横浜市にある認可外保育施設バディスポーツ幼児園にて23歳の男性保育士が、子供に手を上げるなどの暴力行為を行ったとして、解雇されました。
ここは、スポーツを通して子供たちを育成するという目的で設立された保育施設です。
スポ根幼児園と揶揄されるほどの厳しい指導が有名の園ですが、どういった指導を行っていたのでしょうか?
目次
9人の園児に暴力行為を行ったとして解雇

今回問題になったのは、神奈川県にある「横浜バディスポーツ幼児園 長津田校」です。
23歳の男性保育士は3~4歳児のクラスを担当しており、保護者からの連絡で今回の事件が明らかになりました。
その様子は設置してある防犯カメラにも映っており、暴力行為は5月の時点で保護者の耳に入っていたようです。
「クラスの子が先生に叩かれている」
という話を聞いた保護者が園に訴えたところ、当初は防犯カメラを1日分しか見ずに、暴力行為はないと判断したそうです。
ところが、今月11日に再度訴えがあり、確認できているだけでも6月下旬からの約3週間に9人の児童に11回もの暴力行為を行っていました。
男性保育士による児童の被害状況は?
同僚の保育士によると、男性保育士の暴力行為は4月から始まっていたそうです。
これまでに確認できている暴力行為は
- 大声を出して威嚇行為をする
- 数字がうまく書けない児童を平手打ちした
- 給食を3時間べさせ続けた
- 乱暴に椅子から立ち上がらせた
など幅広くなっています。
想像するに、確認できていないほどの細かい威嚇行為に関してはもっとあったのかもしれません。
バディスポーツ幼児が行うスポ根指導とは?
そもそもこちらの幼児園は、スポ根と言われるほどの厳しい指導をすることで有名です。
健康で明るく伸びやかな子どもを、スポーツと保育を通じて育成する
“うれしい”、“たのしい”。本気で取り組むからこそ得られる感動・思いを大切にします。
・何事も、まずはやってみる。そしてやりきることを通して「あきらめない心」を育みます。
・勝ったときも負けたときもお互いを尊重し合い、人との思いやり、励まし合える関係を築きます。
・本物の自然とのふれあいを通して、自然の恵みへの感謝と感動を伝えます。
・みんなで同じ目標に向かい、苦楽を共にすることで、かけがえのない仲間、絆の強い友情を育てます。
歩くの禁止の朝ランからスタート
全クラス、まずランニングから朝の活動がスタートします。
0時限として、20分走と2000mランをしてから、通常のカリキュラムを行っています。
ランニングの最中には歩くことは決して許されず、終わるまでは走り続けなければなりません。
先生も共に走りながら「絶対歩かない」などと声をかけ続けます。
年少や年中児の中には泣きながら、嗚咽を上げながら走る姿もよく見られるそうです。
この他に、1日1回は体育の授業が組み込まれており、卒園までに経験するスポーツの種類が豊富です。
- 器械体操:マット・跳び箱・鉄棒・トランポリン
- ボール運動:サッカー・バスケットボール
- 陸上競技:長距離走・短距離走・跳躍
- 武道:剣道or柔道
- リズム体操:ダンス・リトミック
- 水泳は週に1回。スキー・スケートはシーズンの実習
運動会が年3回!野外活動も充実
6月にスポーツディ、10月に運動会、11月にスポーツフェスタと、運動会が年3回行われます。
その中の競技として、年長の徒競走は300m、組体操では4段の10人ピラミッドが組まれます。
小学校では、低学年の徒競走は50mだったり、怪我が多い事から組体操が廃止される中、幼稚園でのこのプログラムはすごいですね。
また、野外活動として、年長児は富士登山、年中児は16キロの道のりを歩く山中湖ハイキングや山中湖一周駅伝をします。
少々のことではへこたれない気持ちと、仲間と一緒に行う活動を通して、互いを思いやる気持ちを育成する目的があります。
指導する保育士に負担がかかってはいないのか?
今回の事件について、取材に応じた系列園の保護者は「園長と保育士の風通しはよくなかった」と言っています。
現場と経営が繋がっていないということは以前から感じていた模様。
全員ができないといけないというプレッシャーは、園児だけでなく指導する保育士にもかかってきます。
落ちこぼれの子ももちろん出てきますので、その時には居残りをして指導したりというケアを行っているようです。
また、卒業式には三点倒立、逆上がり、跳び箱6段という課題に挑戦します。
これができないと卒業できないということです。
今回暴力行為を行ってしまった保育士は「何回も教えてもうまくいかなかったりすると、ちょっとイライラしてやってしまった」と言っています。
園側から指示されている目標をクリアさせないといけないというプレッシャーがかかっていたということです。
過去には水泳指導中に事故も
2012年7月、水泳指導の最中に園児が溺れ、一時意識不明の重体になったそうです。
本来であれば、合同授業が禁止されていましたが、この事故が起きた時は合同指導として、45人の2歳児を2名の保育士で監督していました。
事故が起きてすぐ、保育士が蘇生を行い、命に危険はなかったそうです。
園の規則では子ども15人に対して大人2~3人ということになっていましたが、この時は守られていませんでした。
通わせている親は絶賛!一般には受け入れられない
子どもを通わせている保護者は、すばらしい園だと絶賛しています。
「限界までやるという経験が小さいうちからできるのはすばらしい」
「(保育士は)しっかりやってくれている」
「みんなでやっていくという方針はすばらしい」
「先生には頭がさがる」
また、今回の事件に関しても、厳しい意見も上がる中で、応援したいという保護者も多数いたそうです。
先生や園に絶大な信頼を寄せ、多少の厳しい指導については把握しており、問題視していないそうです。
しかし、事件を見た視聴者や元職員からも園の方針に対して否定的なツイートが多く上がっています。
1年間バディスポーツ幼児園に務めて嫌気がさして3月に退職したけど
未だに離職票届いてないからね🙂辞めてから
ニュースになること絶対にあると思ってたらこれだからな
困ったもんだぜもう関係ないけどな
— たかひろ (@Nsmyr2240) July 29, 2019
バディ長津田やっと問題が明るみになったの。9年前に子供がフットサル教室でお世話になったけど、わざと顔にボールがぶつかるように蹴って鼻血出してるのにそのままにして3ヶ月で退会した。お金も返して貰えなかった。暴力での厳しい指導はあるだろうし、お金に汚いイメージ。#バディスポーツ
— るー 8月6日赤レンガ (@syoumona) July 28, 2019
#バディスポーツ幼児園 の報道やっぱりねって感じ。 #スッキリ の取材はバディに心酔してる保護者ばかり。途中で辞めた保護者などの取材もしないと公平な取材とは言えないよね。スタジオトークでも加藤浩次の子供もバディ卒だったみたいでバディ素晴らしい♪なムード。即チャンネル変えました。
— Rica*3y0mBoy&34w boy (@ricaricorin) July 29, 2019
卒園生にはサッカー選手やランナーも
スポーツに力を入れている園なので、卒園生にはスポーツ選手も多く輩出しています。
サッカーの丸山裕市選手、武藤嘉紅選手、村松智子選手、市民ランナーの川内優輝さんなどがいます。
加藤浩次さんのお子さんも10年前にはバディスポーツ幼児園世田谷校に通っていました。
また、女優の土屋太鳳さんはバディスポーツ幼児園が経営する陸上部に所属していたそうです。
バディスポーツ幼児園は都内に6園、関東圏に2園、静岡と福岡に2園あります。
どこもキャンセル待ちの多い大人気の園です。
有名スポーツ選手を目指したり、子供の可能性の開花を願うという点ではいいかもしれませんね。
コメントを残す