時が止まればいいのに」
どんなにそう願っても、人間はいつか必ず大人になります。
麦と最可が直面する「大人になることの切なさ」「変わっていくものの悲しさ」を、ぜひドラマでご覧ください。
アニメ版・原作漫画を見比べたくなる!
高校生を主人公に、ギリギリの濡れ場に踏み込んだ問題作『クズの本懐』は、SNSでも「ここまでやっていいのか」という意見が相次いだようです。
この時代にここまで描写したことは、かなり勇気のいる決断だったのではないでしょうか。
しかしこの性描写こそが、『クズの本懐』のメッセージ性を強くしているとも言えます。
こってりした性描写を描き、人間の感情をむき出しにしたドロドロなドラマなのに、花火も麦も最後まで透明感を損ないません。
濃密なシーンとは対照的に、主人公の2人はどこまでも精錬で真っすぐで、清い印象のままです。
この不思議な感覚こそが、『クズの本懐』のメッセージではないか?と感じます。
花火も麦も、全力で恋をしました。その恋のために、2人はお互いを利用しようとします。
でも、そこまで純粋な恋ができる2人が、誰かを利用し続けることはできません。そんな2人だからこそ、どんなにドロドロしても透明感があふれ出るのでしょう。
「自分が17歳のとき、どんな恋をしていたかな」。そう思い返したくなるドラマでした。特に17歳を通り過ぎた大人の方に、視聴してみてほしい作品です。
楽天やdアカウントで登録してしまうと、お試し期間は使用できません!お試しができるのは、Amazonアカウントのみです!