ドラマ『クズの本懐』動画配信を無料視聴する方法!キャストや主題歌・感想を紹介

「私たちは、まっすぐに、歪んでいく」。衝撃的なキャッチコピーでドラマ化された『クズの本懐』が、FODプレミアムで配信中!

年上の異性を好きになった17歳の2人が、叶わぬ恋と知りながら真っすぐに人を愛し、それゆえに歪んでいく……。『クズの本懐』は、そんな衝撃的な幕開けで始まるドラマです。

濡れ場やLGBTも織り交ぜながら、様々な角度から「人を愛すること」の意味に迫り、17歳の2人がたどり着いた恋の結末とは?ただの恋愛ドラマでは片付けられない、人間の切実さを描いた問題作を視聴してみませんか?

このページでは、FODプレミアムで『クズの本懐』を無料視聴する方法、ドラマのあらすじや登場人物、感想を紹介します。

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『クズの本懐』を無料視聴する方法とは?

『クズの本懐』は、FODプレミアムで配信されているドラマです。視聴するには、「FODプレミアム」への登録が必要になります。

※ドラマ『クズの本懐』は、12話「【最終話・麦】もうひとつのエンディング」のみ、FODプレミアム独占配信となっています。

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『クズの本懐』アニメ版もFODプレミアムで視聴できる!

『クズの本懐』は、2017年1月12日よりアニメ化もされています。

『クズの本懐』アニメ版も、FODプレミアムで配信中。

同じ原作から出発した映像でも、アニメと実写化では受ける印象も感想も違いますので、ぜひドラマ版とアニメ版を見比べてみてください。アニメの方も、全12話となっています。

『クズの本懐』原作もFODプレミアムで読めます(※レンタル作品です)

横槍メンゴ先生原作の漫画『クズの本懐』も、FODプレミアムで読めます。

『クズの本懐』はレンタル作品なので、月額利用料金+レンタル料金の支払いが必要です。

2019年9月現在、1~8巻は560ポイント・9巻のみ571ポイントで読むことができます(プレミアム会員のポイント還元もあり)。

原作は9巻で完結しています。花火と麦がどんな選択をするのか、漫画版での結末にも注目!

『クズの本懐』の作品紹介

『クズの本懐』は、2017年1月19日よりフジテレビで放送された深夜ドラマです。

原作は「月間ビッグガンガン」で連載中の『クズの本懐』(横槍メンゴ作)。

幼馴染で担任教師の男性に恋する安楽岡花火と、元家庭教師で高校教師の女性に恋する粟屋麦が、叶わない恋の寂しさを埋めるために「交際という名の契約」を結ぶストーリーです。

17歳という多感な時期に、叶わぬ恋に身を焦がす女子高生と男子高校生。

お互いを身代わりにする2人は、やがて唇を重ね肌を合わせ、唯一無二の存在へと変わってゆきます。

花火に恋するLGBTの親友、麦に恋する幼馴染の女の子も登場し、それぞれが「真っすぐで歪んだ愛」をぶつけます。

「報われない恋、切ない恋、片思い、それってそんなに美しいものですか?」で始まるこのドラマは、「大人でもない子供でもない17歳」の葛藤・苦しみ・切なさを等身大に描きます。

真っすぐにあろうとするあまり、歪んでいく17歳の2人がどこに行きつくのかを、ぜひ確かめてください。

『クズの本懐』簡単なあらすじまとめ

17歳の女子高生・安楽岡花火は、同じ高校の男子高校生・粟屋麦と交際中。

2人とも成績優秀で外見も良く、学校では「才色兼備カップル」として知られる存在です。

しかし2人には、お互いしか知らない秘密がありました。

実は花火は、年上の幼馴染で担任教師の鐘井鳴海に片思い中。一方の麦は、元家庭教師で高校の教師の皆川茜に恋をしていました。

何の運命のいたずらか、やがて鐘井と茜の関係は交際に発展。2人が恋人同士になったその日に、花火と麦は同時に失恋してしまいました。

しかしその失恋こそが、花火と麦を引き合わせました。

恋をあきらめることもできず、かといって1人で続けるには重すぎた2人の片思い。

似たような境遇の2人は、ある契約を条件に偽の交際をはじめ、寂しさを埋めるようになります。

麦と花火の契約ルール
  • お互いを好きにならない。
  • どちらかの恋が成就したら、関係はそこで終わり。
  • お互いの身体的欲求は、どんな時も受け入れること。

まるでセフレのような契約ですが、セックスはしないことが条件。

お互いを片思いの相手に見立てながら、抱きしめてキスをして、時には肌を合わせて温もりを分け合います。真っすぐな恋をしているからこそ、歪んでいく2人の心……。

天性の悪女だった茜の嫌がらせ。

親友だと思っていた早苗から向けられた恋愛感情。

身代わりと言うには、大きくなりすぎたお互いの存在。

様々な愛の形に触れた花火と麦は、ある決断を下します。

大人なら「何を大げさな」と笑い飛ばしそうな、たったひとつの失恋。でも、その失恋が花火と麦のすべてでした。

報われぬ恋に本気で泣いて悔しがって、泥臭くジタバタする花火と麦の賢明さ、ひたむきさに注目してください。

このドラマを視聴したあと、あなたはきっと「18歳の2人」に会いたくなるはずです。

『クズの本懐』登場人物紹介

では『クズの本懐』の登場人物を紹介します。

このドラマでは、登場人物一人ひとりが「それぞれ違った愛」を抱えています。

その愛をどう相手にぶつけるのか、もしくは昇華するのかがポイントになってきます。17歳の本気の恋、そこに大人たちがどう絡むのかも見どころ。

※登場人物紹介にはネタバレも含みます。

安楽岡花火(やすらおか はなび)/吉本実憂

17歳、成績優秀で美人な女子高生。母子家庭。

学校では才色兼備な生徒として知られ、学校でもそれなりにモテる女子です。

そんな彼女は、担任教師であり幼馴染でもある鐘井鳴海(かないなるみ)に対し、苦しい恋心を抱いていました。

花火にとって「年上の幼馴染」である鐘井は、花火とは対照的に父子家庭に育った青年。

鐘井は小学生だった花火に対し、「僕たちはお互いに羨ましいものを持っている」「だから寂しい時に助け合える」と語り、この言葉が花火の恋に火をつけました。

花火は「自分は鐘井にとって特別な存在」と信じ、日に日に恋慕を濃くしてゆきます。

しかし花火の恋心は、残酷な形で砕け散ることに。

花火より早く大人になった鐘井は、運命のいたずらか偶然か、花火の高校の新任教師として赴任します。

しかも花火の担任教師となり、「毎日お兄ちゃんに会える」と心を躍らせる花火。

ところが鐘井は、やはり新任でやってきた皆川茜(みなかわあかね)に恋をしてしまい、花火の恋はあっけなく敗れてしまいました。

花火「この日、私は予感した。もう子供じゃいられないんだってこと」。

花火「ずっとお兄ちゃんだけ見てきたから、お兄ちゃんよりさきに気づいてしまった。みたことない顔……」

花火「お兄ちゃんは、恋に落ちたんだ」

そんなときに出会ったのが、茜に片思いする男子生徒・粟屋麦(あわやむぎ)。

麦の思いを知った花火は、彼に対し「同志」「理解者」のような感情を向け始めます。そして恋人同士のふりをしながら、互いの寂しさを埋めようとします。

やがて彼女は狂いはじめ、麦との関係も変わってゆきます。

粟屋麦(あわや むぎ)/桜田通

花火の同級生、17歳のイケメン・品行方正な男子高校生。

元家庭教師で、現在は高校の新任教師である皆川茜に片思い中です。

人知れず茜を見ていた彼は、茜が鐘井と恋愛関係になりそうなことに気づき、同時に鐘井を見ている花火にも気づいていました。

実らぬ恋に身を焦がす花火を見て、粟屋は自分に似たものを覚えます。互いの寂しさを埋めるため、都合のいいときに利用し合えるように、ある条件を出して花火と「交際」の契約を結びました。

人の男を獲ることに楽しみを覚え、歪んだ性概念を持つ茜を慕い、どこまでも彼女の純粋さを疑いません。盲目的に彼女を信じすぎるため、花火と対立することも。

契約関係とは言え、基本的には花火にも優しい穏やかな青年。花火が暴走しがちなときも、冷静に諫めて正そうとします。

鐘井鳴海(かねい なるみ)/水田航生

花火の家の近所に住む、年上の幼馴染。大学卒業後に高校教師となり、奇しくも花火の担任となりました。

花火が母子家庭育ちなのとは対照的に、鐘井は父子家庭育ち。

小学生の花火が「父親がいない寂しさ」を抱えていたとき、「僕たちは同じ寂しさを抱えている」「だから、寂しい時に助け合える」と言ったことが、花火の恋心に火をつけました。

真っすぐで優しくて、誠実を絵に書いたような青年です。高校に赴任してから、同じ新任教師の皆川茜に片思いしますが、彼女がビッチと知っていても変わらずに愛し続けます。

皆川茜(みなかわ あかね)/逢沢りな

麦の元家庭教師で、現在は高校の新任教師。

見た目は清楚で可愛らしい女性ですが、実は高校時代から友達の男を獲るのが趣味なビッチ女性でした。

典型的な「男性には好かれるけれど、女性には嫌われるタイプ」。麦が彼女を慕う反面、花火は早々に彼女の本性を見抜いて警戒します。

赴任先で知り合った鐘井の恋心に気づき、いち早く手玉にとったばかりか、麦の恋愛感情まで弄ぶ悪女。

花火に悪意を向けられてからは、鐘井の恋心を利用して彼女を傷つけることまでしています。自身でも「かなりハードルが低く誰とでも寝る」と認めており、性格の歪みは自覚している様子。

花火を傷つけるために鐘井と付き合うものの、最初以降手を出してこないことに苛立ち、自分から正体をバラします。が、それでも揺らがない鐘井の優しさが、次第に彼女を変えていきます。

絵嶋早苗(えしま さなえ)/池上沙理依

高2の女子高生、花火のクラスメイト。花火いわく「唯一友達と呼べる存在」。

受験前に痴漢に遭っていたとき、隣にいた花火に助けられたことが出会いのきっかけ。花火が早苗を「唯一の友達」と見ていたのに対し、早苗は花火を恋愛の対象として見ていました。

それゆえ、花火が麦と契約前提で交際したときも、2人の間に愛がないことを早々に見抜きます。

花火を思い、自分の気持ちに蓋をしていた早苗でしたが、好きでもない粟屋と交際する花火を見て思いが爆発。花火の家に泊まったときにキスをしてしまい、自分の気持ちを吐露します。

早苗「本当は、粟屋のことそんなに好きじゃないんでしょう?」

早苗「なんで、どうして好きな振りするの!」

この時に花火が早苗に向き合わず、中途半端に受け入れてしまったことが、やがて彼女を苦しめることになります。

鴎端のり子(かもめはた のりこ)・最可(もか)/志保

麦の幼馴染。ツインテールにロリータな服装が似合う女の子です。

麦とは幼稚園時代に出会い、その時から麦にアプローチをしていました。自分のことをお姫様と信じ、本名の「のり子」という名前も嫌っていて、「最も可愛い」という意味の「最可」を名乗っています。

親の都合で香港に転勤したものの、麦のことを忘れられずに日本に戻ってきました。

麦は最可に恋愛感情はないものの、我儘だけれど可愛い彼女を突き放せません。麦もまた、どこかで最可を姫のように思い、神聖化しているふしが見られます。

17歳になった2人が再会したとき、お互いにどんな感情を持つのか?そのことも、物語の大きなテーマになっています。

『クズの本懐』のオープニングテーマ

ドラマ『クズの本懐』のオープニングテーマは、酸欠少女さユリさんが歌う「平行線」という楽曲です。

さユりさんは、アニメ版『クズの本懐』でもエンディングテーマを担当。

特徴的な名前ですが、本来の名前は「さユり」で「酸欠少女」はキャッチコピーなのだそう。

「酸欠のようなギリギリの状態で歌う」という意味がこめられており、実際に歌声にも切実さが漂います。

関ジャニ∞を知ったことがきっかけで、音楽の道に入ったという異色の経歴。

ドラマの最後に流れる彼女の歌声は、そのまま花火の切ない叫びの様で、聴いているうちにどんどんはまっていきますよ。

『クズの本懐』を視聴した感想

実際にクズの本懐を視聴してみて、感じたことをまとめています。

「主人公が17歳でなければ成立しない、どこまでも透明な恋愛」、というのが第一印象でしょうか。

1話を見ると、2話3話と続けて視聴したくなるドラマでした。※ドラマのネタバレに触れています、ご注意ください。

報われない恋、切ない恋、片思いはやはり美しいと思わせる作品

主人公の花火と麦は、共に17歳の高校生。おそらく、『クズの本懐』のテーマは17歳でしか描けなかったでしょう。

17歳は子供ではありませんが、まだ大人と言える年齢でもありません。

そんな曖昧な年齢の2人は、揃って年上の異性に恋をします。はっきり言えば、2人の恋は「最初から負けが決まっている恋」でした。

17歳の2人には、恋心を断ち切る大人の器用さもなく、かといって子供のように見ないふりもできません。だからこそ、互いの寂しさを埋めるために手を取り合います。

大人から見れば「なんと愚かで馬鹿なことを」と思うかもしれません。

でも、大人がサッと通り過ぎてしまうところで躓き、真剣に悩み、相手に向き合う真摯な2人こそ、正しい生き方をしているのではないか?と考えさせられます。

性描写あり恋愛のドロドロあり、人間の汚さをこれでもかと描写しているのに、ドラマ全体に漂う透明感は何か?それは、「根底にある感情が純粋だから」でしょう。

泥臭い感情をむき出しにする姿には、「報われない恋、切ない恋、片思いはやはり美しい」と思わざるを得ませんでした。

いつか2人が大人になり、相手のことを思い出す日が来たら、きっと相手はキラキラした光の中にいるのだろう……そう思わせる作品です。

LGBTの鐘井鳴海が伝える「本当の優しさ、本当の愛」

『クズの本懐』には、LGBTの女子高生・絵嶋早苗が出てきます。

この絵嶋早苗の存在が、ドラマに深みを与えていると言っても過言ではありません。

花火が麦と偽の交際を始めたとき、早苗だけが花火の本心に気づいていました。

自分は本気で花火を愛しているのに、花火は好きでもない男と交際している……。

花火が本気なら諦められた恋も、偽物とわかれば断ち切ることは難しかったのでしょう。たまらず早苗は、花火に恋心を伝えてしまいました。

問題は、ここから花火が早苗にとった行動です。

花火は「鐘井の思いに答えられない」と知りながら、友人の早苗を突き放すことができません。

さらに、鐘井への実らぬ恋の寂しさを埋めるため、早苗の愛を利用してしまいます。

LGBTではない花火が、早苗が願うような愛を返せるはずもありません。

花火の不誠実さと軽率さは、早苗の心をどんどん抉っていきます。花火が自分の残酷さに気づいたときには、もう取り返しがつかない状態に陥っていました。

本当の愛と優しさに対して、中途半端な愛と優しさで応えてしまうことほど、残酷なものはありません。

早苗と向き合い、やり直そうとする花火。彼女の思いは早苗に届くのでしょうか?『クズの本懐』のストーリーの中で、早苗こそが「人を愛するとは何か」を教えてくれる気がします。

麦と最可が迎える「子供時代の終わり」

もうひとつ見逃せないのは、主人公の麦と幼馴染・最可の関係です。

『クズの本懐』のテーマのひとつ「子供から大人への成長」を、この2人が鮮やかに魅せてくれます。

幼稚園時代に出会い、互いに好意を持っていた麦と最可。ツインテールにリボン付きの服を着て、自分は世界一可愛いと主張する最可の存在は、麦にとってお姫様そのものでした。

幼稚園時代に「王子様」「お姫様」だった2人は、17歳の今も変わらず「王子様」「お姫様」のまま。

特に最可の方は、香港に転勤してからも「自分の王子さまは麦」と信じ、彼への思いを募らせていました。

降り積もっていくばかりの思いを抱え、最可は麦に会いたい一心で日本に帰国します。

ところが、2人を待っていたのは「王子様とお姫さまが結ばれる未来」ではなく、魔法が溶けて消えるガラスの靴でした。

17歳になった麦は、最可の記憶にいる幼い王子様ではなく、思い描いていた王子様ともちょっと違いました。

幼稚園児にかけられた2人の魔法は、17歳で再び出会ったときに消えてしまったのです。

子供時代に出発した2人の恋は、17歳で終着駅に辿り着きます。

もう幼稚園児ではいられないのだ、王子様はどこにもいないのだと悟った最可を知りながら、麦は最後まで彼女を「お姫様」として大切にします。幼いあの日にそう接していたように。

「ずっと幼稚園児のままでいられたらいいのに、このまま時が止まればいいのに」

どんなにそう願っても、人間はいつか必ず大人になります。

麦と最可が直面する「大人になることの切なさ」「変わっていくものの悲しさ」を、ぜひドラマでご覧ください。

アニメ版・原作漫画を見比べたくなる!

高校生を主人公に、ギリギリの濡れ場に踏み込んだ問題作『クズの本懐』は、SNSでも「ここまでやっていいのか」という意見が相次いだようです。

この時代にここまで描写したことは、かなり勇気のいる決断だったのではないでしょうか。

しかしこの性描写こそが、『クズの本懐』のメッセージ性を強くしているとも言えます。

こってりした性描写を描き、人間の感情をむき出しにしたドロドロなドラマなのに、花火も麦も最後まで透明感を損ないません。

濃密なシーンとは対照的に、主人公の2人はどこまでも精錬で真っすぐで、清い印象のままです。

この不思議な感覚こそが、『クズの本懐』のメッセージではないか?と感じます。

花火も麦も、全力で恋をしました。その恋のために、2人はお互いを利用しようとします。

でも、そこまで純粋な恋ができる2人が、誰かを利用し続けることはできません。そんな2人だからこそ、どんなにドロドロしても透明感があふれ出るのでしょう。

「自分が17歳のとき、どんな恋をしていたかな」。そう思い返したくなるドラマでした。特に17歳を通り過ぎた大人の方に、視聴してみてほしい作品です。

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