2019年8月5日に発売した週刊少年ジャンプ36号の『アクタージュ act-age』の最新話76話のあらすじネタバレと感想をまとめて紹介します。
前話75話のネタバレを見逃した方は以下のページでレビューしていますので是非チェックしてみてください。
『アクタージュ act-age』75話のネタバレと感想はこちら
目次
『アクタージュ act-age』第76話「勝機」のネタバレ
千世子サイド稽古開始、卓越した演技にしかし黒山の表情は渋く
牛魔王の妻・羅刹女が募らせる怒りと、孫悟空との大立ち回りが描かれる、舞台「羅刹女」。
夜凪サイドの準備が順当に進む中、不安定な様子を見せる千世子サイドの方でも、その稽古が始まっていました。
「ああ腹が立つ腹が立つ」
「あなたは毎年毎年妾のところへ」
阿良也や黒山ら、共演者に見守られる中、繰り広げられる千世子の演技。
その「天使」とは程遠い様子に、同じく共演者である「スターズ」所属の女優、和歌月は、度肝を抜かれていました。
同じように黒山もまた、千世子の演技を「悪くない」と評します。
夜凪よりも余程扱いやすい、「演出家いらず」と言われるあり方は、まさにプロフェッショナル。
(だが)
(もうただ上手いだけじゃ今の夜凪には勝てない…)
そう考えを巡らせる黒山。
その見る先で、千世子もまた、空港での夜凪の演技を思い出し、演技をストップさせてしまいました。
千世子は黒山に詫びを入れ、もう一度始めから演技をやり直し、稽古を続けて行きます。
稽古が終わったあと、千世子は、稽古場の廊下を和歌月と共に歩いていました。
千世子の今日の練習を、自分と比べて賞賛する和歌月。対する千世子はそれを気にする風でもなく、自分たち、そして夜凪たちの空港での様子を映像で観たか、と和歌月に尋ねます。
「じゃあさ」
稽古場の外で、出待ちから逃げるようにして車に乗り込む千世子。
「私の芝居と夜凪さんの芝居」
「どっちに魅入った?」
千世子は和歌月にそう重ねて尋ねますが、その答えを聞く事なく、千世子は去っていってしまいました。
千世子の新たな演技を思う黒山、そして千世子からの呼び出し
そんな千世子の様子を建物から見下ろしながら、黒山は考えていました。
千世子は「天使」として得た地位と人気をすべて捨てようとしている。そしてその選択は、夜凪・王賀美を相手にする場合、女優として正しいのだ、と。
(だがだとしてもーー)
そこまで考えた黒山の携帯に、通知が入ります。
内容は千世子からの、今夜会いたい、というメッセージでした。
千世子が住むマンションを訪れた黒山は、本来なら自分が千世子に話を持ちかける立場であった事に、詫びを入れました。
しかし千世子はそれを気にする事なく、黒山もまた悩んでいるのだ、という事に、理解を示します。
それを見た黒山は、改めて千世子が抱いた決意を察知。買っても負けても「天使」としての立場を失い、そしてそうまでしても勝てる保証はない。
それを解った上で「羅刹女」に臨む千世子に対し、黒山は、「勝たせてやりたい」との強い思いを抱きます。
千世子の強い思い、勝利のために黒山が見出した「感情」とは
そこで千世子は、傍らのモニターに、今までの夜凪の演技を映し出し、思いを語り始めました。
10年間、自分が築いてきたものを、夜凪はたった半年で追い越そうとしている。そして夜凪をそこまで成長させたのは、紛れも無い自分なのだと。
夜凪は天才で、自分はそうではない。この世界に選ばれた主人公は別にいて、それは自分ではない。
「でも」
「やっぱり負けるのは悔しいんだよ」
「悔しい…!」
そう言いながらも千世子は、激しい怒りを表情に滲ませました。
それを見た黒山は、語ります。山野上の書いた羅刹女は怒りの物語。
最初からこの舞台は、夜凪に有利で、千世子には不利なものであったのだ、と。
「だが確信した」
「お前のその感情(ほのお)だけは誰にも負けない」
そう言った黒山は、内心で星アリサに詫びを入れ、決意の表情をもって、千世子へと語りかけます。
「天使を捨てる覚悟はいいな 百城千世子」
「もっと夜凪を妬め 愛せ 憎め」
「内側の炎で身を焦がせ百城」
「俺が倒させてやる」
「夜凪景を」
それを聞いた千世子の顔に浮かんでいたもの。それは怒りとは別の、決意の込められたような覚悟の表情でした。
『アクタージュ act-age』第76話を読んだ感想
順風満帆に進む夜凪サイドから一転、黒山率いる千世子サイドにスポットが当てられました。
問題児の多い夜凪たちに比べ、見た目だけは順調であるかのように見える千世子たち。しかしその心中は穏やかでなく、千世子・黒山は(恐らくは阿良也も)このままでは勝てない、と思っている。
そんな感情が遂に読者の前に発露した、という回でした。
かなり前から、何やら思いつめている様子を見せ、前回においてはそれが表情にまで現れていた千世子。
夜凪の成長に対する焦りや嫉妬から、何か思いつめた行動に出てしまいやしないかと思っていましたが、それを上手く操って「勝機」として捉える方向に持っていくようです。
今回の「ダブルキャスト編」はこれによって、完全に千世子が主人公という様相を呈し始めました。しかし、感情だけで勝てるものではない、というのが勝負の世界。
バトル漫画であれば次回からは修行編、となるような場面ですが、果たして黒山は、千世子に何をさせる気なのでしょうか?
描写が少なく、思考がいまいち読めなかった、黒山の動向も本格的に描かれ始め、物語の方向性がなんとなく見えてきた、という感じであった今回。
キャラクターの紹介や、立ち位置の整理も一段落付いた、という場面で、次回からの展開は重要なものとなりそうです。
これが本エピソードの方向性を、本格的に決定づける事になるのではないかと思うので、次なる展開に、ますます注目して行きたいと思います。
コメントを残す