『ブラックパンサー』アカデミー賞3部門受賞!ここに注目して欲しい!見どころを紹介

2018年に公開されたマーベル・シネマティック・ユニバース(Marvel Cinematic Universe)作品『ブラックパンサー』は、第91回アカデミー賞で作曲賞美術賞衣装デザイン賞を受賞しました。

こちらの記事では、それぞれの賞に合わせて作品の見どころをご紹介していきます。

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「アフロ・フューチャリズム」の衣装と音楽

「アフロ・フューチャリズム」とは?

本作を語る上でかかせない重要なキーワードと言われているのが、「アフロ・フューチャリズム」です。

直訳すると「アフリカ未来主義」ですが、もともとは1993年にSF作品の世界観が白人主導のものばかりであることを危惧した批評家のマーク・デリーによって提唱された言葉で、アフリカの文化をベースにした未来的価値観を指します。

本作でいえば、例えば登場人物たちの衣装やコスチュームはアフリカの民族衣装のデザインが取り入れられており、また、音楽にもアフリカの打楽器や儀式的な掛け声などが随所に垣間見えます。

ハイテクなSF的コンセプトの中にアフリカの伝統的なモチーフがふんだんに用いられた世界観になっているのです。

これまでのSF映画では見られなかった本作の「アフロ・フューチャリズム」は、観客や批評家に大きな衝撃と感動を与えました。

また、そもそもこの「アフロ・フューチャリズム」という考え方は、現実社会で迫害を受けてきた黒人たち(特にアメリカ)のルーツはアフリカではなく宇宙にある、というスピリチュアル的な思想からきているのだそう。

この概念は物語の舞台である「ワカンダ」が宇宙からの鉱物「ヴィヴラニウム」によって繁栄しているという設定にも通じるものがあります。

ちなみに、日本や中国などアジア圏の文化に根ざした「アジアンフューチャリズム」は『ブレードランナー』などの作品に見ることができます。

衣装のココに注目!

アカデミー賞を受賞した衣装デザインを手掛けたのは黒人監督スパイク・リー作品の衣装を手掛けてきたことでも知られるルース・E・カーター。

本作の、アフリカ文化や民族衣装を思わせる色彩とモチーフのコスチュームは、これまでのSF作品にはない独自のスタイルに溢れています。

主人公ブラックパンサーが着用するスーツはただ光沢のある黒いボディスーツではなく、よく見ると細かな幾何学模様のステッチが入っているのがわかります。

これは「マリ共和国のピラミッドのパターンを拝借した」と、デザインを担当したカーターは語っています。

また、王であるブラックパンサーの親衛隊「ドーラ・ミラージュ」の全身赤色の装具は、正面のビーズはトゥルカナ族やマサイ族などアフリカ全土で用いられているモチーフで、レザー部分は南アフリカの職人たちの手によるものだそう。

女王の王冠はズールー族の帽子から着想を、国境を守るボーダー族が身に付けているマントはアフリカ南部の国レソトの民族衣装からアイディアを得ており、随所に見られるアフリカ的な意匠にもぜひ注目して欲しいところ。

また、衣装デザインのカーター含め、制作に携わった主要なスタッフはほとんどが黒人であったことも高く評価されています。アカデミー賞は長い間「白人だらけ(so white)」と揶揄されることもあり、白人優位のハリウッドではこれはかなり稀なことであると思います。

そして特筆すべきはそのスタッフの多くが女性であったと言うことです(衣装デザインのカーターも、プロダクションデザインを担当したハンナ・ビークラーも女性)。

映画でも国王ティ・チャラ(=ブラックパンサー)のボディーガードやブレーン役など、身の回りは女性が固めていましたが、本作の製作過程においても同様のことが起きていたといっても過言ではないのかもしれません。

音楽もアフリカン!

また、本作の個性をより強調しているともいえるのが、ルドウィグ・ゴランソンによる音楽です。

アフリカの伝統的な打楽器「トーキングドラム」が主要な場面で用いられており、メインテーマでも度々聞こえてくる印象的な「タカタン」という音は主人公「ティ・チャラ」と発音した時の響きをイメージしているのだそうです。

男性の声による歌唱パートも神秘的で、楽曲を聞いているだけでアフリカの雄大な大地に夕日が沈む光景が自然と目に浮かんできます。

そういったアフリカの伝統音楽のモチーフをオーケストラと見事に融合させたルドウィグのスコアは、アカデミー賞も納得の出来栄えと言えるでしょう。

もちろん、ラッパーのケンドリック・ラマーによるクールな劇中歌も聞きごたえ十分。エンドクレジットで流れる主題歌「All The Stars」は本作のコンセプトである「アフロ・フューチャリズム」を思わせる楽曲となっています。

『ブラックパンサー』は作品賞にノミネートされた初めての「スーパーヒーロー映画」!

『ブラックパンサー』は受賞した3部門の他にも、「作品賞」「歌曲賞」「録音効果賞」にノミネートされています。

作品賞の受賞は逃しましたが(受賞は『グリーンブック』)実は『ブラックパンサー』はアメコミ作品では初めてアカデミー賞作品賞にノミネートされたスーパーヒーロー映画でもあるのです。

これまでにも『ダークナイト』など観客や批評家からも評価の高いアメコミ作品は作られていましたが、そのテーマ性ゆえか評価を受けることはなかなか難しいこところではありました。

しかしながら、昨今はアメコミ作品の枠組みを用いて社会問題を語る作品がトレンドとなっており、第92回アカデミー賞ではDCコミック「バットマン」のヴィランを題材とした『ジョーカー』が作品賞にもノミネートされ、ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞したことも話題となりました。

そういった意味でもハリウッド映画界に一石を投じた『ブラックパンサー』は、アメコミ作品の中でも革新的な映画であると言えるでしょう。

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