『鬼滅の刃』最新話177話のネタバレと感想！黒死牟の幼少期の過去、天才・継国緑壱へと募っていく嫉妬心

2019年10月7日（月）に発売した週刊少年ジャンプ45号の『鬼滅の刃』の最新話177話のあらすじネタバレと感想をまとめて紹介します。

前話のネタバレを見逃した方は以下のページでレビューしていますので是非チェックしてみてください。

『鬼滅の刃』176話のネタバレと感想はこちら

『鬼滅の刃』第177話「弟」のネタバレ

頸を斬られ、体を砕かれる中、縁壱になりたかった、という願いを零す黒死牟。

そんな黒死牟が、今際の際に思うのは、やはり弟・縁壱の事でした。

（人を妬まぬ者は運がいいだけだ）

（出会った事がないだけだ）

（神々の寵愛を一身に受けた者に）

（全てを焼き尽くす程強烈で鮮烈な）

（太陽の如き者に）

双子の兄弟 一方は跡継ぎとして 一方は疎まれ育てられる

双子として生まれた、黒死牟こと巌勝（みちかつ）と、縁壱（よりいち）。

しかし、弟であった縁壱は、跡目争いの原因になるとして、すぐさま殺されてしまう事が決定します。

縁壱は、母の決死の抵抗で命を拾うものの、十歳を待って、寺へと行って出家させられる事が、決定しました。

そうして、差を付けられ、育てられた兄弟。そのため縁壱は、母に甘えるようにして、その側を離れる事なく、巌勝は、そんな弟を、子供心に可哀想だと感じていました。

しかし、七つになるまで、口も利かなかった縁壱が、ある日唐突に、剣の稽古をする巌勝へと、話しかけてきます。

「兄上の夢はこの国で一番強い侍になることですが？」

巌勝は、初めて口を開いた縁壱の様子に、大層驚きます。

そして、己もまた、兄に倣い侍になる、と豪語する縁壱。しかし、縁壱が十歳になれば出家させられる、と知っている巌勝は、縁壱にそれを説明し、諭そうとします。

対する縁壱は、それをわかっているのかいないのか、ただ笑うだけ。巌勝はそれを、大層気味悪く感じていました。

（命を掛けて戦う侍は）

（母親を見ればすぐしがみつきに行くような者が）

（なれる筈もない）

そう思い、縁壱を哀れむ巌勝。しかしそれ以降縁壱は、剣の稽古中、巌勝の周りをうろつくようになります。

初めて剣を持った縁壱は大人を打ち倒す程の才覚を見せる

ある日、巌勝に剣技を指南していた、兄弟の父の輩下が、戯れとして、縁壱に袋竹刀を持たせました。

持ち方と構え方だけを縁壱に教え、さあ打ち込んでみせよ、と、構えて見せる輩下の男。

次の瞬間。巌勝がどれほど打ち込んでも、一本を取る事が出来なかった輩下の男は、瞬きする間に、縁壱から四発もの剣撃を叩き込まれ、失神してしまいました。

しかし、人を打ちつける感触を、大層不快なものとして感じた縁壱は、それ以降、侍になりたい、とは言わなくなりました。

巌勝は、その強さの秘密を求め、縁壱へと食い下がり、詰め寄ります。しかし、その際に縁壱が明かした、「生き物の体が透けて見える」という事実は、巌勝の理解の、遥か埒外にあるものでした。

特別な視覚と、それに即応する身体能力を持つ縁壱。巌勝は、今まで哀れんでいた者が、己より遥かに優れた者であった事に、気が付きました。

「剣の話をするよりも俺は」

「兄上と双六や凧揚げがしたいです」

巌勝の内心とは裏腹に、縁壱は、そんな事を言って。顔を曇らせます。

縁壱との才能の差を感じる巌勝 そんなある時母の訃報が届く

剣士としての才能を持つ巌勝は、努力をすればするほど、力をつけて行きました。

しかしそれは、縁壱という神童を前にすれば、亀の歩み。巌勝は、己に抜きん出た剣の才が備わっている事を、喜ぶ事が出来なくなって行きました。

縁壱に天賦の才がある事が発覚し、巌勝は、立場が逆転してしまう事を危惧します。しかし、そんなある日の夜、突如として、巌勝の寝所へと、ふすま越しに縁壱が、声をかけてきました。

「母上が身罷られました」

突然の母の訃報を告げる、縁壱の言葉。更に縁壱は、己がこのまま寺へ発つのだという事を告げ、別れの挨拶を口にします。

そして縁壱は、以前、巌勝が手作りして渡した笛を、大事そうに懐へしまうと、そのまま荷物を持たず、何処かへと去って行きました。

巌勝にとっては、がらくたに過ぎない笛を、大事そうに抱え、笑って見せた縁壱。巌勝は、そんな縁壱の内心がわからず、何も言葉を返しませんでした。

母の日記で全てを知る巌勝 本格的に渦巻き始める嫉妬の炎

そしてその後、巌勝は、母の日記で、母の近況、そして縁壱の思いを知ります。

縁壱は、己が後継ぎに据えられると気づき、予定より早く家を出ることにしたのです。

母の死期も、その病も、わかっていた縁壱。日記によれば母は、何年も前から左半身が不自由になり、苦しんでいたのだそうです。

（左半身）

（左…）

その時、巌勝の脳裏に浮かんだのは、母の左側にしがみつき、甘えるようにして廊下を歩いていた、縁壱の姿でした。

縁壱の事を、母の側を離れられない、親離れの出来ない子供だと思っていた巌勝。

しかし巌勝が気付いたのは、縁壱は本当は、母にしがみついていたのではなく、病で弱っていた母を、支えていたのだという、事実でした。

母の日記を、くしゃりと握りつぶす巌勝。

（私はその時）

（嫉妬で全身が灼けつく音を聞いた）

（縁壱という天才を心の底から憎悪した）

巌勝は、己の内に渦を巻く激しい感情に、表情を歪ませました。

『鬼滅の刃』第177話を読んだ感想と考察

継国の家に、双子として生まれ、育った巌勝と巌勝。

巌勝は跡取りとして 蝶よ花よと大切にされ、縁壱は忌み嫌われ、その生育状況には、明確な差がありました。

そんな状況にある縁壱を、巌勝は子供ながらに憐れみ、距離を置きながらも、同情に近い念をもって、接します。

しかし、秀才の巌勝に対し、天賦の才を与えられていたのは、縁壱の方。母に対する愛情ですら差を付けられ、巌勝は、嫉妬の炎に狂って行く事になりました。

黒死牟線も終わりかと思いきや、1話まるごと使って、丁寧に描かれ始めた、回想編。

ページと話数をふんだんに使うだけあって、巌勝が「今」の黒死牟へと至る、その片鱗が、静かな雰囲気の中ひしひしと伝わってくる、1話になりました。

最終的に鬼になるわけですから、巌勝に同情の余地はありません。しかし、この子供時代の時点では、まがりなりにも、兄弟の関係は健全であったと言えます。

巌勝が抱いていた嫉妬心も、子供心だと思えば、抱いて当然の感情。その積み重ねが、次第次第に巌勝の心を壊していった、のだと思うと、巌勝に全ての咎がある、とも思えなくなって来るような、エピソードでした。

凄まじいのは、縁壱の才能です。初めて剣を握ったかと思えば大人を倒し、炭治郎たちが強敵との戦いの中で編み出した「透き通る世界」を、ほとんど生まれつき見出している。

加え、己の立場を理解し、兄への気遣いから出家し、調子の良くない母を常に支え続けていた。

巌勝がこじれてしまうのも納得の出来る、凄まじい才能でした。

惜しむらくは、巌勝の抱いていた感情を、察する事が出来なかった点くらいでしょうか。どれだけへりくだって接したとしても、巌勝が内心をこじらせていくのは、止めようがなかった気もします。

そうすると、やはり早めに巌勝の元を離れるしかなかった訳で……うーん、正解が解りません。

このように、幼い巌勝・縁壱兄弟の生活が語られた、今週のエピソード。

これで終わり、という事であれば、巌勝と縁壱の接点はなくなってしまうので、やはりこの先、「何か」があるのでしょう。

具体的には、始まりの鬼・鬼舞辻無惨の誕生と、鬼殺隊の結成あたり、でしょうか。

縁壱・巌勝以外の「始まりの剣士」たちや、産屋敷の先祖の登場などにも、期待出来そうな所。

他の「柱」たちの動向も気になりますが、唐突に始まった黒死牟回想編、作中の謎の開示も交える、存外重要なエピソードになるのかも知れません。

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