関東東北地方を中心に襲った台風19号は、山梨県道志村にも厳しい爪痕を残していきました。
ここには9月21日に行方不明になった小倉美咲ちゃんがいたキャンプ場があります。
未だ娘の捜索を続ける両親が公開した新しい動画と、道志村の被災の様子を紹介します。
目次
道志村も台風の被害に

山梨県道志村にある、小倉美咲ちゃんが行方不明になったキャンプ場。
行方不明当時、一緒に訪れた子供達と遊んだとされる沢は、台風によってその姿は一変しました。
道志村は相模川の上流にあり、相模川の流域ではいたるところで土砂災害が発生しました。
キャンプ場も例外ではなく、台風による大雨で沢には水が溢れ、キャンプ場には山からの土砂や倒木が流れ込んできました。
行方不明当時は美しく整備されていたキャンプ場ですが、現在は足元がぬかるみ、道の両端には土砂が積み上げられている状態です。
また、キャンプ場の地面は4分の1ほどめくりあがり、周囲の林道も同様に舗装がはがれて通行できない状態になっています。
捜索を続ける母は「ここにいないことを祈ってしまう」
台風の到来前に、美咲ちゃん捜索をしていた両親はいったんキャンプ場から撤退しました。
そして、被災していてひどい状態であるという連絡を受け、美咲ちゃんの母・とも子さんはその状態を自分の目で確かめたいと、すぐに現場に向かったそうです。
なかったはずの場所に大きな岩があったり、倒木が道を塞いでいます。
それを見たとも子さんは
「ここにいたら、無事っていうのが考えづらい。祈るような気持ちでした」
と語っています。
髪の長い美咲ちゃんの動画を公開
美咲ちゃんの両親は、また新たな動画の公開をしました。
元々美咲ちゃん自身あまり写真が好きではなかったということと、キャンプの一週間前に髪をバッサリ切ったということで、捜索の手掛かりに使用できそうな写真があまり無かったと告白しました。
短い髪で、美咲ちゃんの様子がわかるのは、今公開されている写真がすべてだそうです。
今回の動画は、色々なしぐさやしゃべり方をする様子で、美咲ちゃんがどんな子なのかわかってもらえるだろうという思いから、公開されました。
ヘアドネーションのため長い髪を切った美咲ちゃん
生まれてからこれまで、一度も髪を切ることなく伸ばし続けてきたという美咲ちゃん。
キャンプの1週間前に、とも子さんの提案でヘアドネーションをするために髪を短くしました。
ヘアドネーションとは、病気や事故などによって髪を失ってしまった子供の為に、医療用ウィッグを無償提供する活動のことです。
ウィッグに使用される髪は寄付で賄われており、1人分のウィッグを作るのに20~30人の31cm以上の髪の毛が必要だそうです。
美咲ちゃんは、病気で困っている子供たちに自分の髪の毛をあげたいと言っていたそうです。
今回公開された動画の中には、美容院で髪をカットしたばかりの美咲ちゃんの様子が入っています。
みんなに「かわいいね」と言って貰いたくて、すごくいい笑顔で写真も撮られています。

美咲ちゃんは今どこに?
現在は捜索ボランティアの募集は行っておらず、規模を縮小しながらも捜索活動は行われている状態です。
本当に美咲ちゃんはキャンプ場の周囲にいるのでしょうか?
いたとしたら、今回の台風は美咲ちゃんにどんな影響を与えたのか、考えるだけで胸が痛くなります。
普段は行ってくるねと言わずに、勝手に隠れたりどこかに行ってしまうような子だった美咲ちゃんですが、行方不明になった時は「ママ、あたし、みんなのところに行ってもいい?」ととも子さんに確認したそうです。
「いいよ」と答えたとも子さんは、ずっと後悔の念に苦しんでいます。
美咲ちゃんが少しでも早く家族の元に戻れるように祈ります。
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