『鬼滅の刃』最新話203話のネタバレと感想!無惨の甘言に負けず多くの声と遺志が炭治郎を呼び戻す

2020年4月27日(月)に発売した週刊少年ジャンプ21・22合併号『鬼滅の刃』の最新話203話「数多の呼び水」のあらすじネタバレと感想をまとめて紹介します。

前話のネタバレを見逃した方は以下のページでレビューしていますので是非チェックしてみてください。

『鬼滅の刃』202話のネタバレと感想はこちら

『鬼滅の刃』第203話「数多の呼び水」のネタバレ

禰豆子の声を聞く炭治郎 しかし無惨はそれを許そうとせず……

(お兄ちゃん帰ろう)

(家に帰ろう)

鬼にされた炭治郎に、一縷の望みをかけ、カナヲが人間化薬を打ち込んだ時。

炭治郎は、涙を流して自分のことを呼ぶ、禰豆子の姿を幻視しながら、どことも知れぬ空間で、仰向けになって、無惨の細胞の中に埋もれていました。

禰豆子の言葉を聞き、自分も帰りたい、と、願いを想う炭治郎。

(お願いします神様)

(家に帰してください)

(俺は妹と家に帰りたいだけなんです)

そう言って、炭治郎が、空の闇へと右手を伸ばしたとき。その右手を覆う無惨の細胞が、声を発しました。

「帰ってどうなる」

「家族は皆死んだ」

「死骸埋まっているだけの家に」

「帰ってどうなる」

炭治郎に、絶望を叩きつけようとする無惨。しかし炭治郎は、「あの家には思い出が残ってる」、「あの幸せな日々は消えない」と言って、無惨の言葉に耳を傾けません。

そうすると次に無惨は、このようなことを言い出します。

「無意味なことをするのはよせ」

「禰豆子は死んだ。お前が殺した」

しかし炭治郎は、それが嘘だと、すぐさま看破します。

(嘘だ)

(禰豆子は生きてる)

(お前は嘘つきだ)

と、その時。無惨の細胞に満たされていた地面から、数多の手が生えてきて、炭治郎の体を、空へと押し上げ始めました。

手の持ち主の顔は、はっきりとは見えませんが、どうやらそれらは、無惨に殺されてしまった、炭治郎の家族たちの手です。

「余計な真似をするな亡者共」

そう言って、炭治郎の家族たちを睨みつける無惨。

「血の匂いがするだろう仲間達の」

「お前がやったのだ」

次に無惨は、そう言って炭治郎を、諦めさせようとしますが、それでも炭治郎は無惨の言葉に、一切なびきません。

(謝りたい)

(みんなを傷つけてしまったこと)

(戻って謝りたい)

無惨は言います。

「誤っても許されない」

炭治郎は言います。

(それはお前が決めることじゃない)

そのうちに、炭治郎の手の細胞から、語りかけてくるだけだった無惨は、細胞の中から、ついに顔を出し、炭治郎へとかける言葉の、語気を強めます。

「黙れ」

「お前は私の意志を継ぐ者」

ついには無惨は、上半身までを実体化させ、炭治郎の頭と体を乱暴に掴み、脅すような言葉をかけてきます。

「前を向くな、人を信じるな、希望を見出すな」

「鬼でなくなれば数年の内に死ぬのだぞ」

「痣の代償を払わねばならぬ」

自分のことだけを考えろ、と、甘言を弄する無惨。しかし炭治郎は、「俺は人間として死ぬんだ」と言って、やはり耳を傾けません。

(無限の命なんか少しも欲しくない、いらない)

(みんなの所に帰りたい)

一瞬黙ったあと、無惨は言います。

「屑め」

「お前だけ生き残るのか?」

「大勢の者が死んだというのに」

「お前だけが何も失わず、のうのうと生き残るのか?」

それを聞き、涙を流し始める炭治郎。しかし、その時、地面に敷き詰められた、無惨の細胞の中から、炭治郎の体を押し上げようとする手に、力が加わりました。

絶望を突き付けて来る無惨 しかし仲間たちの意思が炭治郎に届く

手の数は七本。その顔はやはり見えませんが、それは、鬼との戦いで命を失った、炭治郎の仲間たち。

すなわち、「炎柱」煉獄、「岩柱」悲鳴嶹、「蟲柱」胡蝶、「蛇柱」伊黒、「霞柱」時透、「恋柱」甘露寺、そして炭治郎の同期、玄弥のものでした。

それを見た無惨は、焦りを帯びた声を出し始めます。

「こんなものお前の妄想だ」

「恥を知れ! やめろ!」

しかし炭治郎は、もはや無惨の言葉など、一顧だにしません。

(しのぶさんの匂いがする)

(いや…これは…)

(藤の花の匂いか…)

そう炭治郎が思った瞬間。数多の手が、炭治郎を押し上げる先、すなわち闇に包まれた空に、満開の藤の花が現れ、その中から、柱たちの手とは、別の手が現れました。

炭治郎を迎えるように、空から現れた手に、自分もまた手を伸ばす炭治郎。2人の手が繋がった瞬間、炭治郎は、声を聞きました。

(お兄ちゃん、帰ろう)

禰豆子の声を聞き、また涙を溢れさせる炭治郎。

その状況を見た無惨は、さらに焦りを募らせます。

「手を放せ」

「こっちに戻れ」

「太陽すら克服したというのに」

「お前は類稀なる生物なのだ」

「そっちに行くな炭治郎」

炭治郎の体を、もはや誰にはばかる事もなく、抱き抱えて止めようとする、無惨。

「死んだ者達の憎しみの声が聞こえないのか!」

「何故お前だけが生き残るんだと叫んでいるぞ」

「何故自分たちは失ったのにお前だけが…」

しかし炭治郎は、やはり一切なびきません。

(そんな人いない)

(自分ではない誰かのために、命を懸けられる人たちなんだ)

自分たちがした苦しい思いや悲しい思いを、他の人にはして欲しくなかった人たちだから。「柱」や玄弥を始めとして、鬼殺隊の中に、憎しみの声を放つ人間など、1人もいない事を、炭治郎は知っています。

「炭治郎待て! 待ってくれ頼む!」

「私の意志を、思いを継いでくれ、お前が!」

藤の花が開く空へと、引かれていく炭治郎に、全身で縋り付きながら、声を上げ続けるる無惨。

「お前にしかできない」

「お前は神に選ばれし者だというのがわからないのか」

「お前ならなれる! 完璧な…」

「究極の生物に!」

無惨の必死の声を、炭治郎が完全に無視するうち、藤の花から伸びる手には、他のものも加わり始めました。

新たに加わった3本の腕は、やはり顔は見えませんが、羽織りの柄から、冨岡、善逸、伊之助のものだとわかります。

(炭治郎戻って来い)

(絶対負けるな)

(こっちだ炭治郎)

そうして空から伸ばされる手は、さらに数を増やし、たくさんの人が、炭治郎を待っているのだという事を、伝えて来てくれます。

(帰ろう)

(家に帰ろう)

それらの手に導かれ、炭治郎の体は、もはや完全に無惨の細胞から脱し、藤の花の開く空へと、引かれていきます。

そして、闇の沈む地面には、1人残された無惨が、未だ未練の声を、上げ続けていました。

「炭治郎」

「炭治郎行くな!」

「私を置いて行くなアアアア!」

そして。無惨の支配から完全に脱した炭治郎は、どことも知れない、藤の花に満たされた場所に、寝ていました。

しかしそれらの藤の花も、やがて、炭治郎の視界を開かせるようにして、消えて行きます。

炭治郎は、目を開きました。

そうして見えたものは、禰豆子や冨岡、善逸や伊之助、そして多くの鬼殺隊の剣士や、「隠」たちの姿。

目を覚ました炭治郎は、無惨と戦いを繰り広げた、町中の地面に、寝かされていました。

目を覚ました炭治郎 一同は傷だらけで喜びを噛み締める

「お兄ちゃん」

目を覚ました炭治郎の顔を、覗き込んできたのは、涙を流しながら兄を呼ぶ、禰豆子の姿でした。

それを見て、禰豆子と同じように、大粒の涙を流し始める炭治郎。

「………ごめん」

「怪我」

「大丈夫…か…」

そう言って、禰豆子の体調を慮る炭治郎。

「戻ったあああああ!」

「炭治郎だあああ」

目を覚ました炭治郎が、鬼ではなく、元の炭治郎だと知り、その周囲に集まった隊員たちは、歓喜にわきます。

全身を傷だらけにしながら、炭治郎を止めようとした、伊之助や善逸も、涙を流しながら歓喜。冨岡は、安心したように脱力し、その場に座り込み、傍らの「隠」に、体を支えられていました。

涙を溢れさせながらも、満面の笑みで抱き合う、炭治郎と禰豆子。

そして離れた場所に寝かされ、傷の治療を受けていたカナヲも、炭治郎覚醒の報告を、受けます。

多くの人が集うその隙間から、無事な様子のカナヲを確認し、安堵する炭治郎。

(カナヲ…)

(良かった…生きてる…)

その視線に気がついたカナヲは、炭治郎の方を見て、やはり涙をながしながらも、微笑みを浮かべます。

炭治郎は、そんなカナヲと目を合わせると、安心したように、微笑みを返しました。

一方。歓喜にわく通りに面した、家の中。太陽の下に出られない、愈史郎もまた、一行に混じりこそしないものの、安心したように吐息をこぼしながら、座り込んでいました。

「ふん」

「お前は死なないと思ってた」

そう憎まれ口を叩きながらも、嬉しそうに笑い、やはり涙を流す愈史郎。

傍らに、鬼となった猫、茶々丸を置きながら、愈史郎は懐から、珠世がつけていたかんざしを取り出します。

「珠世様」

そう言って、感慨深そうに、かんざしを握りしめる愈史郎。

「終わりましたよ……」

『鬼滅の刃』204話のネタバレと感想はこちら

『鬼滅の刃』第203話を読んだ感想と考察

鬼にされ、度重なる誘惑を受け、それでも強い思いと仲間の力で、無事に無惨の力から逃れることに成功した炭治郎。

本当に良かったです。この「鬼滅の刃」という作品、都合の良い奇跡など起こらず、「1度起こったことは取り返せない」、というこだわりが、連載開始当初から一貫しておりました。なので、炭治郎が人間に戻れた事は、本当に感じられる「奇跡」として、読者に映った事だろうと思います。

そして、「鬼」にされかけた炭治郎を助けんとして、その体を押し上げた、数多の手。これまでの長い連載期間の中、本当に多くの人が亡くなってしまったのだ、と感じると同時、炭治郎は、本当に多くの人に慕われ、愛されてきたのだな、と、目頭が熱くなりました。

その中でも、多くの人にとって印象的だったのは、やはり、かつて猗窩座と戦って散ってしまった、「炎柱」煉獄の手だったのではないでしょうか。まあ個人的に、生存をちょっとだけ期待していた、甘露寺と伊黒の死亡が、確定してしまったのは、悲しいところですが……まさにこれまでの長い連載の、集大成が、炭治郎を生かしたのだと、そう思える、素晴らしい回でした。

それにしても、炭治郎にいくら甘言を弄しても、一切まったく一顧だにされない無惨、ちょっと面白かったです。

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