羽生結弦や宇野昌磨らの衣装デザイナー伊藤聡美の経歴や衣装の値段は?

羽生結弦 衣装

フィギュアスケートといえば、毎シーズンごとに気になるプログラムと衣装。

特に衣装は「今度はどんなデザインのものを着てくるのかな?」と、楽しみにしている人が多いのではないでしょうか。1月8日放送の「セブンルール」では、あの羽生結弦さんや宇野昌磨さん・紀平梨花さんの衣装を制作している伊藤聡美さんが登場します。

フィギュアスケーターの衣装を手掛ける伊藤聡美さんの経歴

1月8日の「セブンルール」に登場するのは、フィギュアスケーターの衣装製作を手掛ける伊藤聡美さん。

https://twitter.com/fujitv/status/1082444143857528832

伊藤聡美さんは、1988年5月31日生まれの30歳。こんなにお若い方が、あんなに素敵な衣装の数々を生み出しているなんて!

伊藤さんが服飾の道を目指すようになった原点は、彼女のお母さんにあるようです。伊藤さんのお母さんは、オートクチュールの衣装を縫う仕事をされていたそう。そのお母さんは、娘である伊藤さんの衣装も縫っていたようで、伊藤さんは小さいころから「お母さんお手製の衣装」を着て育ちました。そのお母さんはタイ人で、伊藤さんは日本人のお父さんとタイ人のお母さんのハーフです。

オートクチュールの衣装を縫う職人は、デザイナーの信頼を得る確実な腕を持つ人でなければなれません。伊藤さんのお母さんは、おそらくその職人だったのでしょう。そのお母さんが縫った服を、小さなときから着用していた伊藤さん。それは見る目が養われるはずです。

そんな伊藤さんは、高校卒業後に「エスモードジャパン」という服飾専門の学校に入学。このとき、ファッションデザイナーを目指していた彼女が、もうひとつ追いかけていたものがあります。

それは、女子フィギュアスケーターの浅田真央さん。

伊藤さんとフィギュアスケートの縁を結んだのは、日本中に感動と笑顔を届け続けてくれた浅田真央さんでした。

2008年に神戸のコンテストで賞をとった伊藤さんは、イギリスのノッテンガム芸術大学へ留学。そこで過ごした1年半の間に自分と向き合い、将来を考えたとき、「フィギュアスケートに関わる仕事をしたい」と考えるようになったとか。

浅田真央さんとの出会いが、伊藤さんをフィギュアスケートの道へと導いてくれたのですね。

やがて伊藤さんは帰国し、舞台衣装を手掛ける会社「チャコット」に入社。ここで少しずつフィギュアスケートの衣装製作のための経験を積み、2015年に独立。現在までに数々の衣装を手掛け、フィギュア界にとってなくてはならない存在となっています。

羽生君の伝説的プログラム「SEIMEI」の衣装制作を担当した伊藤さん

2018年に韓国で開催された「平昌五輪」にて、ソチ五輪に続き二度目の金メダルを手にした羽生結弦選手。

足のケガを心配されつつも、SPの「バラード第1番ト短調」では観客の不安を吹き飛ばし、FSの「SEIMEI」では圧巻の演技で世界を魅了。結果、二度目の金メダルで「五輪二連覇」を果たしました。

平昌五輪のFSプログラム・「SEIMEI」は、2015~2016年に次いで二度目の採用でしたね。この2015~2016年には、「NHK杯」で世界新記録となる322.40点を叩きだし、さらにスペイン・バルセロナの「GPファイナル」では330.43点で自身の記録を更新するという偉業を達成しています。

このときに「SEIMEI」との相性の良さを感じたのか、羽生選手は2017~2017年のオリンピックイヤーに、再びこの曲を選びました。そして見事に金メダルを手にし、五輪二連覇を果たしています。

前置きが長くなりましたが、羽生選手が2度もシーズンで滑った「SEIMEI」の衣装を担当したのが、この佐藤聡美さんです。

以前にも「フィギュアに恋して」という番組に登場し、羽生選手の衣装合わせを行っていました。

フィギュア雑誌でも衣装制作について語っており、フィギュア界では知る人ぞ知る有名人です。

https://twitter.com/fiammaazzurro12/status/890408119674720256

「SEIMEI」の衣装のモチーフは、陰陽師・安倍晴明が生きた平安時代の狩衣です。

映画「陰陽師」の曲をプログラムに選んだ羽生選手は、衣装も晴明役・野村萬斎さんが着用した狩衣をイメージしていたのでしょう。

この衣装を作るうえで、特にこだわったのが「袖」だと以前の番組で語っていました。

狩衣の袖は、ふわっとふくらんだ形になっています。それをそのままフィギュアスケートの衣装で再現してしまうと、試合のときに邪魔になります。狩衣の美しさと試合の邪魔にならないスタイリッシュさ、そのバランスをとることにこだわったのでしょう。

完成した衣装を纏って「SEIMEI」を踊る羽生選手は、まるで陰陽師の術で銀盤に結界を描いているかのようでしたね。

世界が絶賛!2018‐2019「origin」の衣装テーマは「羽」

オリンピックシーズンの翌年・2018‐2019のFSプログラムに、羽生選手は「origin」を選択しました。これは、羽生選手が敬愛するプルシェンコ選手が滑った「ニジンスキーに捧ぐ」をアレンジしたもの。

「SEIMEI」の衣装があまりに素晴らしかったため、今期の衣装はどうなるのか?とユヅリスト(羽生ファン)たちがドキドキする中、羽生選手は期待以上の素晴らしい衣装を纏って登場しました。

かつて、プルシェンコ選手が着用していた衣装に似せていることも話題になりましたね。

https://twitter.com/tamayura_yura/status/1043574686188064768

尊敬するプルシェンコ選手の「ニジンスキーに寄せて」を選んだからこそ、衣装にもリスペクトの気持ちをこめる。羽生選手の敬愛の気持ちが、この衣装からも伝わってきます。

この衣装を見た海外デザイナーは、「アレクサンダー・マックィーン好みだ!」などと絶賛。これまで、ふわりとした王子様系の衣装が多かった羽生選手ですが、この衣装を纏い前髪を上げた姿は大人の雰囲気が漂い、大人の色気さえ漂います。

今回の「セブンルール」では、この羽生さんの衣装が取り上げられました。伊藤さんは「羽から生まれると書いて羽生さん」と語り、この衣装のテーマは羽。雑誌では、この衣装に白と黒の羽100枚を使用していると語っていましたね。

SP「Otonal」で着用したこちらの衣装も、伊藤さんの制作によるもの。

https://twitter.com/1207yuzuru_Gold/status/1082646123506937856

こちらの衣装は、米国でデザイナーとして活躍しているニック・ベリオス氏が「伝説的」という形容詞で絶賛したことが知られています。

https://twitter.com/huit_bonheur/status/1043236679761321984

この衣装を着て滑る「秋によせて」は、男子フィギュアスケーターのジョニー・ウィアーさんが滑った曲。羽生選手はジョニーの演技がとても好きで、衣装のデザインを彼にお願いしたこともあるほど。FSの衣装とは違い、襟元にフリルが広がるデザインが羽生選手らしいです。

また、衣装についている直線のラインストーンは氷上を滑るときに描くエッジを表しているそうです。

この衣装も、手作業で衣装にグラデーションをつけ、羽生選手の首の長さも計算してフリルの長さを決めていました。羽生選手は首が長いので、フリルをたくさんつけても映えるのだそうです。その選手の体の特徴まできちんと計算し、その人にしか着られない衣装をつくる。

銀盤の上にたつ選手それぞれが主役になる、そんな衣装づくりのこだわりを明かしていました。

今期に伊藤さんが手がけた衣装の数に驚愕!

上記で紹介した羽生結弦さんの衣装に加え、宇野昌磨さん・宮原知子さん・紀平梨花さん・本田真凛さんなど、フィギュアスケーターからの衣装制作依頼が絶えない伊藤さん。

今期に手掛けた衣装の数は、なんと40着以上!

伊藤さん曰く、ひとつの衣装には最低三千粒のラインストーンがついているそうで、美しさだけでなく根気も必要になるお仕事です。

選手の世界観を表現する力は、選手にさえ「絶妙」「すごい」と言わせるほど。華麗で美しい衣装からは想像もできない、職人の技と細やかな作業がそこにはありました。

明かされた松田聡美さんのセブンルールは?

番組の中で明かされた、松田聡美さんのセブンルールは以下のとおり。

1.デザイン画の顔は本人に似せること

2.冷蔵庫にガリを切らさない

3.嫌なことは嫌と言う

4.男子選手の衣装は850グラム以内

5.年に一度 家族で寺を参拝する

6.日没後 1時間徘徊する

7.選手にデザインの意味は伝えない

でした。

選手が着用する衣装の重さにもルールがあった!

フィギュアスケートという競技の衣装ですから、重さにも気を使わなければいけません。

男子の場合は850グラム以内、女子の場合は350グラム以内に収めることが、伊藤さんのルールとのこと。

女子の衣装はあれだけ華やかなのに350グラム!本当に軽いのですね。

今期の羽生結弦選手の衣装は、FSの「Origin」が667グラム、SPの「Otonal」が668グラムでした。どちらも上下での重さ。

「Origin」の黒い衣装はもっと重そうですが、軽くするための工夫を凝らしていることが解ります。

自分が着る服はいつも黒!

あれだけ華やかな衣装を作るいとうさんですから、ご自身が着用する衣装もさぞ華やかなのかと思いきや、撮影の間に着ている衣装も黒ばかりでしたね。

それにもちゃんとした理由があり、選手の衣装を邪魔しないように自分は黒を着ている、とのことでした。

でも、高校時代はモヒカン!ファッションの専門学校でも、かなり目立っていたとか。周りの子が同じ服・同じ音楽を聴いていることが理解できず、個性を求めるタイプだったようですね。

フィギュアスケートの衣装のお値段は?

フィギュアスケートの衣装は高くて有名。これまでにも、何人かのフィギュアスケーターが衣装の値段に言及しています。

既製品の衣装なら15万円程度で購入できますが、フィギュアは「衣装で魅せる」という要素も非常に大きいため、やはりオリジナルの衣装を着る選手が多いです。羽生結弦選手や高橋大輔選手は、お母さんが衣装を手作りしていた時期もありました。

試合で結果を出せるようになってくると、スポンサーがついてそこからお金を出してもらえます。このくらいになると、衣装も華やかで繊細なものになるので、かかる費用は100万円を超えることもあるとか。

衣装は選手から選手へ「おさがり」として渡されることもあり、浅田真央さんは伊藤みどりさんの衣装をわりと着ていました。その浅田真央さんは、後輩の村上佳菜子さんに衣装を引き継いでいたことが報道されています。ちなみに、村上佳菜子さんは制服も浅田真央さんのおさがり。姉妹のようで、可愛らしいエピソードですね。

すべてのモノづくりをする人に見てほしい!伊藤聡美さんのセブンルール

伊藤聡美さんが手掛ける衣装制作の過程や、インスピレーションを得る方法は、すべての「ものづくりをする人」に見てほしい内容でした。

美しい衣装を作るだけでなく、素材選びから気を配り、選手が試合に出るうえでの機能性も重視している姿は、まさしくプロの姿。「美しいだけ」「機能性の優れているだけ」ではない、どちらのバランスをとってこその衣装制作の過程は、見ている方が息をのむほど。

羽生結弦選手・宇野昌磨選手・宮原知子選手といった、国内の名だたる選手の衣装を手掛けながら、いまだに選手の試合のときは「衣装がとれないか」と不安を抱えるという初心を忘れないところにも、感じるものがありました。これだけの職人になっても、「私の衣装は絶対に大丈夫!」とは考えず、常に不安を抱えているところに見えるプロの緊張感。

そんな彼女が大切にしている家族。お母さんのルーツであるタイの文化を大切にし、お姉さんとのやりとりの中では可愛らしい表情も見られます。一流選手と対等に生きる彼女の、可愛らしい素の表情も必見。娘の仕事が誇らしいと語るお母さんの、愛情あふれる表情に伊藤さんのルーツがあるように思えてなりません。お姉さんが「変わった子」と語る伊藤さんですが、その個性を大切に育んできたお母さんなのでしょう。

「人間があまり好きじゃない」と言いながら、彼女が選手の衣装に込めている気持ち。決して本人には語りませんが、そこには選手ひとりひとりに対する敬意と、確かな愛情がありました。特に、松田悠良さんの衣装へのこだわりには、彼女への愛を感じずにはいられません。

そんな彼女がインスピレーションを得る方法まで、30分と言う短い時間ながら「伊藤聡美さんのこだわりと生き方」を存分に見せてくれる番組でした。

1月15日までなら、見逃し配信で視聴できます。→セブンルール・伊藤聡美

これは、すべてのモノづくりをする方に見てほしい、プロの職人を目指す人に見てほしい番組です!

世界で活躍するアスリートの衣装を作る伊藤さん。本当に大変なお仕事なのに、プレッシャーも相当なものなのに、衣装に針を通す姿はどこか楽しそう。そんな姿からも、感じるものがあるはずです。

余計なものを語らず、大事なところだけをぎゅっと凝縮して魅せる番組構成にも圧巻。30分という限られた時間の中で、伊藤聡美さんの人柄を無駄なく視聴者に伝えるスタッフの姿勢にも、拍手したくなる番組でした。せひ、1月15日までの見逃し配信でご覧ください!

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