血液クレンジングの施術後の死亡事故は?オゾンを体内に入れる効果には「科学的根拠がない」と厚労省が実態調査に!

DA PAMPのISSAさんや市川海老蔵さん、ブロガーのはあちゅうさんなどが体験し、お勧めしている血液クレンジング。

それが、2019年11月6日の衆院厚生労働委員会の質問に上がりました。

すると、血液クレンジングには科学的根拠がないことが判明しました。

オゾンを体内に入れる血液クレンジングは誇大広告であることや、オゾンの危険性も指摘されています。

死亡事故が発生する危険はないのかについても調べてみました。

血液クレンジングとは?

血液クレンジングとは、別名オゾン療法とも呼ばれる治療法です。

元々はドイツ発祥のもので、エリザベス女王の母君が老化予防のために定期的に行っていたということで広く知られました。

オゾン発生器を利用し、血液を浄化する目的があります。

血液クレンジングの方法は?

血液クレンジングの方法はとても簡単です。

1回でもその効果が高いと言われ、効果を持続するためには月に1~2回の治療を勧めています。

  1. 100ml~150mlのボトルに血液を採取
  2. 医療用のオゾンを採取した血液に加える
  3. オゾンで活性化された血液を体内に戻す

血液クレンジングの効用は?

以下に血液クレンジングの効用を書きますが、こちらはすべて、血液クレンジングを行っている医療機関が示している効果です。

厚生労働省は、この効果について科学的根拠はないとしていますので、注意して下さい。

  • 代謝改善
  • むくみや肩こりの解消
  • 慢性関節リューマチ、頚椎捻挫などの炎症症状の改善
  • 癌や悪性リンパ腫、白血病に有効
  • 肝炎ウィルス、HIVウイルス、インフルエンザウィルスの除去
  • アンチエイジング
  • 抗アレルギー作用による、花粉症やアトピー症状の緩和

血液クレンジングについて厚生労働省の回答

質問した尾辻かな子議員は、SNSなどで広く浸透しつつある血液クレンジングについて、効果があるのかを質問しました。

すると、吉田医政局長は以下のように回答しました。

一定の医療機関に広がっていると言われているが、その効果やりすくについて厚生労働省としては現時点で把握できていない。

いま、関係学会と連携しながら情報収集をしているところだ

また、血液クレンジングが保険適用になっていないことは、保険適用に関する適切な手順が踏まれておらず、国からは一切承認をうけていないとしました。

アメリカではオゾンの医療用使用が禁止に

アメリカのFDA(食品医薬品局)では、2016年にオゾンの医療用使用が禁止されています。

しかし、日本の「日本酸化療法医学会」は年間7万人以上も治療を受けており、副作用や感染もない安全な治療法としています。

この差は何なのでしょうか?

実は、オゾン療法の歴史は古く、1856年から開始されています。

当時は結核患者や戦争での負傷者に向けて使用されましたが、細菌だけでなく人体をも傷つける行為であると結論付けられました。

FDAでは

オゾンは毒性のあるガスで、特定の治療や補助治療、予防治療において有用な医療応用は知られていない

としています。

またアメリカでは、1991年からは血液クレンジングで病気を治療するとした診療所の運営者を逮捕しています。

血液クレンジングで死亡事故は?

血液クレンジングが直接死亡原因とされている事例は今のところ2件だけ確認されました。

他にも死亡例がありますが、血液クレンジングが直接の原因とは判断できません。

すべて海外で起きた事例であり、日本ではまだ血液クレンジングによる事故や副作用については確認されておりません。

アメリカで74歳女性が死亡

2015年、アメリカのラスベガスにて74歳の女性が血液クレンジングの最中に発作を起こし、その後死亡する事件がありました。

女性は、オゾンを加えた血液を体内に戻すときに、誤って気泡も入ってしまい、空気塞栓症が起こりました。

血液クレンジングで一番発生しやすい危険が空気塞栓症です。

これが起きると、心臓発作や一時的な失明、最悪の場合はこの女性のように死亡することがあります。

タイで33歳の女性が死亡

ニュージーランドの女性が、タイに旅行中に血液クレンジングを受けました。

目的は、副腎がんの治療です。

しかし、残念ながら治療の最中に容体が悪化し、死亡してしまいました。

治療を行ったタイ人男性のWebサイトには「すべての病気を治すことができる」と書いてあったそうです。

黒い血液が赤色になるのは体内でも行われている

血液クレンジングを体験した人たちは、採血した血液とオゾンを加えた後の血液の色に感動しています。

採血したばかりの血液は黒く、オゾンを加えた後は鮮やかな赤色に変わるからです。

しかし、これは血液中の酸素と二酸化炭素の差で色が変わっているだけです。

静脈血は、体内の二酸化炭素を取り入れているので黒っぽく、動脈血は酸素を多く含むので、赤っぽくなります。

この知識は小学校で習うことであり、ネット上では「小学校の授業をちゃんと受けていれば」「実験したよ」という声も出ています。

血液クレンジングは今後どうなる?

「血液クレンジング」で検索すると、多くの医療機関が自由診療として取り入れていることがわかります。

しかし、今回の件で血液クレンジングを紹介したインスタグラマーやブロガーは訂正を発表し、自身の見解が間違っていたと認めています。

また、今後は誇大広告としての行政指導が入る可能性もあるので、このブームは下火になっていくのかもしれません。

海外では死亡事故や危険性が取り上げられていますが、日本ではまだ出ていません。

事故や問題起きる前に話題になったことはよかったと言えるのかもしれません。

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