『アクタージュ act-age』最新話88話のネタバレと感想!自らを貫き「悪役」となった王賀美、主人公交代の逆転劇

2019年11月2日(土)に発売した週刊少年ジャンプ49号の『アクタージュ act-age』の最新話88話「俺の定義」のあらすじネタバレと感想をまとめて紹介します。

前話のネタバレを見逃した方は以下のページでレビューしていますので是非チェックしてみてください。

『アクタージュ act-age』87話のネタバレと感想はこちら

『アクタージュ act-age』第88話「俺の定義」のネタバレ

超然的ですらある、夜凪の芝居によって、窮地に追いやられていく、王賀美。

皆が王賀美の凋落を確信する中でも、自身を曲げない王賀美によって、舞台「羅刹女」は、それそのものが、瓦解の危機を、迎え始めていました。

自身の芝居を貫き続ける王賀美 しかし全ては逆効果にしかならず

王賀美の、「ヒーロー」を演出する演技をものともせず、その存在感を食らい続ける、夜凪。

「尊大な芝居が却って羅刹女の怒りを際立たせてる」

「これじゃ火に油だ」

「サイド乙」の役者の言葉が示すとおり、舞台「羅刹女」が、もはや「王賀美陸らしさ」だけでは、押し切れない状況にある事は、明白となって来ていました。

そうして、ここからどうするのかと、皆が視線を送る中。

王賀美が選択したのは、なんと「お姫様だっこ」。王賀美は、ここに来てもなお、自身の芝居を貫き、その存在感を、取り戻そうとします。

(しかしあれではあまりにやり方が…)

しかし、白石が感じた危惧は、すぐに的中することになってしまいます。

『私もう少しであの猿に殺されるところだったんですよ』

『それを今頃になって』

ことここに至っての、王賀美の芝居は、もはや逆効果にしかなりません。

夜凪の芝居は、ますます鋭さを増していき、王賀美の行動は、夜凪の怒りを引き立てる、場違いな行動にしか、映っていませんでした。

そんな王賀美の失敗を、冷めた目で見つめる、阿良也。

(媚びるように羅刹女の情に訴え芭蕉扇を騙し取る)

(ここで牛魔王に求められているのはそういう芝居だろ)

「追い詰められてヤケになったか」

それと同じように、「サイド乙」の演者たちも、暴走している、としか見えない王賀美に、辛辣な言葉を、送ります。

しかし、王賀美の暴走は、なおも止まりません。

『私はもうお前を離さぬ』

そう言って、今度は王賀美は、腕の中の夜凪に、キスを迫るような仕草に出ます。

「なっ…」

驚きに固まる客席と、それを見守る演者たち。

夜凪は、咄嗟に王賀美の顔を払い除けると、その腕から落ち、舞台に倒れ込んでしまいました。

それを見る観客たちは、悪あがきをしているようにしか見えない、王賀美に、殊更冷たい視線を、送ります。

(なんか)

(胸糞悪くなってきたな…)

王賀美の芝居を見て、素直にそう評する、七生。

せっかく作ったヒーロー性すら、失った王賀美を見て、白石は、舞台そのものの崩壊を、危惧し始めます。

なおも悪あがきを続け反感すら抱かれ始めてしまう王賀美

『私はずっとあなたを待っていました』

夜凪のセリフが、舞台に響きます。

「まだ続けるか」

「それはそうだろう、観客にはトラブルに見えていない」

そう評する、「サイド乙」の面々が見守る中。夜凪は、セリフを紡ぎ続けます。

『なのにあなたはどこにいましたか』

『その時誰といましたか』

『そんなにあの女が良いのですか…』

そう言って、もはや悲壮さすら感じさせながら、浮気をする夫を糾弾する、羅刹女。

『何を言う』

『私の一番はお前だ』

『愛する妻よ』

しかし王賀美は、なおも不遜な態度を崩す事なく、笑みすら浮かべて、羅刹女への愛の言葉を、囁きました。

それを見た、客席に座る夜凪の同級生・朝陽は、王賀美に、ヒーロー性どころか、不快な感覚すら、抱き始めます。

(ヘラヘラ笑いながら)

(何なのあいつ…!)

そんな客席の雰囲気を感じ取り、もはや悪役(ヒール)が2人、とでも言う他ない、状況になってしまった事を悟る、花子。

花子は、自身の舞台が、もはや破綻してしまった事を、確信します。そうするうちにも、舞台は進行。

夫に浮気され、孫悟空に殺されかけ、その口八丁に騙された羅刹女は、ついに芭蕉扇を、牛魔王に化けた孫悟空へと、渡してしまいます。

(さっきまで目も合わせられないくらい恐ろしかったのに)

客席で、そんな羅刹女の様子を、悲痛な面持ちで見守り続ける、朝陽を始めとした、観客たち。

その心の内に去来した感情は、当然のように、共通のものでした。

(あれじゃ羅刹女が)

(可哀想…)

主人公交代 王賀美が「悪役」になる事で夜凪に同情の念が集まる

その時、誰もが気が付きました。

観客の誰もが、夫に裏切られ、なおも傲慢に振る舞われ続ける、羅刹女に対し、もはや恐怖の感情を抱いていない事に。

「あの…」

「私だけじゃないですよね…これ」

「なんかいつのまにか」

「もしかして私たち…」

「羅刹女に同情しちゃってません…?」

「サイド乙」の控え室、そこにいる柊の言う通り。

客席、そして演者の誰もが、羅刹女に対し道場の念を抱いていました。

阿良也もまた、ここに来て悟ります。

(なるほど)

(あんた初めから、羅刹女の情に訴えるのではなく観客の情に訴えるために──)

(あえて嫌われにいってたのか)

そうして、牛魔王が変化を解いて孫悟空に戻り、芭蕉扇を奪い取ったことで。

羅刹女に対する同情の念は、決定的なものになって行きました。

そんな中で、王賀美は考えます。

(礼を言うよ、景)

(いつからか見誤っていた)

(俺の定義は俺の外側にはねぇ)

(ましてや観客の中にもねぇ)

(好かれようが嫌われようが、俺は役者・王賀美陸)

そうして、再び芭蕉扇を巡る、大立ち回りを演じる、夜凪と王賀美。

客席で、さっきまで夜凪を怖がっていた観客たちは、もはや完全に夜凪の味方になっていました。

それを見る千世子もまた、王賀美の芝居に、感嘆の念を送りながら舞台を見守ります。

「出鱈目に好かれるのも出鱈目に嫌われんのも」

「スターの甲斐性だ」

「やられたよ」

「ここから観客は夜凪の味方」

「主人公交代だ」

舞台を見る黒山の言葉通り。

羅刹女を見下ろす孫悟空と、それを生気ある目で見つめる羅刹女の構図は、完全に先程までのもと、逆転したものになっていました。

『アクタージュ act-age』第88話を読んだ感想

夜凪が演じる圧倒的な「怒り」に、観客が飲み込まれる中、ついに訪れた「変化」のシーン。

「弱さ」を演じる事が求められる中であっても、自分を貫いた事で、王賀美は、どんどんと窮地に追いやられて行きます。

しかし、あえて無様な「王賀美陸」を演じる事で、王賀美は、観客の情を、羅刹女へと向ける事に成功。

「孫悟空」を悪役に仕立てる事で、王賀美は、破綻しかけた舞台を、どうにか立て直す事に成功しました。

まさに「主人公交代」と言うべき、急転直下の展開になった、舞台「羅刹女」。

王賀美が一体、何を狙っているのか、という部分に、焦点が当たった今号の話でしたが、王賀美は、本当に「王賀美陸」である事を貫いたまま、舞台を立て直してしまいました。

観客からの反感すら買い、失敗を重ねていく王賀美の姿には、ハラハラさせられましたが、それも全て、作者の掌の上。

作中では、王賀美が「自分のイメージを自ら壊して」などと書かれていますが、不遜で傲慢な王賀美のキャラクターは、元より「嫌われる」ための、土台であったのだと、妙な納得さえ、させられてしまいました。

そして、ちょっと忘れかけていましたが、この漫画の主人公は、あくまでも夜凪。

ここ数週間、見事なまでの悪役ムーブを続けていた夜凪が、今度は観客に同情される、「主人公」として描かれ始めた事は、素直に嬉しさを感じます。

舞台上の事であるとは言え、夜凪が、同級生や役者仲間、そして見ず知らずの少女にすら、「怖がられている」という状況は、少々不満を感じるものでした。

しかしその小さな不満が、なおのこと、今週号におけるカタルシスに繋がっており、まさしく全てをひっくり返す、ターニングポイントとなる回に、なりました。

このように、圧倒的窮地にあった状況がひっくり返る、ターニングポイントとなった、今回。

しかし、主人公を「羅刹女」とした雰囲気を、このままアドリブ禁止の台本をなぞりつつ、維持して行くのは、至難の業なのでは? とも思います。

そのために必要なのはやはり、武光を始めとした、「サイド甲」の演者たちの、状況対応力。

夜凪、王賀美に比べると、どうしても一歩劣る、と見てしまいがちな、共演者たちですが、果たして王賀美が作り上げた反撃の気風を、終幕まで、維持し続けることが、出来るのでしょうか。

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