『アクタージュ act-age』最新話90話のネタバレと感想！「羅刹女」第2幕が始まり先陣を切る白石の実力とは？

2019年11月18日（月）に発売した週刊少年ジャンプ51号の『アクタージュ act-age』の最新話90話「海の中」のあらすじネタバレと感想をまとめて紹介します。

前話のネタバレを見逃した方は以下のページでレビューしていますので是非チェックしてみてください。

『アクタージュ act-age』89話のネタバレと感想はこちら

『アクタージュ act-age』第90話「海の中」のネタバレ

第2幕を待つ客席 武光たちの出番が近づき高まる期待と不安

束の間の幕間を経て、武光たちの、「夜凪の覚悟に報いる」という思いが更に強まる中。

客席で、第2幕の開演を待つ観客たちは、夜凪と王賀美に続く、白石ら他のキャストたちの登場に思いを馳せていました。

「…武光プレッシャーだろうな」

そう言って、「デスアイランド」で共演した武光の心情を慮る真咲。

この先に待ち受ける、「芭蕉扇を奪い返しに悟空一行に立ち向かう羅刹女」のシーンを、武光たちが演じる事に不安を感じます。

そして、同じ不安は、今から舞台に立つ、夜凪の共演者たちも感じていました。

「白石サン、今の夜凪はちょっとすごいぜ」

そう言って、白石を気遣ってみせる王賀美。

当の白石も、それは解っているようで、「夜凪の覚悟を無駄にはしない」と、第2幕の先陣を切る事に決意を語ってみせました。

第2幕開演 先陣を切った白石は無二の芝居で夜凪を圧倒する

そして、ついに始まった「羅刹女」の第2幕。

観客たちの目の前に現れたのは、第1幕のシンプルな舞台とは大違いの、「木彫りの火焔山」という大掛かりなセットでした。

（一層禍々しい芝居になりそうだな）

そう考えながら、夜凪の登場を待つ阿良也と、「サイド乙」の面々。

そうする内、「羅刹女」に扮した夜凪が、舞台に対面する形で、ついに姿を現しました。

「ああ火焔山が燃えている」

「いつもより強く…！」

芭蕉扇の使い方を解っていない悟空のせいで、より激しく燃える火焔山。その風向きから、悟空の居所に当たりをつけた「羅刹女」は、悟空一行の元へと、向かいます。

（相変わらずの迫力…だが）

（さっきまでとは客席の空気が違う…）

そう、現状の客席の状況を分析する、王賀美。そうして、王賀美でさえ手をこまねいた夜凪へと、どんな演技を見せるのか、という期待を背負い、三蔵法師に扮した白石が、羅刹女の前に、姿を現しました。

「あの猿の言っていた坊主か…あれを手懐けるとは只者じゃないな」

「悟空は無闇に炎を煽るばかりです。教えて下さい、火焔山の炎の消し方を」

そう、セリフの応酬を重ねてきく、夜凪と白石。激しい怒りに燃える夜凪とは対照的に、白石の演技は、静かに続いて行きます。

「…ああ、あなたは火焔山の鎮め方は知っているのに」

「自分に宿る炎の鎮め方は知らないのですね」

その、何でもないセリフを受け、客席と控え室の役者たちは、驚きに目を見開きます。

（声のトーンも調子もずっと一定。子守唄みたいな静かな芝居なのに）

（迫力…とは違う）

七生と亀太郎もまた、白石の演技に、ただならぬものを感じ取ります。

「盗っ人が説教か！」

しかし、そのセリフを受けた「羅刹女」は、剣に手をかけて激昂。

それを見た王賀美は、並の役者であれば、飲まれて終わってしまうであろう、その芝居に改めて感心の視線を送ります。

（だが──）

「あなたの敵は本当に私ですか」

今にも飛びかからんとする「羅刹女」へと、そう、諭すように語りかける三蔵法師。

それを受けた羅刹女は、まるで毒気を抜かれたかのように、立ち止まってしまいます。そうして白石の芝居は、まるで「羅刹女」の怒りを、鏡に写してはね返すように続いていきました。

白石の持つ強みを語る黒山 そしてついに武光たちの出番が訪れる

「白石君がすっかり空気を支配している」

「王賀美君と対等以上の存在感を持つ彼女相手に」

そう言って、その芝居を評価するのは、「サイド乙」の面々です。「テレビを見ない」という阿良也もまた、白石の演技を前に手放しで褒め称える言葉を贈りました。

黒山いわく、「善人役」ばかりが、あてがわれ、役の幅を狭めていた、という、10年前の白石。しかし今の白石は、任侠映画御用達のヒール俳優なのだと、黒山は説明します。

「優しい笑みで強面たちを相手にする。あの異質の恐ろしさは真似できるものじゃない」

白石の強み、つまり「誰がきいてもその言葉に正しさを感じさせる」という、その力。

それは、今の「羅刹女」を苦しめる事が出来る、唯一の人材なのだと、黒山は語ります。

かつて、王賀美が日本を離れた、10年前。自らのイメージ変更を望み、事務所と随分やりあった、という白石。その演技を見る王賀美は、それを「地味な芝居」と評しながらも、穏やかな笑みを浮かべていました。

そして、出番を次に控える武光もまた、白石の芝居を、見ていました。

（皆才能と経験を持っている）

（俺はどちらも持っていない）

そう自分を追い詰めると同時、「私はもっともっとずっと一生お芝居を続ける」という、夜凪の宣言を思い出していた、武光。

（だが役者にはきっともっと大切なものがあるはずだ）

（そうだろ夜凪）

そのような事を考えながら、武光は、朝野と共に、舞台へと上がる、その時を待ち構えます。

「流れは白石さんが作ってくれた、出番ですよ武光君」

そして、武光の横で控える朝野の言う通り、ついにやってきた、出番の時。

（夜凪…お前の必死に応えたいと俺は言った）

（だが本当は）

（今日は俺の日だと、そう思っている）

そうして、朝野と武光もまた。夜凪に劣らずの、並々ならぬ思いを抱きながら、舞台上へと上がって行きました。

『アクタージュ act-age』第90話を読んだ感想

王賀美の活躍により、夜凪の存在感を失わないまま、勢いを取り戻した舞台「羅刹女」。

幕間も終わり、第2幕が始まろうとする中、観客や関係者、演者、そして「サイド乙」の面々は、夜凪と王賀美に続いて出てくる共演者たちに、各々、不安と期待を寄せていました。

そうして始まった第2幕において、白石は、自らの得意を活かし、熱演。

朝野と武光もまた、夜凪の覚悟に応えるべく、舞台へと上がっていきました。

ここまで舞台「羅刹女」が演じられる中、いつの間にか解説のような役どころを確固たるものとしていた白石。

王賀美のデビューに居合わせた事や、王賀美から信頼を寄せられている事などから、年季と実力のある俳優だとは解っていましたが、その演技、そして周囲からの評価は、想像以上のものでした

。いち読者としては、和歌月の言う通り、「地味な人」くらいの印象でしたが、まさか任侠映画御用達俳優だとは、かなり意外。

周囲いわく、「事務所とやり合って獲得した芸風」だとの事ですが、それが自分の得意を活かす道だと、解っていたのでしょうか？ 解説役が板につきかけていた、白石ですが、「安定した演技力と事務所とやり合うストイックさを持つ俳優」とか、ともすれば王賀美以上に、美味しい役所の、キャラクターでした。

このように、第2幕が始まり、まずはベテラン俳優・白石にスポットが当てられる事となった、今回の話。

朝野もまた、白石には及ばずとも、経験豊富な役者である事が語られていますので、心配はないでしょう。しかし不安なのは、やはりこの舞台において明らかに経験で劣る、武光の存在。

ここ数週、夜凪を慮るがゆえ、そして不安ゆえか、モノローグがガンガン増えてるのも、またこの先のトラブルを予感させます。とは言え、舞台開幕前、和歌月に「あとは実力を見せるだけ」と啖呵を切るなど、メンタルの強さも散々描写されてきた武光。

今の夜凪を前に、どう言った役割をもって舞台に上がるのかは、未だ判然としませんが、その役割を、見事にまっとうしてくれるものと、期待しています。

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