バルサンがペットや植物にも危害が加わる危険性や事例とは?代用できる安全な虫よけ方法を紹介

温かくなってきて、昆虫が活発に動く姿を見る季節になってきました。

草むらをみると、青虫がいたりバッタが飛んでいたりしますが、虫はそれだけじゃありません。家の中にもゴキブリやダニなどの害虫が!

そこで、害虫駆除のために利用されることのある害虫駆除用くん煙剤が、実は害虫駆除では、すまない危険な成分が入っているのはご存知でしょうか?

ペットや植物にも危害が加わる危険性をはじめ、危険な成分ついてや、正しい利用方法について調べてみました。

哺乳動物に高い安全性と書いてある

害虫駆除くん煙剤として代表的ともいわれるバルサン。

バルサンの公式ホームページにはどのくん煙剤も哺乳動物には安全性が非常に高いと表記されています。

「小さなお子様がいるご家庭こそバルサン」とあるように、安全に害虫を駆除できることを謳っています。

ここでおすすめされているのは、1~2時間という短時間で駆除できる霧タイプです。

嫌な臭いもせず、ミクロの霧が隅々までいきわたり、火災警報器にも反応しないというメリットが紹介されています。

有効成分は以下の3つです。

  • メトキサジアゾン
  • フェノトリン
  • d・d-T-シフェノトリン

くん煙剤の有効成分は神経毒

有効成分の3種はバルサンの煙タイプ、水タイプ、霧タイプにすべて含まれます。

メトキサジアゾン、d・d-T-シフェノトリンはアース製薬のアースレッド全種にも含まれており、メジャーな殺虫剤です。

ダニ、ゴキブリ、ノミ、蚊などの害虫を一気に駆除できるという事は、それだけ強い殺虫成分が含まれているということです。

有効成分の3種は神経毒としての効能があり、爬虫類や両生類などの小型ペットや熱帯魚などの観賞魚にとっては毒です。

また、植物も生き物なので被害が出る恐れがあります。

バルサンの注意喚起を正しく理解する

魚類や昆虫、植物についてはバルサンの公式ホームページに注意喚起がしてありますが、爬虫類や両生類についての記載がありません。

もちろん、爬虫類や両生類に対しても同じように、害虫駆除くん煙剤を使用して3日間は戻さないようにして下さい。

観賞魚がいるのですが、バルサンを使っても大丈夫ですか?

A
観賞魚は必ず外に出してから使用してください。

金魚などの魚類には毒性が強いので、くん煙剤を始動して所定時間部屋を閉め切った後、充分に換気したのち、3日間はバルサンを使用した部屋には戻さないでください。

鈴虫やカブトムシなどの昆虫を飼っているのですが、バルサンを使っても大丈夫ですか?

A
昆虫類(カブトムシや鈴虫など)は必ず部屋の外に出してから使用してください。

昆虫類には毒性が強いので、くん煙剤を始動して所定時間部屋を閉め切った後、充分に換気したのち、3日間はバルサンを使用した部屋には戻さないでください。

植物がある部屋でバルサンできますか?

A
植物は部屋の外に出してから使用してください。くん煙剤を始動して所定時間部屋を閉め切った後、30分以上充分に換気したのち、室内に戻してください。

ネットでも注意を呼び掛ける声が!

バルサンを利用して近所トラブルに発生することもあるようで、ネットでは、ペットが亡くなったケースや注意を呼び掛ける情報が紹介されていました。

バルサンの説明書には使用上の注意として「近所に伝言しておくこと」との記載があり、トラブルに発展しないためにも正しい利用方法を確認してから使用することをオススメします。

バルサンの正しい利用方法は、バルサンの公式ページ内の「よくある質問」で確認できます。

バルサン公式ページ

赤ちゃんや子供にも注意が必要

安心・安全という表記だけを信じ、説明書をよく読まずに害虫くん煙剤を焚いてしまうと、お子さんにも危険があります。

説明書には

  • 赤ちゃんが手にするおもちゃなどは予めビニール袋に入れるなどして、煙や霧などが直接当たらないようにする
  • ハイハイした手をなめることもあるので、床は乾拭きする
  • 使用後は必ず掃除機をかけ、口に入れる危険性のある物は乾拭きする
  • 衣類や布団はタンスや押し入れに収納するか、別の部屋に移動させ、煙や霧が直接当たらないようにする

とあります。

もし触れてしまった場合は乾拭き、掃除機、洗浄を推奨しています。

害虫駆除くん煙剤はスプレータイプの殺虫剤1本分に相当

平成14年に国民生活センターが行った実験によると、害虫駆除くん煙剤はスプレータイプの殺虫剤1本分に相当するという結果が出ています。

部屋全体に行き渡らせることを考えると、それくらいの量は使ってしまうのも仕方がないのかもしれません。

十分換気を行ったとしても、実験によると、害虫駆除くん煙剤の成分はカーテンや壁紙、床には換気前と変わらない量の殺虫成分が残っていました。

使用後に掃除機や乾拭きを推奨している理由がよくわかりますね。

しかし、使用者すべてがこのことを理解しているわけではありません。

Twitterでは、マンションの上の階の住民が焚いた害虫駆除くん煙剤で、ペットの爬虫類が死亡してしまったことが話題になっています。

マンションや集合住宅用という商品も販売されていますが、成分の効き目がどこまで広がってしまうのか、換気によって近所に殺虫成分が拡散してしまう可能性についても、説明をしてほしいと思います。

天然成分で虫よけ!ゴキブリにも効果あり!

手軽に使用ができて効果が高いのが薬剤を使用した殺虫剤ですが、ペットや小さい子供のことを考えると、安心・安全の成分を使いたいですよね。

そこで、昔から利用されている天然成分の虫よけについて紹介します。

除虫菊(シロバナムシヨケギク)

セルビア共和国原産の、マーガレットににた小さい花です。

この花の中にはピレトリンという殺虫成分が含まれており、これを利用して日本で蚊取り線香が作られました。

しかし、現在の蚊取り線香には、ピレトリンとよく似た効果を持つ合成物質ピレスロイドがメジャーになってきています。

天然成分の蚊取り線香をお求めの時は裏の成分表をみて、「ピレトリン」が配合されているものを選びましょう。

薄荷(ハッカ)

ハッカはハッカ草から取ったオイルが効果があります。

ハッカはミントとよく混合されることがありますが、実は全く違う植物です。

ペパーミントは西洋薄荷、スペアミントはオランダ薄荷と言われており、薄荷の場合は日本古来のニホンハッカを指します。

ハッカオイルはドラッグストアなどでも簡単に手に入るので、自作の防虫スプレーを手軽に作ることができます。

ハッカの場合、殺虫成分が含まれていることはありません。

ゴキブリを含めた多くの虫は、ハッカに対して忌避性があるので、ハッカのある場所は嫌って寄り付かないという効果があります。

なので、掃除をする時の雑巾にハッカオイルをしみこませておいたり、ハッカスプレーを小まめに撒くなどするといいでしょう。

ハッカオイルは揮発性なので、日々の掃除やお手入れに使うことで効き目が持続します。

天然成分で安全を求めるか、合成成分で即効性を求めるか

天然成分の場合、強い殺虫や防虫効果がありません。

その分、安心・安全なのですが、即効性を求める場合は、どうしても、合成殺虫成分の入った殺虫剤を使用したくなりますよね。

できれば、普段は天然成分のもので防虫ケアを。

害虫が出た場合の対処療法として、合成殺虫成分の入った殺虫剤を使用する方法をとって欲しいと願います。

使った後は部分的に、壁や床の清掃も忘れないで下さいね。

大事なお子さんやペットを守るため、説明書を最後まできちんと読み、乱用しないようにして欲しいと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です